爆乳曰く
爆乳曰く。
「貴方のような素晴らしい男性が産まれるなんて、そして素質を持ったまま成長するなんて奇跡に近いのです。貴方の子種をばら撒きなさい。それは男としての快楽を得るのみならず、世界を救う試みでもあるのです」
だそうだ。
その言葉を聞いて俺――横島樹は強く頷いた。
「もちろんです伯母様。俺は必ずや、この世界に貢献いたします!」
力強く言ってみせると伯母である理子さんが涙ぐむ。
「貴方は本当に良い子に育ちました……。あの子が今の貴方の姿を見たら、きっと喜びで踊り狂うことでしょうね」
俺の母は、俺を産んですぐに亡くなってしまった。
そもそも父親はおらず……というよりも百年前に奇跡的に存在した強い男の精子提供によって生まれたのが俺。
男女比が1:1000だか何だかという偏った世界。
俗にいう貞操逆転世界での人工授精は難しいらしく、よく分からんが俺が生きているのは奇跡らしい。
まぁ、この世界は夢なのだから設定の雑さには触れまい。
ともかく俺がグレずに育ったことに理子さんは喜んでいるのだ。
そして、その理子さんだが……これがまたエッチである。
タイト目なスーツを身に纏い、いかにもお堅そうなメガネと吊り目。
まさにエロゲーの女教師といった出立ちで、実際に職場ではかなり厳しい人らしい。
だが、妹の忘形見であり貴重な男である俺には海外のチョコレートくらい甘く、しかもとてつもない爆乳。
正直言って、俺はこの伯母さんを狙っている。
しかし、今はまだ動く時ではない。
俺には最高の未来……高校入学というイベントが控えているからだ。
「男性は勉強などする必要もありませんが……樹くんは興味があるんでしたよね?」
「えぇ、最低限の教養は身につけたいです」
そう言うと、理子さんは再び目を潤ませ始める。
「なんて……なんて向上心。安心して、樹くん。分からないところがあれば、いつでも私が教えるから。その……手取り足取り、ね」
「はい! ありがとうございます!」
内心はガッツポーズだ。これはもうイケるだろ。
だが……しかしだ。爆乳伯母さんで童貞を捨てるなんて、確実に俺の性癖がぶっ壊れてしまう。
俺は年上のみならず年下、同年代まで手広く好きな男でいたいのだ。
いま理子さんに手を出してみろ。
もう学校の女子に勃たなくなる可能性だってある。
・
まぁ、それでも目を覚ませばリセットできるだろう。樹はそう考えていた。
彼はこの世界のことを「夢」だと思っているのだ。
元々は三十歳のしがない会社員であった横島樹。
彼の趣味はトランス状態における自慰行為である。
正確にえば、自らの意識を夢の世界に飛ばし、明晰夢として楽しみながら自分を磨いていく。
大学生の頃よりこの技術を独自に学び始めた樹は、卒業の頃には自由に夢を操れるようになっていた。
クラスのマドンナも街中ですれ違ったあの子も自由自在。
夢の中でなら神様なのだ。
その行為の頻度は社会人になると激増する。
度重なるストレスを忘れようと、彼は夢の世界に没頭する。
そしてある日、彼は前人未到の「二十四時間耐久自分磨き」を敢行し、その結果――テクノブレイクを引き起こした。
要は死んだのだ。
だが、その人生はここでは終わらなかった。
彼を人間の進化の一つの可能性と考えた神によって、転生という名の褒美が与えられることとなる。
転生先の世界は、彼が死の間際まで楽しんでいた貞操逆転世界。
そして、そこで精一杯楽しめるように一種のご都合主義的要素を埋め込んだ結果、樹は自分が「ハイクオリティの明晰夢を楽しんでいる」と思い込んでいる。
それは、ろくに世界の設定も練らずに樹をブチ込んだ神側にも落ち度があるのだが……ともかく樹はこの世界で自由を謳歌しようとしていた。
彼の目標の一つはハーレムでもあったが、もう一つ。
簡単には落とせない女を落とし、嫉妬に狂わせること。
夢の世界だと思っているが故に、彼は「その先」を何も考えていない。
自身の首を強く締めることになるとも知らずに……。
女子を落としやすい世界だからこそ、あえてハードモードを選ぶ。これが本当の漢というものです。多分。
評価ポイントをいただけたらモチベ上がりますので、軽い気持ちで投げていただけたら嬉しいです!
お願いいたします!




