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第48話:それからどうした?


「こんばんマジナ~! リインちゃんネル! はっじまっるよー!」


『マジないわ~』

『マジないわ~』

『マジないわ~』

『マジないわ~』

『マジないわ~』


「こんばんにゃーん! リインちゃんネル! はっじまっるよー!」


『こんにゃーん』

『こんにゃーん』

『こんにゃーん』

『こんにゃーん』

『こんにゃーん』


「こんクレー! リインちゃんネル! はっじまっるよー!」


 で、なにがどうしてこうなった。リインちゃんネルはダンジョン攻略配信をするのだが、俺とリイン。それからクレナイがパーティを組むことになってしまった。


『新しいパーティ?』

『ふおおお。可愛い!』

『ていうかマジナ氏。二人とアンドロギュノスを?』


「しょうがないだろ。丁級には必要なんだから」


「さて、じゃあ今日は上層迄潜ろっかにゃ? クレナイはどう思う?」


 ちなみにエリアは巨人の国。俺としては少し懸念。


「まぁ行けるところまで行くって事でいいんではないかな。試したい魔術もあるし」


『しかし巨人の国だぞ』

『巨人って浅層でもヤバくなかったっけ?』

『マンガではかなりの強キャラ』


「大丈夫だって。リインもいるし。マジナもいるし」


 一応俺が元甲級ハンターであることは秘密だ。知っているのは日本政府とリインだけ。


 とか言っていると巨人が溢れ出してきた。


「うーん。素敵」


 クレナイは全くへこたれない。


「死んだことで得たオリジネイターの力。ちょっと使ってみたかったんだよね」


 生まれついて持っている先天魔術。


 成長とともに習得する後天魔術。


 そして死ぬことによって得られる終天魔術。


 クレナイは一回死んでいるので、それによって終天魔術を会得していた。


「ふ」


 であまりの加速とはいえ、視界にも映らない飛び蹴りは、あっさりと巨人を吹っ飛ばす。


『すげえ!』

『バフか?』

『いや。もっと純粋な何か』

『ていうか巨人吹っ飛ばすって』


 終天魔術。


 暴力拍子バイオリズム


 暴力を振るうためにフィジカルを底上げするオリジネイター。近接戦闘で言えばかなりのアドバンテージだ。それこそこの前会ったチャイム氏の鬼肉オーガニックとかなり似通った能力とも言える。あっちと違ってバーサーカーにはならないのが安心できるけれども。なのでクレナイは課金魔術も使わないし、魔剣の類も持っていない。我が身一つでダンジョンを攻略できる。必要経費が要らないというのは羨ましい。俺の修羅病ジュラシックもフィジカル系の魔術という意味では同じだが、さすがに浅層で開放するほど俺も無粋ではない。


『マジナ』


 で、バインボインの肢体の暴力。Fカップのおっぱいを持つ美少女が俺に抱き着いてきた。


「久方」


 然程時間は経っていないが。


「むー」←リイン。


「…………」←クレナイ


「コイツはアレだ。メテオール」


「メテオール!?」


『マジか!?』

『女体の神秘』

『ていうか可愛くね』

『あんな巨乳美女ありか!?』

『笹食ってる場合じゃねえ!』


「誰?」


 そりゃクレナイは知らんわな。


「スライムだ。卍山下ウツロ氏のテイムモンスター」


「なんでマジナに懐いているの?」


「それは俺も知らん」


 スライムの嗜好など分かってたまるかという話で。


『マジナ! 貴様そこ代われ!』

『丙級美少女ハンター二人に巨乳のスライム娘だと!?』

『夢に出るぞ』

『むしろ夢に出てくれ!』

『今俺たちは血を吐く思いをしている!』


 まぁやりたきゃ丁級ハンターの資格を手に入れるんだな


 で、あっさりと巨人の国を踏破する。


「クレナイの暴力拍子バイオリズムはローコストで便利だな」


「マジナもできるでしょ?」


 今のところ俺は電磁銃マヨイバシで射撃による牽制を行なっているのだが。


「にしても甲級ハンターすごかったにゃー」


 ダンジョンからモンスターが出てきたときのことだろう。


「聞いた? 世界中のダンジョンの入り口から現れた強化個体の九割を甲級ハンターアルテミストが駆逐したんだってさ」


 まぁ確かに俺なんだが。


『そんな非常識なレベルでやっと甲級かよ』

『無理臭い』

『はい解散』


「サインとかもらえばよかったかな?」


『カリメルに売ったらいくらすると思う?』

『三万五千円と見た』

『十万行くんでね?』


 俺のサインってそんなに高額になるので?


 まぁとはいえ今の俺は甲級ではなく丁級だが。おかげで分け前を一割。リインとクレナイが四割五分同士となっている。俺は低級なので、換金で得られる報酬は丙級に比べてガクッと下がる。やはし丙級になるべきか。


「あとクレナイって終天魔術覚えたんなら乙級になれるんじゃね?」


「なれるかな?」


「乙級ハンター鬼灯ドラコとかもオリジネイターだし。だいたいオリジネイターって乙級だぞ」


「そういうマジナは?」


「まぁ俺の場合はちょっと問題がな」


 とか言いつつ、クレナイは巨人をフルボッコにする。暴力を強化する終天魔術。


 暴力拍子バイオリズム……か。魔剣税もかからないし。魔法関数ロイヤリティも発生しない。だから無敵。純粋に金を稼げる。必要経費がないからな。


「…………ボソリ(ねえ。マジナが私を助けてくれたんだよね?)」


 否定はしない。


「…………ボソリ(じゃあさ。リインと私とでプレイしない?)」


 正気か?


「…………ボソリ(私はしたいし。リインは既にマジナに惚れてるよ?)」


 ……マジで?


「マジマジ」


 ニコッと笑むクレナイ。さすがにオートドローンに声を拾わせるわけにはいかなかったので内緒話だ。しかしリインとクレナイと一緒にクスセツねー?


 超憧れがあるがやっていいのかどうか。リインなんてリインちゃんネルの権利保有者だし、問題起こしたら炎上しないか。まぁ既に一回炎上しているんだが。


「考えてくれる? 許容する考えを検討するだけでも嬉しいんだけど」


 とか言いながら巨人に殴りに行くクレナイ。


「――太陽ザサン――」


「――神雷ダムネイション――」


 で、無事クレナイも蘇生されたので、遠慮なく魔術に廃課金をしているリイン。クレナイを蘇生するための貯金に金を掛けなくてよくなったため、もっと自由に魔術が使えるようになった。けれど使い過ぎじゃね? もしかして廃課金は治っていなかったり?


「イエスアイドゥー!」


「そんな朗らかな笑顔でサムズアップされても」


 で、結局天寺は家賃に手を付けてまで魔法のカードを買い漁り。結果クレナイと一緒の俺の寮部屋で同居することになったとさ。とっぴんぱらりのぷう。


これで終わりです!

ここまで読んでくださりありがとうございます!


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