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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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 さてさて、すでに俺の垂れ流し配信をチェックしていた佐久間さんから、―――後日でいいので、イゴラフさんに取り次いでほしい―――と言われていたので、アヴィラさんの食事のこともあるしもっかいあっち行ってくるか。



「イゴラフさーん、こんにちは、いらっしゃいますか?」


 イゴラフさんは今度は住居というかテントの中を整えているようだった。地面に温かそうなマットやカーペットをたくさん敷いている。

 ここには異次元ゲートと少しのイスとテーブルに、飲み物とかが出せるのかな? カウンターみたいなのが新しく出来ている。


「おお、田川殿。いらしたか。アヴィラとミケ殿の食事はこちらに。そこらでとれた魔物の肉だ。新鮮だから魔力も多い」


「あ、ありがとうございます。……あ、やっぱりこちらでは魔物って魔石を残して溶けるわけではないのですね」


「ふむ、そちらではすぐ溶けるのか? こちらは魔力には還るが、それはかなり時間がかかるのだ。だから食べることも出来るし魔力も残る。そちらは魔力がほぼないため、すぐ魔力が散るために溶けるのかもしれないな」


「ほほー、なるほど。ならこちらの世界でも異次元ゲート周りの比較的魔力のあるところでは魔物の肉も食べられるということですね?」


「ああ、そうなるな」


「ありがとうございます、今度、魔物を美味しく食べる企画をしようと思いまして、小さな魔物でも倒せたらなーと思ってるんです。よかったらご指導お願いします。……あと、うちの家に政府の人―――あ、偉い人のことです―――が来てですね、今度イゴラフさんとお話してみたいから繋いでくれないかと言われました。お願いできますか?」


「ふむ。他種族との外交か? となると、専門の者がおる。今度連れて来ておく」


「よろしくお願いします。では、お食事はいただいていきますね。また来ますね」



 よっし、用事終わった。外交専門の人いるのかー。どういう人かな。



―――ミケたちにイゴラフさんからもらったごはん、まあごはんというか肉だね。を出すとアヴィラさんがバクバク食べてる。

 『ミケ殿にも』とくれたから、そっちはミケにあげる。念のためミケのは少し焼いておく。


「二人ともー! イゴラフさんからお肉もらったよー! 食べてみて。……アヴィラさん美味しい? 「グァグァゥ」ふふふ、よかったねー。ミケはちょっと焼くから待っててね」


 ミケはこっちを一瞬みてから尻尾をゆったり揺らしてお返事してくれた。


 アヴィラさんがゴリゴリ言ってるけど骨でもあったんかな? 

「アヴィラさん骨食べてるん? 「グァ」 えっと、ええ? 魔石食べてるの? えー魔石って食べれるんだー。美味しいの? ……え、気になるんだけど」


 アヴィラさんが口からべっと見せてくれたのは魔石だった。もうーアヴィラさん行儀悪いよ。


 へー、魔石って食べられるのか。飴みたいなもんなのかなー? ってミケはだめ! それはさすがに大きいし詰まるとまずいでしょ。ちょっと待ってね、包丁で切ってみるからね。あと一応俺が味見してからね。


 包丁で全然切れないじゃないかー! これどうすんだ。ミケに食べさせるにはでかすぎる。とおろおろしてたらアヴィラさんが側に来た。

「グァグァウ」

 ―――アヴィラさんから風が起こって魔石が粉々になった。

 ええー! アヴィラさんたらそれ魔法なの!? 使えるんだー! すっごい!!! 


 おおーー!!! と拍手して、アヴィラさんを喜びの撫ででもしゃもしゃにした。

 心なしかドヤ顔のアヴィラさんかわいいな。


 んじゃちょっと味見して。……ペロッとなめてみたけどなんの味もない。なんだ飴みたいな感じじゃないのか。

 まあ、これなら塩たくさんあるとかじゃなさそうだし、ミケにもあげて大丈夫そうだね。肉にかけてあげよう。

 うん、肉も味見したけど鹿肉みたいな感じで少しだけ臭みがあるけど、うん、大丈夫そうだね。


「ミケー、お待たせ―! はい、どうぞ」


 うんうん、いつもより食べるのが早いから美味しいんだな。やっぱりミケにももらって少し食べたほうがいいのかもな。


 食べ終わって毛繕いしている二人を見て、俺の飯はどうすっかなーと考える。

 ああー自分の飯めんどすぎる。俺は適当に冷凍パスタでもいいか。今の冷凍パスタ十分うまいしな。

 食べながら配信でも見るか。あとはビールかなー。

 そうだそうだ。ちょっと垂れ流し配信もきちんとできているか、確認しないとな。

 あ、あとマナーモード直しておけって言われてたんだった。佐藤さんなんか怒ってたからな、直しておこう。


 って、うわ何これ、通知がやばい。何がどうなってるんだ……。

 あと不在着信が二十件くらい来てるんだけど、これは言ってた警察からかな? あ、うん、たぶんそうだ。あとは会社からが数件来てるな。あとで連絡しておこう。


 てか、トレンドにミケちゃんアヴィラさんがでてるうう!!? いつのまに……! 

 ミケが全世界の人気者に!!! すごい!! 

 これ、お礼を伝えたいな。

 ついでに、そのうち異次元ゲートの通行を受付始める旨も書いておこう。


 【田川@ミケ:みなさま、ミケをトレンドにしてくれてありがとうございます!!

 ミケのかわいさが全世界にわかってもらえた風に感じられてとっても嬉しいです。

 もちろん、どの猫ちゃんもみんなみんなかわいいので、いろんな猫ちゃんを見れたらなーと思っています。


 こちら今のミケとアヴィラさん ニャルソック中 画像


GoTubeでも異次元ゲート垂れ流し配信しております。URL #猫#異次元ゲート 】


 【田川@ミケ:続き それから、うちにある異次元ゲートの政府公認臨時公務員になりました。準備ができ次第、異次元パスポートの発行と通行の受付を始めます。その時が来ましたらまたご連絡します。

 URL 今度こちらのGoTubeでの配信で経緯や詳細をお伝えします。よろしくお願いします】


 ・「田川@ミケさん、こちら炎上中のアカウント、知ってます? 引用」


 ん? 炎上の??

 しゅがしゅが…?


 あ、このアカウントたぶん佐藤さんだな。だって画像のかわいい猫ミケなんだもんなー。炎上しちゃったのか。


【しゅがしゅが@みおん:今日仕事で異世界配信でバズってるとこに行ってさー

猫触ろうとしただけで担当から外されたんだけど!! うざすぎクレーマーかよ! 

この猫 画像 #猫#異次元ゲート 】


・「これ今トレンドなってるミケちゃんじゃ?」

・「隣りにいるのアヴィラ君じゃない? この人威嚇されてる」

・「飼い主さんに許可もらってないんじゃないの?」

・「ちゃんと下から挨拶した?」

・「最初から頭撫でようとしたら猫ちゃん嫌がるよ」

・「匂い嗅がせた?」


【しゅがしゅが@みおん:は? 許可いるの? 猫だよ? #猫#異次元ゲート 】


・「勝手に触ろうとしたの!? じゃあお前が悪い」

・「お前は自分の子供を勝手に触られたら嫌じゃないのか?」

・「こいつだめなこと全部やってて笑う。そりゃ担当外されるわ」

・「外されたってことは飼い主さんがクレーム入れたんだろね。飼い主さん先見の明ありすぎるグッジョブ」

・「てか仕事でって言ってるけどこういうの守秘義務とかないの? 誰のこと言ってるのかすぐわかるんだけどw」


【しゅがしゅが@みおん:子供じゃないし? 同じじゃないじゃん? 猫だよ? #猫#異次元ゲート 】


……

………


―――



 佐藤さん……。あ、俺クレーマーになるのかなー。いやでも、ミケ怖がってたしなー。次からもグイグイ来られたらやだしなー……アヴィラさんも威嚇してたし。

 アヴィラさんにひっかかれたら一大事だしな。注意はしておかないとなんだよな……。

 ……まあ守秘義務みたいなのはなかったし、いずれ公表なるからそこまで目くじらはたてないけど、これは猫好きさんにさすがに怒られるだろうなー。

 まあ一言フォローしておかないとな。たぶん動物飼ったことない人なんだろう。俺も過剰に反応しちゃったかなー、まだ若い子だったしな……俺も反省しよう。

 

 【田川@ミケ:しゅがしゅがさんはたぶんですが、知っている人ではありますね。しかしもしかするとこれから一緒にお仕事する可能性もまだあるので、フォローさせてください。

 たぶん動物を飼ったことがない方なのだと思います。わたしが少々過剰に反応しすぎたのもあるかもです。

 ミケがかわいくて申し訳ない。そして、みなさまミケのために怒ってくださってありがとうございました。


 こちら今のミケとアヴィラさん ごはん食べ中 画像


GoTubeでも異次元ゲート垂れ流し配信しております。URL #猫#異次元ゲート 】


・「飼い主の田川さんが許すならまあいいか。ミケちゃんがかわいいのは事実だし!」

・「政府公認臨時公務員!?」

・「ミケちゃんへの愛がおおきくてわろた」

・「ニャルソックしてる二匹かわいいわー! 一匹トラだけど!」

・「アヴィラ君ばくばく」

・「トラの本能」

・「待ってこの肉なに!?」

・「異次元パスポート……!?」

・「うおおおお情報量……!!」


……

………



―――SNSの更新をして疲れたのでミケを吸わせてもらう。はぁー癒される。

 アヴィラさんがドン引きしている顔しててちょっとわらった。これは飼い主特権です。





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