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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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最終話


―――異次元ゲートから戻ってきて、待機してくれていた警察や自衛隊の他の方に各々が説明してくれている。

 俺の方をちらちらと見ている。

 そりゃなー加護持ちとかわからなんよなぁ、俺も全く自覚ないのに。


「田川さんのおかげですね、ほんと」

「俺なんもしてないんですけどね?」

「そうなんですかねぇ? ドラゴンの怪我治したりしたじゃないですか。……ほんと田川さんのとこに異次元ゲートができてよかったですよ」


 佐久間さんに言われて照れた。他の人たちもうなずいてくれている。


 まあ何事もなく終わってよかった……。

 ここは解散でよさそう。

 みなさまありがとうございました!



―――しっかし、待機しかしてないのに疲れたなぁ。


「タガワータガワー! ミケのお腹に魔力三つあるよー!」


「ん? どういうこと?」


 フレヤさんが騒いでいる。この子が妖精族族長候補とか信じられないな?

 と、アヴィラさんがダッシュで外に出てった。

 なんだ? どこいったんだ?


「ん、お腹?? あれもしかしてミケ妊娠した? フレヤさんそういうのもわかるのか、すごいな。ミケ、おめでと! おっと先生に電話しておくな? え、どうしたらいいんだ? そうだ栄養たっぷりごはん食べないといけないなー! 妊婦用? 猫にそんなのあるのかな? あれ、じゃあ俺にも家族増えるのー? うおー!? え、すごいなミケ! おめでとうすぎるな!」


 ミケのお腹に子供がいるらしい。三匹だそうだ。魔力の感覚でわかるってフレヤさんが言ってた。


 ミケを撫でる、ゆっくり優しく撫でないとな。

 あとは、栄養あるごはん探そう、なにがいいんだろ、通販サイト通販サイト! いやその前に、そだそだ、先生に電話しないと。


 って、先生に電話しようとしたらアヴィラさんがアミーラさんと先生連れて戻ってきた。


 早すぎる。

 これ背中に乗せて戻ってきたな?


 と思ったらアヴィラさん今度は異次元ゲートに突っ込んでった。

 パニックなりすぎだろ、これから父親になるのに? 大丈夫か?


 心細いから産まれるときも先生にきてもらいたいよなぁ。


「異世界の猫族と獣人族の子という私どもでも初めての出産となりますので、魔力がどのように作用するかわかりません。何かあるといけないので私もこちらに待機させてもらいます」


 と、アミーラさんが出産までうちに住むことになった。これこそ心強い……! アミーラさんなら秘薬の使い方も熟知してるだろうし、よかった。

 あとは地球側の主治医ということで先生にもちょくちょく来てもらうことになった。


 けっこうつきっきりで先生もいてくれるっぽい。安心安心。


 フレヤさんが鱗粉をミケにかけてくれた。なんだろこれ、出産うまくいきますようにの粉かな?


「フレヤさんありがとね。あとみんな今日は翡翠ちゃんのお母さんに伝えに言ってくれてありがとう、ほんとに助かったよ」


「わたしたちもタガワがいいからだよー! じゃあねえー!」

『キュキュッ』

「帰りますわねー!」


 敬礼しながら翡翠ちゃんとフレヤさんノッサさんとライメットさんが裏山に帰って行った。

 ほんとどこで覚えたんだその敬礼。



―――アヴィラさんが戻ってきた。肉を大量に背負っている。

 ああ、俺と同じ思考回路だわ。わかるわー。栄養あるごはん必要だよね、うんうん。


 そしてミケのお腹に子供がいるとわかってからアミール族からの魔物の肉の貢物がすごい。

 お腹の子が魔力が必要らしく、ミケの体調のためにも必要とのことだった。

 あとは先生に診断してもらった。


 再生用の錬金術を使って寿命伸ばすおやつも作っておかないとな。まじでなにかあると悪い。


 ミケが暗がりに行きたがるのでミケ用の上まで覆える段ボールベッドを作った。ぶかっこうだけど、ミケが満足そうだからまあいい。



―――およそ半月、異次元パスポートの受付もまた再開しつつ、俺は寿命用おやつを作ることに注力してた。


 受付はサンクさんとキリヌキーさんに任せた。サンクさんが異次元ゲートに一緒に行く人、キリヌキーさんや木戸にその補助をお願いした。

 俺の会社もその間に出来たので従業員ということだな。木戸もなんでか俺の会社に移籍してた。いつのまにか。


 その間は配信はしているがコメント対応などはしないでいいとしている。


 変化があったのはカイルさんアンドリューさんが地球に住むようになったこと、俺の会社に入って異次元ゲートの受付が三交代になったことだな。



―――さて、一か月後ミケが出産した。


 三毛猫のメス、茶トラのオス、茶色の長毛メスだった。


 はー! ちっさい。けど普通の子猫ちゃんよりはおっきいな!

 ミケ頑張ったなぁ。


「ミケ、よくがんばったなー。ゆっくりできるときはゆっくりするんだぞ。アヴィラさんも俺も出来ることはなんでもするからな。……俺にも家族が増えたなぁ! 先生、アミーラさん、お手伝いやら助言やら、本当に助かりました! ありがとうございました」


「虎太郎君、ミケちゃん、アヴィラ君、よかったねぇ……。無事に産まれてきてくれて本当によかったよぉ」


「ミケ様は妖精族からも幸運の鱗粉をもらっているみたいですので、何事も起こらないとは思っておりましたが、安心いたしました。ミケ様、おめでとうござます」


 アヴィラさんがうろうろしてものすごいな。周囲の警戒してるけど、あんまり気になるようなら裏山とか縄張り主張しておいでね。


 あー、安心した。

 アミーラさんや先生、三上さんも一緒になってほっとしている。


 ……なんで三上さんかって?

 寿命伸ばすおやつを急ピッチでこの家で研究したんだ。

 あと佐久間さんが言うには今はこの家が一番安全だそうで、魔力コーティングが軌道に乗るまでは技術開発した三上さんを出さない方がいいとなったらしい。


 なにかあったら異次元ゲートに俺と逃げるんだって。


 寿命おやつは出来たよ!

 なにせ魔物の肉が貢物でとんでもない量くるからね、実験も捗る捗る。


 まあまだどのくらい寿命伸びてるのかわからないから製品化は出来ないけれど、ベースはできた。今は裏山のセミで生きるのがどのくらい伸びるか見てる。


「田川さん、ミケちゃんにおやつわたします? セミ一か月死なないしこれでいいのでは?」


「うーん、どうしようか。逆に伸びすぎ? やばいかな? もっと再生力下げる? セミだからかな? ミケにはほんの少しだけあげたけど、ちゃんと食べさせるならもう少し薄めてからにしておきたいかなぁ」


「セミだからかはわかりませんねえ。マウスにも投与してますけど、わかるまで何年もかかりそうであれなんですよねえ」


 二人で悩みながらミケを見ていると先生がアミーラさんにプロポーズしてた。


「あわわ、あわわ」

「おっ、先生、やっと言ったのですね。おめでとうございます!」


 アミーラさんからおっけいをもらったようで、先生が泣いてる。

 先生わかりやすすぎるからなー、そのうちするとは思ってたけど出産終わったらだったか、ありがたいねえ。


 これ人間と獣人族の初めての結婚となるな。入籍どうすんだろ。佐久間さんに連絡しとかないとな。


「佐久間さんですか?」


『……田川さん、今度は何があったのです?』


「先生とアミーラさんがご結婚しました。入籍はどうするのかな? と思って。あとミケの子供無事産まれました!」


『あああああああああ!! そこらはまだノータッチのはずです……。議題に上げますので、まずは入籍なしでお願いしますとお伝えください、あ、あとおめでとうございますと、ミケちゃんも無事でよかった』


「ありがとうございます! はーい、わかりました伝えておきますね」


 SNSにもミケが無事出産したこと報告しておこうっと。


【田川@ミケ:ミケが無事出産しました! 画像

 GoTubeで異次元ゲート垂れ流ししております URL #猫#異次元ゲート 】




―――そしてうちの家を国に買い取ってもらってギルドにし、新人研修や武器の取り扱い方も教えたりしている。

 引っ越すのは裏山に作っている会社兼寮が出来たらだ。


 ギルドの新人研修や取り扱いの場にはサンクさんカイルさんアンドリューさんディルス族方々に交代で参加してもらっている。


「田川さん、もっと人増やしてくださいよ。新人研修はいいんですが、武器の取り扱いと魔法の取り扱いが追い付かないです」


って佐久間さんに言われてる。


 一応アミールギルドに依頼書だしてはいるんだけど。


【人間族の新人研修出来る方、条件:身元のしっかりとしたBランク以上の方募集中! 詳細はギルドマスターに確認。ギルドマスターとBランクの面接有り。寮あります】



―――そしてやっと裏山に俺の会社兼独身の人たちが住む寮と家族が住むことが出来るアパートが完成した。


 三階建ての寮で、一階が会社、二階は獣人族の方が住めるような大きめスペースになっている。


 ディルス族のみんなや、他の獣人族の方はここから家に出勤してもらうことになった。こちらの世界に慣れるために少しずつ交代で住むらしい。


 ディルス族はなんでも、パソコンでやるオンライン格闘ゲームが楽しいとのことだ。

 オンライン麻雀に嵌まる人もいた。

 その配信もたまにしてて人気もあるらしい。

 ルトミスさん対ライメットさんのときが視聴者多いとか言ってたな。


 俺も格闘ゲームが好きだから一緒に遊んでもらっているけど反射神経がはんぱないからほんと勝てない。反則過ぎるだろ。きいいい!


 そして外配信するのが好きなのは兎族。スマホ片手に色々配信しているみたい。

 ウサギの民の地球初散歩っていう題名でやっててけっこう好評らしい。翡翠ちゃんと妖精さんたちはこちらにたまに出演してるって言ってた。


 三階は人間が住んでいる。

 今のところ、カイルさんアンドリューさんとキリヌキーさんと木戸が住んでる。サンクさんは家族のアパートに入るらしい。


 まだ人間側は空室があるから募集も出しておかないとな。

 地球人が住む場合は、獣人族に理解のある人じゃないとだめだけどな。


 増毛は俺がベースを作って郵送、それを研究して自分たちの会社の色を出しているようだ。販売されたよ!

 かなり効果は薄まったみたいだけど、それでも画期的らしく売れてるみたい。


 税理士さんがもっとなんか会社の経費で買ってください! とか言ってたから福利厚生で従業員分のアケコンとか買ったけど、もっとなんかないんですか!? って言われた。

 ないんだもんな……。


 そんな感じでなんもしなくても俺、稼げてるんだけどいいのかな?


 うちのミケが幸運の招き猫だったということなのかなぁ。ミケが異次元ゲートに入って行ったのが始まりだったしなー。

 まあミケに限らず、すべての猫ちゃんは飼い主にとって招き猫だし癒しの猫だし、猫は神みたいなもんだな。


 俺はミケとアヴィラさんと子猫ちゃんたちと、のんびりもふもふ生きていこう。子猫ちゃんを配信でお披露目できるようになったら見せたいな。俺に孫ができましたよと紹介したい!


 おっとそうそう、アパートの募集事項にこれ書いておかないとな。


【獣人族と仲良く出来る方、もふもふ好き様歓迎。特にネコ科好き様優遇、犬科派の方は紹介できます。他科派要相談】







              終わり     

お読みいただきありがとうございました!!


そして☆やブックマーク、応援をしてくださった方、とても心強かったです!

おかげさまで最終話まで書くことが出来ました。

本当にありがとうございました!

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