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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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 ―――眼の前に怪我してるドラゴンがいる。ていうか俺、なんで連れてこられたの?


「ねえねえ! この人異世界の人ー! なんか魔力すいとるよー!!」

「おねえさま! 危ないですよ!!」

「フレヤさん、俺なんで連れてこられたの? ていうか怪我してるけどこの人大丈夫なの? 血が」


 あ、大きな魔力ってこの人のこと?


『妖精たちよ。何用だ』

「あ、話せるんだー? よかったー」

『……ぬ? 我が子の様子が少しよくなっておる……?』

「ねえねえ! この人異世界の人ー! なんか魔力すいとるよー!!」


 フレヤさんさっきから同じことしか言ってないな。なんなのー? 説明してー。


「んっと? もしかして……、俺無属性っていう属性あるらしいんですけど、それのせいかなー?」

『ほう? 異世界の人の子よ。こちらに来てもらえるか?』

「あ、はい」

『……なんと、……これは……飽和した我が子の魔力が吸われておる。異世界の人の子よ、感謝する。……妖精たちよ、連れてきてくれたのだな。助かったぞ』

『キュウキュウ』


 お、鳴いてる。かわいいな。


「そうだ、お母さんドラゴンさんの怪我は大丈夫なのですか?」

『んむ。時間はかかるがそのうち治るであろう。……無属性持ちなのであったな? 傷の周囲の魔力を活性化させることが出来るのであれば頼みたいのだが……出来るか? 治癒力を上げられるのじゃが』

「んっと? どうやるんだろ?」

『我もわからぬ。では……魔力を感じ取れるか?』

「ああー、感じ取れないですね……。すみません」

『構わぬ』

「ねえねええ! わかるでしょー?? なんか見えてるでしょおー!?」

「え? ええー? 何も見えないって。って、あ、あのミケのおもちゃとかがわかるやつのこと? そんな感じの?」

「みけええ!? あたしわかんないけどー! でも見えてるってー!」

「何言ってるかわかんないけど、ドラゴンのお母さん、ちょっと触ってもいいですか?」

『ふむ? ……構わぬ』

「ううーーん???」


 んんー?? なんかふわっと温かい。鱗が温かいんじゃなくて、あ、鱗はゴツゴツしてるわけでもなく滑らかさがあるよ。っと、じゃなくてっと、その鱗の下がなんか温かい。この温かい感じが魔力なのかなー??


 そうだとして、活性化ってどうやるんだ? あっためる? ぽかぽか?


『ぬ……』

「ほらー!! できたでしょおー!」

「え、できてるの? ぽかぽか?」

『ふむ。異世界の人の子よ、全回復とはいかないが楽になった。礼を言う』


 おおー、なんかできたっぽい。全然意味わからないけど、よかった。


「お役に立てたならよかったです」

『うむ。異世界の子よ、ここにいる間、我にその魔力活性化をたのみたい』

「え」


―――えっと、俺はどうしたらいいの? このままここにいるのは無理なんだけど?

 え、イゴラフさんどうしたらいいの??


 イゴラフさんは首を振ってる。これ、もしかして種族差か何かで言えないのかな?


「あー。ドラゴンのお母さんすみません。俺、異世界で仕事してるので、ずっとここにはいれないのです、この子大丈夫かな?」

『そうか。ううむ。……妖精たちよ。こちらの者は人族のやつらとは違うのじゃな?』

「タガワはだいじょーぶだしー! 歪んでないもん! 獣人族の方も歪みはないよー!」


 歪んでない? よくわからんが、妖精ってなんかそういうの分かるのかな。へぇー!


「イゴラフさんはあの聖王国のような人族とは違いますよ!」


『……そうか。異世界の人の子よ。……我が子を異世界に連れていってくれぬか? 何もせずとも良いのだ。異世界なら我が子と普通の生活をしてくれるだけで飽和魔力が放出されるだろう……そのうち自分でバランスを取れるようになる。それまでで良いのだ』

「んー別に構わないですけど、この子ごはんとかどうします?」

『なんとも懐のデカい人の子よな。ふむ、食事はそうじゃな……食べても食べなくても良い。自分で食べたい時には言うじゃろう』

「ならいいですよー。ほっておいてもいいんですもんね」

『うむ。頼む……こちらへ』


 さすがにドラゴンのごはんは金がかかりすぎるきがするからなー!


「ん?」


 近くに来いと言われたので寄っていく。

 そしてお母さんドラゴンさんは自分の怪我して流れていた血を俺のおでこにひと塗りし、そして鱗を一枚渡してきた。


 えええー!? 血をおでこにー! すごくすごく厨二っぽい!!


『うむ。これでそなたのことが分かるようになった。何かあったらすぐ我を呼ぶがよい』

 

 ああ、これマーキングかなにかか。それはそれで厨二っぽいな! 四十にもなって厨二心があるけど男だから仕方ないよな。


「あ、あの、この鱗は?」

『首からぶら下げるがよい。そなたを守ってくれるだろう』


 お母さんドラゴンさんは、ちょちょいっと鱗に穴を開け、その場で土の魔法で鎖のようなものを生成した。そして俺の首にかけてくれた。


 なんか竜の鱗のネックレスをゲットしたぞ!! テンションあがったあ!!

 効果は、守り、だから竜鱗の守りのネックレス!!! うおおおおおかっこいい!!!


 帰ったらミケに自慢しよう。

 見慣れないものがあると、ミケチェック激しいけど香りでびっくりしないかなー。ふふふ、わくわくする。


 前猫カフェに行ってみたらもうほんと浮気してごめんと思うくらいふんふんふんふん嗅いできて、ちょっとだけシャーしたんだよなあ。

 ちゃんと手を洗ってからミケに行ったんだけど、ばれたからな。

 そしてシャーされたのがショックだったからもう行かないと決めたんだ。


「それでは、ドラゴンのお子さんをお預かりして異世界に行きますね。この子は名前はなんというのですか?」

『名、とな? ふむ。我らにはそのようなものはないが、……そなたらが呼びにくいのであればなんとでも呼ぶが良いぞ、な?』

「キュキュウ」

「いいの? んじゃあ、きれいな緑色の子だから、翡翠ちゃんで」

「キュッキュウ!」


 気に入ってくれたぽいのかな? かわいいなー。つるつるちゃん。


「では、たまにここに来ますねー! ドラゴンのお母さんもゆっくり傷を治してくださいね、ではー!」

「キュウ」

「竜族の方よ、お暇いたす」

「ねえねええ!! あたしもいくうう!!」

「お、おねえさま!!?」


 にぎやかすぎるだろ……? なんなんだいったい。


―――イゴラフさんのギルドの居住ハウスに戻ってきてからイゴラフさんへの用事を思い出した。


「ギルド設置のとき、うち側にも受付出来る人がルトミスさんだけじゃなくて交代要員として他に誰か来れないかな、と思ったのと、あと読み書きできるように日本語学校を考えているのですが、どう思いますか?

 それとサンクさんに用事もあって伺ったんですが……サンクさんはまだ来てないようですので、サンクさんに田川が用事あります、って伝えてほしいです」


もう一気に伝えてしまおう。


「あ、ああ、最初に言っておったな。……色々ありすぎて……承った。族長に打診しておく」


「ありがとうございます!! では俺は戻りますね」


 ……あ、翡翠ちゃんミケと仲良く出来るかなー? 先住猫いるけど最初隔離とかしなくてもいいのかな……。


「翡翠ちゃん、最初は裏山にでもいる?」


 まあ行ってみるか。どこ気に入るかわからないしな。




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