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32話『意識の始まり?』

 屋台でひとしきり遊んだ後、花火を見ながら食べる物を購入してから、俺たちはもう一度穴場へと戻った。嬉しいことに俺たち以外に相変わらず人は居なく、最高の場所だ。それから程なくして、俺たちの前で綺麗に花火は打ち上がり始めた。

「綺麗だね、お兄ちゃん」

「そうだな。テレビよりも綺麗だ」

「ふふっ。今日は来てよかったでしょ?」

「おう! ありがとな奏恵。……それと、雪もこんな良い場所をありがとな」

「う、うむ!」

 三人で花火について話しながら、綺麗に打ち上がる花火を見続けた。夜空に光る花火は星と共に咲き誇っており、今年の夏を終わらせるのにはぴったりの光景だった。


 ――花火大会も終わり、夏休みを雪と過ごした俺は、自分の中で納得したくない思いを抱きながら、新学期を迎えた。

「それじゃ、夏休みも終わって早々なんだけど、学園祭でする出し物を決めるよ!」

 夏休みも終わり、ゆっくりしている時間もなく、次は学園祭の準備期間が始まった。この期間は部活は一切禁止されるらしく、俺たちが部活をすることはないそうだ。また、学園祭をする上で、どのクラスも出し物は必須らしく、俺たちのクラスも何を出店するかの話し合いが始まった。

「それじゃ、まずは学園祭実行委員からね。誰かやりたい人とか居るー?」

 先生の言葉に対し、真っ先に手を挙げたのは他でもない、雪だった。絵美や健ならまだわかるのだが、なぜ雪はやりたがるのだろう。

「ほぉ、珍しいな。……雪か、んじゃ男は奏斗で良いな。よし決定!」

「そんな! 先生、俺は別にやりたいわけじゃ――」

「――奏斗、我とじゃ嫌?」

 夏休みを雪と過ごしてから、どうしてか俺は雪のことを考えると顔が赤くなってしまうようになった。俺はそんな自分が嫌で、雪から敢えて離れたりしていたのだが、雪はその事に気付いたのだろう。だからこそ、今回、学園祭実行委員に自ら立候補したのだ。雪が立候補すれば、確実にクラスで雪とカップル認定されている俺に白羽の矢は立つ。勿論、俺の考え過ぎという可能性もある。

「……ったく、仕方ねえな。やればいいんだろやれば」

「うむ! それでこそ奏斗だ!」

 クラスの人たちの視線もあり、なんだかんだ断り切れなかった俺は、結局雪と一緒に学園祭実行委員になった。

「実行委員も決まったことだし、先生は少し会議があるので、出し物を決めておくようにね」

 教室から先生が居なくなり、代わりに俺と雪が今回の話を進めることとなった。クラスの人から出し物に着いての意見を聞いているときも、雪には黒板への書き出しを頼み、出来るだけ雪のことは意識せず、とにかく学園祭のことだけを俺は考えるようにするのだった。

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