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Animal Garden  作者: slowly
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41/57

Hello, mou mou. 3

 ナナミさんのメッセージの衝撃も冷めやらぬまま。


 バザールの、東エリアの更に奥。


 僕たちは、牧草地の入口に立っています。



「あわー!

 牛さんがいっぱい居るーっ!」


「きゅまままま」



 見渡す限りの大平原に、数えきれない牛。牛。牛!


 至る所で、モー。モー。モー!


 あらかじめ、スズメさんが周りの音を軽減してくれていて助かった。


 ここに居る全部の牛さんが、一斉に鳴き声を出してる訳じゃないんだろうけど。


 一体一体はまばらに鳴いていても、これだけの数が揃ってるとね。


 凄まじい音の重なりになってるんだ! 


 しかも、結構な重低音。


 鼓膜というか、お腹に響く音の質量を感じるよ!


 システムで抑えられていて、なおこの音量だもん。


 生の聴覚だったら、頭が痛くなっちゃうかも。 



『ウィートさま、大丈夫ですか?

 もう少し強く、周辺音量を抑制することも可能ですので』


「ううん、僕は大丈夫。

 お腹の底からビンビン響くみたいで、ちょっと楽しいかも」


『そうですか?

 ご無理はなさらないようにお願いします』


「ありがとう。

 ツキノは…」


「まままままま」


『…もう少し、音量保護を強くしておきます』


「あはは。

 お願いね、スズメさん」



 モーっていう鳴き声がする度に、ツキノの体がプルプルしてる!


 小っちゃな体に、重低音が響き渡ってるみたい。


 だけど、心配になる感じの、ブルブルって振動じゃなくて。


 音に合わせて、体を揺すってるのかな?


 揺すられてるって表現の方が合ってるかも。 


 牛さんの鳴き声に、身を委ねてるって感じだね。


 当クマが楽しそうだから、そのままでも良さそうだけど…


 今はこっちに集中してもらおう。


 まずは、ここに来た目的を果たさないと!



「どの牛さんからでも、ミルクが貰えるの?」


『はい。その通りです。

 Animal Gardenのe-petsには雌雄の区別がありません。

 成体であれば、全ての牛から搾乳可能です。

 条件は、他のプレイヤーが搾乳中ではない個体である事と。

 1日1回の利用制限があるだけです』


「他の人がミルクを貰った後の牛さんでも大丈夫?」


『牧草地の牛達は、十分にミルクを絞られると満足感を得る様です。

 満足した個体は、自ら牛舎に帰りますので。

 ここに留まるという事は、まだ搾乳可能な個体になりますね』


「なるほど。

 みんな賢いんだねぇ」



 ここに居る牛さんは、みんなお乳を搾らせてくれる子たち。


 他のプレイヤーと被らない様に気を付けなきゃいけないけど…


 見た感じ、牛さんの方がずっと多いんだよ!


 そりゃあ、乳絞りをしているプレイヤーもそこいらに居るみたいだし。


 その周りには可愛いペットたちが沢山わちゃわちゃしているけど。


 動物からお乳を貰う時って、屈んだ体勢をとるものだからさ。


 牛さんの存在感が大きくて、プレイヤーが視界に入らないんだ!



『搾乳可能な個体まで、私が誘導しましょうか?』


「うーん。

 今日は最初の1回目だから。

 せっかくだし、自分で探してみるよ!」


『畏まりました。

 近くにも何体か手空きの個体が居ますので。

 ごゆっくりお楽しみください』


「うん、ありがとう!

 ほら、行くよツキノ!」


「まままままま♪」



 まだプルプルして振動を楽しんでいるツキノの手を握って。


 牛さんの群れに歩き出す。


 …うん。


 いつものプニプニハンドが、プルプルしてる。


 牛さんの鳴き声を聞く度に、軽くプルプル。


 …これは。


 牛乳を貰いに来る時の楽しみが、もう1つ増えちゃったかも。 



「あ、こんにちわー!」


「どうも。こんにちわー」



 手の(お乳の?)空いてる牛さんを探してウロチョロしてみたけど。


 プレイヤーさんが屈んでいるトコに遭遇しちゃう。


 牧草地の入口、気持ち高台になっている場所から見た時は。


 牛さんばっかり多く居る様に見えたんだけど。


 意外とプレイヤーの人たちも多かったみたい。


 やっぱり、屈んでいる人が多いから。


 目が錯覚しちゃってたのかも。


 考えてみれば、人気がありそうな場所だもんね。


 牛さんと触れ合える上に、牛乳まで貰えるんだもん。


 しかも、無料でだよ!


 そりゃあ、多くのプレイヤーが集まるよねー。


 歩いてるだけでも色んな種類のペットたちを見れるから、僕は楽しいんだけど。


 今日はお料理を作ってあげるって、ツキノと約束しているからね。


 ゆっくり楽しむのは後日ってことにして。


 今はミルクをくれる牛さん探しに集中だね!


 さて、目の前の牛さんは…?



「こ、こんにちわー」


「あら、こんにちわ。良いお天気ねぇ」


「そうですねー。あはは…」




 ~~~~~~~~~~~~~~~




 _Multi_Link_Assist_


 フレンド登録関係にある複数人のプレイヤーが、同一の時刻にログインを合わせることが可能になる、Full_Dive_Gear搭載システム。

 利用条件は、上記の通りフレンド登録済のプレイヤー同士であること。

 該当日時のログイン前に、Full_Dive_Gear付navigatorが、各プレイヤー間の合意を確認していること。

 同navigatorが上記事項を承認することで、同システムの利用申請と見なされる。


 Multi_Link_Assistを使用予定のプレイヤーが全て揃うまでは、Full_Dive_Gear's service[guardian]の監視下の元、ログイン待機状態となる。

 この状態は、Full_Diveの際にプレイヤーが為る疑似睡眠状態には当たらない。

 よって、ゲーム開始まではプレイタイムとは見なされない。

 ただし、基本的なFull_Dive_Gearの利用制限として。

 前回ログアウトから6時間経過前ならば、他のプレイヤーと約束の有る無しに関わらず、該当プレイヤーはログイン不可である。

 例外的に、ログイン待機状態からフレンドにメッセージを送ることは可能。


 ログイン待機状態では、navigatorが保存した記録を閲覧することが可能。

 経験済みのチュートリアルの視聴や、開示可能な範囲でのAnimal Gardenの設定資料が閲覧できる。


 ログイン待機状態は、連続で1時間の利用が可能。

 待機状態の解除後は、再度のログイン待機まで1時間の経過が必要。

 これは、プレイヤーの健康状態を保護するためである。

執筆中のPCアップデートで効率ダダ落ち…ぐぬぬ!

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