94.変態曰く
ある放課後、俺はアホみたいにデカい部屋に、彼女たちを呼び出していた。
「みんな、今日は来てくれてありがとう」
各々が頷いている。
この部屋は、美桜に頼んで用意してもらった特別な部屋。
古代ローマのような巨大なテルマエがあり、その先には人が十人ぐらい寝れそうなビッグなベッドが設られている。
もちろん、何をするのかは彼女たちも理解している事だろう。
その瞳は期待に煌めいている。
「……僕はずっと考えてきた。美桜、ミラ、千翼、凪ちゃん、そして綾香。僕はみんなが大切で、みんなを愛している」
俺は順々に彼女たちを見つめていく。
「樹さん……私も、お慕いしております……」
これから何をするのか分からないが、めちゃくちゃにされてしまうという事は理解している美桜。
俺の初めての彼女にして、色々な面で俺を支えてくれた。
「私も愛しているわ、樹。私にあげられるものは、あなたに全部あげる」
既に覚悟を済ませているどころか、節々から重さを滲ませているミラ。
二番目の彼女にして、趣味が合う才女だ。
「も、もう……みんな積極的だなぁ。でも、私だって樹くんへの気持ちは負けてないよ!」
今日も元気な千翼。相変わらず彼女の脚は、この世のものとは思えないほどに輝いていて、気を抜くとその素晴らしさを世界に知らしめるための論文を書き始めてしまいそうだ。
三番目の彼女にして、規格外の運動能力を持っている。
「ウチはずぅっと待ってたんよ? 先輩を溺れさせたるなぁ?」
むしろ俺を喰ってやろうと思っていそうな凪。
四番目の彼女にして、エロという一点なら彼女たちの中でもズバ抜けた存在だ。
「や、やっっっっっといっくんと結ばれることができるなんて……アタシ、今日死んじゃうかも……」
目を潤ませている綾香。
なんか、色々と記憶が曖昧な部分もあるが五番目の彼女だ。
ほら、tiktakの配信バトルとかしたよね?
さて、彼女たちの同意を確認したところで、俺は問題に終止符を打たねばならない。
——誰に童貞を捧げるのか?
いまだに解き明かされていない数式よりも難しい問題かもしれないが、俺は三日三晩に及ぶ瞑想の末、ついに答えを見つけた。
「残念ながら、僕のモノは分裂しない。仮に分けられるなら、一度に幸せを共有できたのに」
しかし、人間の俺には限界があった。
「でもね……僕は思うんだ。童貞喪失には、二段階あると」
「二段階……?」
凪が首を傾げる。
「一段階目が挿入。これは……彼女になってくれた順番にしようと思う」
つまり、美桜から始まって綾香で終わるという事だ。
彼女たちも異論はないようで、頷いている。
「そして二段階目が射精。僕は、挿入しただけでは不十分だと思うんだ。好きな相手に射精して初めて、童貞を捧げたと言えると思う」
お互いに満足のいく性行為をしてこそ、それが美しい思い出になる。
そのために、俺は今日という日まで徹底した禁欲を行い、肉体を鍛え上げた。
顔に似合わぬ立派な細マッチョの誕生だ。
「という事で僕は射精の瞬間にモノを抜き——君たち全員の顔にぶちまける。これが僕の……愛だ」
これが俺の導き出した、完璧な解答。
彼女の順番という優劣を付けつつ、全員が平等になる方法。
俺に文句を言う奴がいるとしても、今なら捻り潰すことができる。
「まぁ……樹さんの愛をいただけるなんて!」
「め、目は開けておいた方が良いのかしら……?」
「そこなの!? わ、私は閉じようかな……」
「ウチは全部すくって飲み干すからね?」
「いっくん、記念に自撮りしていいかな!?」
十人十色の反応だ。
最後のはよく分からないが、みんな幸せということだな。
「じゃあ、見てほしい……これが僕の、ありのままの姿」
俺は全てを脱ぎ去り、いきり立つ俺自身を見せつけた。
彼女たちの顔にかかる陰。
その下に恍惚の笑みが浮かぶのを見て、性交の成功を確信した。
一部存在しない記憶が混入しましたが、今作はここで完結となります。
実は、最初は五話ぐらいまで書いて放置していた作品なのですが、書いているうちに歩く魚と横島樹の意識がシンクロし、毎日投稿も苦じゃないほどに楽しむことができました。
モチベーションを維持できたのは、星やレビュー、コメントなどで応援してくださった読者の皆様のお陰でもあります。
本当にありがとうございます!
星はもっと欲しいです^ ^
また、最近思いましたがXのフォロワーが増えることが書籍化への一番の近道だと思います。
なので、ここまでお読みいただいた仲間と言える皆様に、ぜひ私のXをフォローしていただきたいです。
@walk_sakana
今作のみならず、書籍化すれば連載が続く可能性が高く、書籍が売れれば(ほぼ)無限に続きます。
どうかよろしくお願いいたします。
次回作は執筆中ですが、9月中になってしまうと思います!
これからも色々な作品を書いていきますので、応援よろしくお願いいたします!
ありがとうございました!




