☆ともだち ①
『はい。綺麗に巻けました。
今日もお揃いですね』
「きゅま♪」
あさ目が覚めて、ベッドから降りたら。
まずは、スカーフを巻いてもらう。
家族でお揃いの、黄色いスカーフ。
毎朝、僕の1日はここから始まる。
…昨日までは。
今日からは、大事な物、もう1つ。
「きゅーま!」
『はい。これもですね』
小さなポシェット。
スカーフに合わせて、色は黄色い可愛いの。
肩ひもに黒の差し色が入ってるけど、カバンは真っ黄色。
黄色一色じゃ無いけど…黒も、格好いい。
『…いいですね。ツキノに良く似合っていますよ。
良い物を買って貰いましたね』
「きゅま~♪」
僕は黄色が一番好き。
初めて買って貰ったスカーフが、黄色だったから。
でも、このポシェットを見て。
肩から掛けて貰って。
黒も格好いいって思った。
黄色と黒を一緒に使うと、もっと格好よくなる。
僕の毛と同じ色。
黒も、黄色の次に好きな色になった。
「きゅまー」
僕の大事な、木目の茶色いおもちゃ箱。
中には空色のじょうろが入ってる。
それと、もう2つ。
ウィートが買ってくれた、ボールと縄跳び。
僕にも友達ができたから、いつでも遊べるようにって。
縄跳びは、3つも買ってくれた。
黄色と、赤と、青の縄跳び。
『ツキノ、お友達が来ますよ。
ゴリスチャン、ピーナッツ、キャッツ・愛です』
「きゅま!きゅままま!」
早速、友達が遊びに来る!
急いで水やりをしなきゃ!
じょうろを掴んで、お庭に出る。
まずは、ひまわり達。
芽を出してるのが、3つ。
種のままで埋まってるのが、4つ。
毎日ちょっとずつ大きくなってる、ひまわり畑。
お世話係の僕も、鼻が高い。
「きゅーま。きゅーま」
大きくなって、花を咲かせて。
ウィートが待ってるよ。
僕と、スズメも待ってるよ。
話しかけながら、お水をあげる。
僕たちの花壇も同じ。
お話しながら、お水をあげる。
「きゅま。きゅむきゅむ。」
昨日の朝まで、僕の花壇だった。
昨日の昼から、僕とスズメの花壇になった。
…僕だけのお花畑だったのは、2日だけだった。
でも、寂しくないし、悲しくない。
いっぺんにお花が増えて、凄く嬉しい。
ここは、未来の弟たちのお花畑でもあるから。
スズメは、弟じゃないけど。
お姉さん?
お母さん?
…僕の家族なのは、間違いない。
いつも一緒に居てくれるから、好き。
ウィートの次に、スズメが好き。
『お疲れ様です。
今日も頑張りましたね、ツキノ』
「きゅま!」
『では、ナナミ様付きのnavigatorに連絡します。
じょうろは私が片付けておきますから、ドアの前でお出迎えを』
「きゅまま!」
…そうだった!
お友達が来るから、急いでたんだった!
スズメにじょうろを運んでもらって、お家に戻る。
友達、友達!
ワクワク、ドキドキ!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「お邪魔するウホ」
「遊びに来たワン!」
「来たにゃ~ん」
玄関の前で待ってたら、目の前がピカピカ、キラキラ光って。
あっという間に、ゴリスチャン達が来てた。
スズメの仲間が居ないから、3人だけかな?
「ようこそきゅま!」
『いらっしゃいませ』
お友達、嬉しい。
でも、お友達が家に来るの、初めて。
どうすればいい?
「おもてなし、わからないきゅむー」
「遊びに来ただけウホ。気にしないでいいウホ」
「まずはお庭だワン!お庭が見たいワン!」
「あそぼ~にゃ~」
正直にわからないって言ったら、みんなが教えてくれた。
気にしないでいい。お庭を見る。遊ぶ。
…お庭で遊べばいい?
「じゃあ、お庭を見せるきゅま」
「楽しみウホ」
「お庭ワン!お庭だワンッ!」
「遊ばないにゃ~?」
「お庭で遊ぶきゅま」
「やったにゃ~ん♪」
みんな、それでいいみたい。
早速、ひまわり畑に連れて行く。
「何だと思うきゅま?」
「見たこと無いウホー」
「まだ芽だワン!お家に無い芽だワン!」
「芽が3つあるにゃー」
みんな、わからないみたい。
…まだ花が咲いてないから、仕方ないか。
クイズにしたの、失敗だった?
「ここは、ひまわり畑きゅま」
「ひまわりウホ?大きくなりそうウホー」
「大きくなるワン?僕より大きくなるワン?」
「ウチよりおっきいのにゃ~?」
「わからないきゅむ。お花が咲いたら、みんなに教えるきゅま」
「お願いするウホ!」
「楽しみだワン!」
「おっきいお花を見たいのにゃー」
みんな、喜んでくれた。
上手くおもてなしができた?
とりあえず、一安心。
ちょっと、緊張が解れたかも。
…僕、緊張してたみたい。
「次は、僕のお花を見せるきゅま」
「ツキノのお花ウホ?」
「ツキノが埋めたのワン?ツキノが選んだのワン?」
「どんなお花かにゃ~」
僕のお花、真っ赤なガーベラ。
僕が育てた、初めてのお花。
ウチのお庭で咲いてるお花は、この子だけ。
大事な大事な、自慢のガーベラ。
「このお花は見たことあるきゅま?」
「家には無いウホー」
「見た事あるワン!お出かけした時に、見たことあるワン!」
「赤くて綺麗にゃ~ん♪」
「僕が選んで、僕が埋めた、僕のガーベラきゅま」
「頑張ったんだウホー」
「真っ赤だワン!綺麗だワン!」
「芽が出てる子も5つあるにゃー?」
「半分僕のお花で、半分はスズメのお花きゅま。
明日にはお花が咲くきゅま」
「じゃあ、明日も来るにゃー」
「…うん、待ってるきゅま」
「約束だにゃー」
約束。
明日もまた、友達が来る。
初めての、友達との約束。
嬉しい。
「ツキノも、大人になったら家に来るウホ」
「子供1人じゃ、お出掛けできないのワン!残念だワン!」
「大きくなったら、遊びに行くきゅま」
子供1人だと、他のホームに遊びに行けない。
残念だけど、仕方が無い。
「ウチらが遊びに来るから、寂しく無いのにゃん」
「…ありがときゅま」
「僕も来るワン!愛も1人じゃお出かけできないんだワン!」
「みんなで来れば問題ないウホ」
僕が遊びに行くのは、大人になるまで我慢。
それまでは、ウチのお庭でみんなと遊ぶ。
友達が来てくれるから、寂しくない。
「ウチ、遊びたいのにゃー」
愛は、来た時から遊びたいって言ってた。
お庭の案内も終わったし、みんなで遊ぼう。
ウィートがおもちゃを買ってくれたから、たくさん遊べる。
ふふん。
今日は、ウィートに教えたいことが沢山できた。
初めて友達が遊びに来た。
お庭の案内、喜んでくれた。
これから、おもちゃでいっぱい遊ぶ。
楽しい事がたくさんあったこと。
ウィートにも、伝えたい。
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