マイホーム、マイガーデン 2
あれから、実際の建物と大きさそのままのプリセットモデルを3パターンとも投影してもらって、家の中の様子も見せて貰った。
それぞれの内装も、石造りだったり木張りだったり、一様に天井が高くて解放感に溢れていたり、畳が敷いてあったりカーペットが敷いてあったりと。
外観に合わせた雰囲気が保たれていて、居住性も悪くなさそうな感じ!
最初のホームセットだからかな?
調度品は机に椅子、座布団とかの最低限の物が2人分置いてある程度だったけど、ここからはプレイヤーが揃えてねってことみたい。
イベントに参加したりしてゲーム通貨を集めれば、シンプルな普通の食器から金細工の施されたオシャレな白磁器から。
色々とコレクションできちゃうんだって。
くうーっ!楽しみが広がり続けるよーっ!
『ウィートさまには3つの選択肢からお好みのホームを選んでいただくのですが、この先ホームの変更や改装は可能です。
調度品やe-plantsに比べれば、決して少なくないゲーム通貨が必要になりますが、初期プリセットそのままの変更や、屋根や壁、煙突だけのデザイン、カラーリングの変更も可能です。
プリセットの選択を後回しにすることもできますが、ホームの庭園機能が開放されません。
その場合、e-plantsを育てることや、e-plants関連のイベントに参加することができないままとなります。
ホームモデルの選択はいずれ取り返しがつく要素ですので、まずはお気軽に選んでみては如何でしょうか』
「そうだね。
やりなおしできるなら、直感で決めちゃおうかな。
スズメさん、ログハウスの家を投影してもらえる?」
『はい、承りました』
すぐに投影されたログハウスは、草原の中に建っていても違和感なく風景の中に収まっているように思う。
まあ家を建てた後に庭を作ったり木を植えたり、風景も変わっていくんろうけど。
現時点ではログハウスの外観が、このホームエリアの草原に一番マッチすると思うんだよね!
石造りの家だって西洋の古田舎って感じでとても良い雰囲気が出るし、茅葺屋根の日本家屋だって草原との組み合わせは嚙み合ってた。
だから、選んだ理由はホントに僕の直感で。
一番しっくりくるなって思ったログハウスにしたいと思ったんだよね!
「ねぇツキノ。
僕たちの家、このログハウスにしたいんだけど、ツキノはどう思う?」
「きゅま~?
きゅむ~きゅむ~…きゅーまーっ!」
僕~?みたいに小首を傾げたツキノは、左右に体を揺らしてから、両手でバンザイして飛び上がって喜んでくれた!
ちょっと考えてた風な感じだったのは、他の二つの家を思い出していたからなのかな?
でも、ツキノもこのログハウスを気に入ってくれたみたいで良かったよ。
「スズメさん、僕はこのログハウスをホームにするよ」
『畏まりました。
プリセットBのホームを電子生成します』
今まで投影されていたログハウスが消えていって、キラキラの光がログハウスの形に集まってくる。
ツキノが生まれてくる時もそうだったけど、電子生成ってキラキラ輝いて見えるのがイルミネーションみたいですっごく綺麗!
「キラキラで綺麗だねー、ツキノー」
「きゅーまー」
完成が近づいてきたのかな?
ツキノの時みたいに卵型に形を変えたりはしないけど、七色のグラデーションが建物のシルエット全体に流れてる。
眩しいって程じゃないけど、一際明るく輝いたあと、僕たちの目の前には完成したログハウスが!
『おめでとうございます。
プリセットモデル・ログハウスが完成しました。
以降、ウィートさまのホームとしてご利用いただけます』
「わああ!ありがとう、スズメさん!
やったねツキノ!」
「きゅま!きゅままーっ!」
「よーっし、さっそく家の中に入ってみよう!
行くよ、ツキノ!」
「きゅま!」
元気に敬礼ポーズを返してくれたツキノと手を繋いで、新築ログハウスの中に乗り込んでみる!
さっき投影されたログハウスの中も見せて貰ってるけど。
やっぱり、完成した、自分の家に入るってドキドキするよ!
「きゅっ♪まっ♪」
心を落ち着かせようと思ってツキノの手の平をにぎにぎしてると、何だか違う意味でテンション上がってきそう!
遊んでもらってる感覚なのか、ツキノがきゅっきゅと握り返してくれるのが、もう可愛くて可愛くて…!
…ダメだ!
今はツキノの可愛いお手々じゃなくて、マイホームのドアに集中しなきゃいけない時!
ツキノとモフモフにぎにぎするのは、チュートリアルをクリアしてからだ!
くうーっ!
断腸の思いっていうのは、こういう気持ちに違いない!
手を繋いでるのとは反対の左手で、木製のドアノブに手を伸ばす。
「あわー!
なんか、すっべすべだぁー」
えいやっ!と思って手を伸ばした気合はすぐに溶けちゃって、磨かれた木のすべやかさに一瞬で心を奪われた。
丸っこいレバーハンドルの、このグリップ感!
しっかり手に馴染むのに、すべすべっていうか、つやつやっていうか…
…右手のにぎにぎと、左手のフィット感。
入口のドアが満足させてくるなんて、なんて家だ!
「きゅまー」
僕が固まったまま感動していると、ツキノがドアを開けてくれる。
ドアノブを開けていた僕の手から、すべっと離れていくすべすべさん。
うーん、僕が放そうとする前に居なくなるなんて。
ツキノにも迫る触り心地といい、このドアノブは只者ではないね!
僕は、Animal Gardenで、初めての強敵に出会ったのかもしれないねっ!
「きゅまー?」
「あ、ごめんごめん。
一緒に中を見てみようねー」
かわいいツキノに免じて、今日はこれくらいにしておこう。
明日もまた握ろうぞ、友よ!
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ゲーム内通貨『Garden Points』通称『GP』
Animal Garden内でのイベント参加や、e-plantsの育成や奉納等のプレイヤー自身の活動によって得られる、ゲーム内でのお金。
用途は様々だが、プレイヤーやe-petsの嗜好品、e-plantsの種(=seed)や鉢の購入などが一例。
プレイヤーの間の受け渡しも可能。
ただし、navigatorが悪辣な取引だと判断した際には対象者に警告があり、更にはペナルティが課される場合がある。
navigatorの判断の是非はwisdomに任され、プレイヤーからの苦情、申し立ては受け入れられない。
詳しくは、Animal Garden購入時の契約書内、統合電子体による普遍的判断と、ゲーム空間においての善悪の線引きを参照のこと。
プレイヤーがゲーム内課金によって得られる通貨『Garden Coins』通称『GC』とは用途とレートを同じくするも、別の通貨として扱われる。
基本的に、GPで購入できるものは全てGCでも購入可能であり、その逆もしかり。
GCの利点は、性急さや時間の足りなさを補う点にあるとする。
一方、Animal Gardenでは多種多様に渡るゲーム内アイテムの販売を予定しており、それらをGCのみに依って揃えることを当運営は推奨していない。
EasyGames社はゲーム内課金の是非をプレイヤー及び保護者に一任しており、全て各プレイヤーの自己判断に委ねるものとする。
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