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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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―――焼肉配信もうまく行って満足満足。食レポも忘れず出来たしな。

 今日はもう風呂入って寝るか。


 そうだ、アヴィラさんに買った毛布届いたんだよな。俺のベッドの下らへんでいいかなー? 今はミケもアヴィラさんもベッドに来るから狭いんだよな。

 最初は遠くだったのに、ごはん一緒に食べるようになってから来るようになったんだよね。


 明日から会社復帰かー。

 めんどいけど、行って自分で仮設住宅作ってもらうの交渉したほうが早いからな。経費で落ちるか一応聞いてみるか……、まあ無理だろなー。補助金でも出してくれたら助かるんだけどな。


 「ミケー、アヴィラさーん、もう寝るよー」



―――ああー、朝だ。起きてしまったー。


「ミケ、アヴィラさんも。今日から俺会社だから、留守番頼むね。アヴィラさん、何か悪いやつとが来たらミケ連れてイゴラフさんのところに逃げるんだよ? いいね?

 あと、異次元ゲートの配信はつけておくから、たまに顔を出して見せてね」

「グァゥ!」


 アヴィラさんは気合をいれたようで、元気よく返事してくれた。

 ミケは慣れてるから尻尾で返事してくれた。いつもは悪いやつ来たら隠れるんだよって言ってあったからね。

 よし! 仕方ない、行くか。

 


―――いつもの道を車で出勤する。今日はひさびさだから帰りはミケにたま伝でも買ってくるかな。あとはイゴラフさんたちに牛丼とかお菓子でも買ってこよう。

 


「おはようございます。有給ありがとうございました。お世話になりました」


 有給にたまった連絡やらなにやらをして、仮設住宅の件も会社に利益が出るように契約出来そうだった。よしよしとほくほくしていたところ、佐久間さんから電話がきた。会社に。

 仕事中は私用携帯には出ないからね。


「お電話変わりました、田川です。いつもお世話になっております。どうされましたか?」


『お疲れ様です、佐久間です。』


「あ、そうだ佐久間さん、ちょうどよかった。あのですね、家に異次元パスポートの受付小屋のようなものを作りたいのです。防犯もかねてドアもですね。そういうのは経費になるとか補助金のようなものはでますのでしょうか?」


『そうですね……、ふむ、……たしかに、あの異次元ゲートのすぐ近くで受付してしまうと、急に走りだしたりして入られたら止められませんね……。警備員を増やす……継続しての人件費よりは、違う場所を準備した方がよさそうですね。確認してみますが、必要経費になるかと思います』


「よろしくお願いします。助かります。経費にならなくても実はもう作ってもらえるように契約前段階にまではしているのです。ミケの安全のためですしね」


『おや、でしたら見積書を送っていただければスムーズにいくかと思います』


「わかりました。後ほどメールします」


 よっし!! 心の中でガッツポーズしながら話を終える。


「あ、すみません。それで佐久間さんはどうされたのですか?」


『はい、先日ルトミスさんが人族に交渉に行ったほうがいいと言われていた件なのですが、私が交渉に向かうことになりました』


「おや、大変ですねぇ。それはお疲れ様です」


『……なにぶん人材が少なすぎてですね……、はぁ……。それでですね、―――イゴラフさんを護衛と案内にお願いしたいのです……。さすがに案内もなしで異世界は厳しく……、その依頼を田川さんにお願いしたいのです』


「ああ、イゴラフさんにお願いするのですね。わかりました、私は構いませんよ。頼んでみますね」


『よろしくお願いします』



―――まあ、そのまま日常の業務をして帰宅したのだが、もちろんすぐに佐久間さんあてにメールしておいたよ。

 昼の休憩のときは異次元ゲートやら異次元パスポートのことを質問攻めにされた。

 きちんと答えておいたよ。……次はあそこの配信を切り抜きにしてこっち俺より詳しいから見てね、と言えるように準備しようと誓った。


 あとはミケの見守りも確認した。ミケたちは無事配信に映っていたし、なんならルトミスさんが来てた。ミケに肉を貢いでいたのが映っていた。コメントも盛り上がっていたのが嬉しかったな。けっこう見てくれてる人多いんだなぁ。


 そうそう。また切り抜きつくらないとなーと言ってたら部下が『部長~、俺の友達に動画作成を専門にしてるやついるんっすけど、そいつに頼んでみますか~? ていうか、いいやつすぎて一本五百円とかにして金なさすぎで大変みたいなんで使ってやってくださいよ~』と言ってきた。


 君の友達なら安心だなーお願いしようかなと言ったら、その場で電話してくれてそのまま契約するということになった。しかも専属にして下さるなら割合は少なくてもかまいません! とか言うから、そういうとこがだめなのではと思いつつちゃんと契約したよ。


 そろそろ収益化ならないとだめだな……、なんて思いながら私用携帯を開いたら収益化の決定通知が来てた。


 ―――うおおおおおおおお!!! 収益化きたああああああ!!! よし今日は牛丼じゃなく寿司買って行こう。お土産も寿司にしよう。


 これはSNSで報告してお礼言っておこう。


【田川@ミケ:収益化決定しました!!!! みなさまのおかげです!! ほんとうにありがとうございます!! ミケにたま伝買って帰ります!!! あと寿司も!!


GoTubeで異次元ゲート垂れ流ししております URL ちなみにお昼はミケがルトミスさんに肉貢がれていたのを確認しています #猫#異次元ゲート 】



―――さてさて、ミケのお土産も寿司も買ってきたし、ビールで乾杯するか! の前に、佐久間さんにお願いされた依頼を果たしにイゴラフさんに行こっと。

 あと、寿司のお土産渡したらこわごわ受け取ってくれた。食べ方を説明して、今日中に確実に食べちゃうように伝えた。よく考えたらナマモノだから寿司のお土産は良くなかったかなー。

 その場で一口食べたら尻尾がピン! と珍しくなってたから美味しかったんだと思いたい。


 佐久間さんからの依頼をイゴラフさんに伝えたら、「某はここの管理なので無理かとは思うが、代わりのものが案内できるやもしれぬ」と言うのでお願いした。

 一度アミーラさんのお祖母さんに確認しに行くと言ったので、家に戻って先に風呂に入る。


―――と、ルトミスさんがやってきた。


「やはりイゴラフ殿はここの要のため族長より許可はおりませんでした。そのかわり僕を派遣すると。その場合はお主にとっても人族の街を見るいい機会だろうしの、と言われました。なので僕が案内いたします。ただ田川殿が一緒に来てくれるのであれば僕も安心なのです……、ですので……あの、田川殿も一緒に来ていただきたいのです」


 え、なんで……?


 それが、『まだその佐久間殿とやらとは信頼関係にはない。田川殿が来るのであればこちらとしても安心なのだが……。われらの身内の身の安全もあるでな』とアミーラさんのお祖母さんが言ったらしい―――こないだの秘薬の件で俺は信頼できるとアミール族全体が考えてくれたようで……―――その鶴の一声で俺も一緒に行ってほしいみたいになってるんだが。


 俺、行かなくていいのに!?


「ルトミスさん……ちょっと……待ってくださいね。俺は会社もあるしミケもいるしで、ちょっと行けないかもですねー。あー、ちょっと佐久間さんに電話してみます。信頼関係なんとかならないかな」


……

『もしもし? 田川さん珍しいですね、この時間に』


「ええ、すみません。先ほどはありがとうございました。んで、今イゴラフさんに先ほどの件依頼したんですが、『おお!』イゴラフさんはだめで、『ああーー……』そしたらルトミスさんならオッケーとのことでした。『おおおお、助かります!』……ただ……、ええと、……アミーラ族の族長が、佐久間さんのことよく知らないのでまだ信頼関係にないとのことで心配してるようでした……『ああ、あーそれはそうですよね……たしかに。うーん、じゃあ田川さんご一緒にお願いできますか?』……え、無理ですよ? 有給もうないですし、ミケもいるし、家空けたくないですし。佐久間さん信頼関係築いてくださいよ……」


『田川さん、お待ちください。至急確認してまた連絡します』


―――ええー、もうビール飲むよ? 腹減ったし。寿司食うよ。

 収益化のお礼の配信もしようとしてたのにー。


「ルトミスさん、やっぱりなんとか俺がいなくても佐久間さんと行けるようにできませんか? ルトミスさん以外も誰か連れていくとか……」


「ううん……、少しこちらでも確認してみます。人数が増えればたしかに族長も安心して下さるかもしれません」





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