六雪目
PV:30,000突破!
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嬉しすぎて、本分が忙しい時期なのに書いてしまったww
ただし、短い。
「パリシア! おはよう!」
「ああ、遅かったね」
「おはようございます、スレルト。王太子殿下もお待たせして申し訳ございません。少々伝達ミスがあったもので」
「そう、大変だったね」
「はい、とても。ですが、お二人が時間を有効にお使いのようで安心いたしましたわ」
白々しい。わざと侍従に嘘の情報握らせたくせして、何が『大変だったね』よ。邪魔者扱いするなら帰してほしい。
なにより、部屋に入るなり見せつけるように膝の上にスレルトを乗せていちゃついてるってどうよ? 私付きの三人は不愉快そうなオーラを醸し出してるし、案内してくれた侍従は嘘の情報のせいで青くなっていた顔を真っ青にしてるんだけど。
「え…? あっ!? いや! 違っ! 違うよ! パリシア!」
私の発言で、自分が王太子の膝の上に座っていることに気付いたスレルトは、顔を真っ赤にして立ち上がったけど、そんな否定しなくても別に私、スレルトとそういう関係じゃないし問題ないんだけどな。
どっちかというとその態度でくる王太子からの射るような嫉妬の瞳の方が精神的にも現実的にも問題だ。事実、私の待遇に王太子はかなり絡んでるしね。
「そのようなことより、食事に致しませんか? 恥ずかしながらわたくし、宮殿内を歩いてお腹が空いてしまいまして、構いませんか?」
「……構わないよ」
「うん! 食べよ!」
私達の間で話がつけば、優秀な使用人達は次々と料理を運んでくれる。言葉の通り、テーブルいっぱいに料理が並ぶ。
「スレルト、これ美味しいよ」
「えっ! いいよ! 自分で食べれるから!」
「ん?」
「だってぇ、パリシアいるしぃ…」
おっ! 今日、米じゃん! ラッキー!
夢ってか、多分前世だった自分が米食だったせいか、パンより米派なんだよなぁ。
「……スレルトは俺が嫌い?」
「ッ! そんなこと!」
「俺に食べさせられられるのイヤ?」
「――! そんな顔ズルいよ…」
「はい」
「んっ…」
「美味しい?」
「うん…!」
あー、本当にご飯作らなくていいとかメッチャ楽だわー。献立考えなくていいだけでもありがたいのに、作ってもらって、さらに美味いとか、ここだけ感謝だな。
「スレルトの食べてるの美味しそうだね。一口食べさせて」
「な、何で、あーんしてるのさ!」
「だから、食・べ・さ・せ・て。ね?」
「でもぉ…」
「…スレルト。周りなんか見ないで俺を見て」
「プロイス! ッ! はい、あーん」
「あーん。…うん、スレルトが食べさせてくれたからいつもより美味しいよ」
「味なんか変わるわけないよ!」
「そんなことない。本当に美味しいよ。特別に、ね」
まあ、頼めば、ロザラオもジュノットも快くやってくれるし、普通においしいんだけどね。
ふう、さてといい加減バカップルの暴走止めなきゃな。私だけならロザラオとジュノットで慣れてるけど、待機してる侍女や侍従の中にはポーカーフェイスが崩れて、砂吐きそうな顔し始めてる子も出始めてる。
「次は――」
「スレルト、そのデザート一口貰っても構いませんか?」
「え? うん! どうぞ!」
王太子の言葉を遮って、スレルトにそう言うとちぎって口元に近付けてくれたが、受け入れる理由は見つからないので手で受け取って食べる。
それだけでも日常化した王太子の射すような視線を感じるのに、あーんなんかしてもらった日には、王太子に殺されかねない。
「はぁあ、ホントによく話しかけれますよね! 私、砂吐きそうでしたよ!」
部屋に戻れば、カリメアが嘆息のあと、吐き捨てるように言った。
まあ、ジュノットとロザラオのくそ甘さで慣れてる私には分からないけどね。
「私も甘いもの好きなはずなのに、甘過ぎて吐き気を感じました」
そう言ったミーティアの顔は、若干青い気がする。そんなことを思いながら、この不自由な時間をどう過ごそうか思案していると、扉をノックする音が聞こえる。
「メリッサです。パリシア様、ユーリア様が面会にお見栄です。お会いなされますか?」
「ッ! お姉様が!? 今に会いに行きますとお伝えください! ミーティア、カリメア、用意を手伝ってくださいます!」
護衛のミーティアとカリメアではあるが、実際四年以上の侍女経験の条件を満たしていて、尚且つ私に割り当てることが可能な侍女がメリッサ以外居ないため、二人には非公認ではあるものの事実上の近衛兼侍女の役目をしてもらっている。
それにしてもお姉様に会うなんて一年ぶりになるな! 元気にしてたかな?
「パリシア様、用意が出来ましたよ」
「へ? あ、ありがとう」
いけない、いけない。つい、意識を飛ばしてたわ。にしても、お姉様待たせ過ぎるのも悪いし、急がなきゃな。
私は、ミーティアとカリメアを連れて、若後宮の応接室に急いだ。




