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―――そういう話をヒョウの人、ルトミスさんがこちらに来て話してくれるとのことで、助かった。
で、ルトミスさんが話してくれたところ、異世界―――アルファンディアというらしい―――は、たくさん人が来て少しでも魔力を持って行ってくれると助かります。とのことだった。
だからギルドを作って整備して人をどんどん呼び寄せたいらしいね。
じゃあ、あとで配信する時呼ぶから待機しててくれますか? とお願いして、俺は一旦帰る。飯を食わないとな。ミケたちも待ってるだろうし。
って言ってたら、結局ミケとアヴィラさんのごはんもらって来ちゃった。しかも俺用にも料理したごはんくれた。魔石はどうしたんですか? って言ったら人族はそのまま食べられないから砕いてかけておると言われた。やっぱり人族は砕いてちゃんと食べるんだね。スパイスみたいなものなのかな? なんか栄養あるのかもな?
帰ってきてみんなで仲良く食べたねー美味しかった!!
俺もお返しに今度牛丼でも買っておみやげにしよう。
朝ごはん終わって二人をブラッシングしてあげる。ミケは特に長毛だから、きちんとしてあげないと毛玉になるんだよねー。
そうするとミケたちは毛繕いというかお互いグルーミングしあっていて、仲良くなったなーなんてほっこりしつつ画像撮った。
スマホの容量が画像のせいでいっぱいになるな。
―――さてと、家のチャイムがなったと言うことは佐久間さんが来たかな。ぴったり九時だ。
SNSに投稿してっと、
【田川@ミケ:佐久間さんと異次元パスポート取得の資料を確認します、来れる方はぜひ配信にお越しください。
こちら今のミケとアヴィラさんグルーミング。画像
GoTube URL #猫#異次元ゲート 】
さてさて配信挨拶して始めるかー!
「おはようございます、佐久間さん。今日はこちらでお願いしますね」
「今日はリビングではないのですね。……ん、これが異次元ゲートですか。私はまだ入ったことがないのですが、ほほうー! 人が入れるくらいの異次元ゲートはやはり迫力が違いますね。
それでですね、昨日の配信での情報ですが、アミーラさんが姫とか、そういうことは最初に教えて頂きたいというか。あと魔法とか魔石が食べられるとか……田川さん……?」
【佐久間さん気付いてなくない?】
【おはよう】
【さっきぶり】
【ごはん食べた?】
「はい、みなさまおはようございます。朝からお集まりいただきありがとうございます。今日は佐久間さんと一緒に異次元パスポートの申請の仕方、注意事項を学んでいきたいと思います。よろしくお願いします」
「誰と話して……はぁ!?!? ちょっ……! 配信っ!? 顔出し!!?」
「では佐久間さん、よろしくお願いします」
「丸投げっ!!?」
【わろた】
【不憫すぎる】
【やっぱり言ってなかったかー】
【いいリアクションするな】
【佐久間さーんがんばれええ】
【丸投げワロス】
【田川さんコーヒー飲んでて草】
【リラックスしてて草】
「ああああああああ田川さん……! 初めから言ってください……。もうちょっとこうなんというか、報連相……。
あー、こほん。みなさま初めまして。国家危機管理部所属の佐久間と申します。今回は政府からの公式認定証である、異次元パスポートの申請の仕方、それと異次元に行く場合の注意事項をお伝えできたらな、と考えています。
こちらが資料になります」
【さすがエリート】
【持ち直した】
【あきらめた】
【異次元パスポートわくわく】
【佐久間さんイケメン】
「資料はじゃあ俺が映しますね」
「……お願いします」
「はい、お手元の資料を……映してくれているので、確認していきます。
住所氏名電話番号を書いていただいて、あとは印鑑と拇印。それに本人確認書類が必要となります。本人確認書類は顔写真のあるものでしか受け付けは出来ません。
こちらは、マイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、こちらは平成24年4月1日以後に交付されたものに限ります。あとは、旅券、普通のパスポートのことです。在留カード、特別永住者証明書になります。
そして、一時庇護許可書や仮滞在許可書、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳、療育手帳での異次元パスポートは発行できません。
人権保護の観点からこちらは受付不可とさせていただきました」
「ふむふむ。拇印が必要なのですね。指紋のない方はどうしますか?」
「ああー、そうですね。いい質問です。まあレアケースかとは思いますが……その場合は足の指の指紋、例えば指がない場合ですと掌紋、足紋耳紋の順でつけて頂くことになります。
あとは、あちら側に行ったらギルドでの冒険者登録が必須となります。これは、残念ながらもしも異世界でお亡くなりになった場合のこちらでの確認が、ある程度できる可能性があるからです」
「ああ、死亡の事実が分かれば、届が出せるようになるのですね」
「そういうことです」
「なるほど。よくできていますねー。みなさま素晴らしい……。ところで、異世界側のギルドとも連携しているのですか?」
「……まだです。まだそこまで出来ておりませんので、それはこれから連携するために動いていく予定です」
「ああ、まだなのですね。そういえばルトミスさんが、たくさん人が来て少しでも魔力を持って行ってくれると助かります。とのことでしたよ」
【異次元パスポート結構よく考えてるな】
【耳紋はじめてきいた】
【異世界ギルドとか楽しみ】
【にじみでるエリート感】
【俺は行くぜ!!】
【マイナンバーカード申請しないと!】
【さすがに連携はまだよなー】
【ルトミスさん初出でない??】
「ルトミスさん、とは?」
「あ、外交担当の方ですよー。ちょっと行ってきますね」
「え?」
【え?】
【えっ?】
【異次元ゲート入ってったぞ】
【普通に部屋出入りするみたいに入ってった】
【日常の動きで草】
「は? ……え?」
【フリーズしてて草】
【いいリアクションするな】
【田川さんに慣れないと】
【心中お察しします】
「こちらルトミスさんです」
「こ、こんにちは。はじめまして、あっ、おはようございます。ルトミスです。獣人族外交担当です。人族担当は遠いですし忙しいため、僕が担当させていただきます。よろしくお願いします」
【うおおおおおおおおおおお】
【ヒョウの人きたああああああ】
【ケモナー歓喜】
【もふもふううううううううう】
【佐久間さん胃は大丈夫か?】
【まじこの配信いつも読めない】
【くそわろた】
【僕萌え】
「あっ、あっ。こっ、こんにちは。あの、人間の佐久間と申します。国家危機管理部に所属しております。こちらこそご丁寧にありがとうございます」
【人間の佐久間笑う】
【経緯と詳細ニキ見てるか】
【佐久間さんが瀕死すぎる】
【ちゃんと挨拶できてえらい】
【情報に溺れる】
【エリートェ】
【エリートでもあっあっとか言うんだな】
【さすがにこれは仕方ないだろ】
「はーい、よろしくお願いしますね。それでですね、今アミーラさんのところに人族の行商人さんがいらしてて、その人から話を聞いた人族側がギルドを作りたいと言ってるらしいんですよー。ちょうどよかったですね!」
【緩すぎワロタ】
【田川さんもしかして天然】
【もしかしないんだよなー】
【これもう天然というか大物じゃね?】
「あ、はい! そうなのです。このアルファンディアは魔力が飽和しているので、受け皿となる方々がたくさん来てくれたら助かるということで、比較的平和なうちのアミール族の罅のところに、あ、ゲート? でしたね。その、ゲートのところに作ることになりました」
「……アルファンディア……?」
「あ、僕たちの世界? の名前です。こちらは何ですか? 「地球ですよー。地球という名前の世界で、日本という国です」なるほど、わかりました。チキュウ、ニホン、ニホン」
【やだかわいい】
【なんか和む】
【行商人のところに人来てた話初出でわろた】
【報連相ェ】
【まあ渡りに船ではあるよな】
【ちょくちょく爆弾持ってきて笑う】
【こないだ見たイゴラフさんよりかなり若い】
【佐久間さんが不憫すぎる】
【にじみでる苦労性】
「そ、そうなのですね。ギルドとの連携も出来そうで、こ、こちらとしてもありがたいです」
「ギルドとの連携……ですか。えーと冒険者登録はもちろん出来ますが、ただ、ギルドがきちんと死亡確認とかしてくれるかははちょっとわからないです。死んでも遺体はほぼ持ってこれないですし……。確認できたときは連絡してくれるとは思いますが、うーん、人族への依頼はどうなるか難しいので、やはり詳しいことは人族同士で交渉した方が良いかなと僕は思います」
「なるほど。交渉……」
―――やっぱりあちらの人族ちょっと怖いな。行商人の人は普通みたいだから、もしかするとやばい国があるのかもしれないな。
国が一つのわけないしな。
俺は新しいコーヒーを佐久間さんとルトミスさんに入れつつ二人を見ていた。
【田川さん……】
【コーヒーがうまそう過ぎる】
【ルトミスさんが猫舌で悶え死ぬ】
【一人だけ緩すぎる】
【でもなんか今日はいい感じじゃないか?】
【結局魔法とかの話は出来てないの草】
【魔法は気になる】
…
……
……
二人でお礼を言いあって、そして今回はそれで終わりっぽかった。俺いい仕事したな!
確認したら同時接続数が三万くらいいってて驚いた。
これは収益化待ったなしだな!




