キメラの雷鳥さがし 349
「あれ?机の下の床部分が他と違う軽い音だね。何処に入り口を開ける仕掛けがあるんだろう?」
机の下を覗き込む様に這いつくばるファル。
こういった仕掛けはロックを外さないと動かない気がする。前にドラマでやっていたのを見たけど、このギデン子爵の装置はどうなのだろう?
机や本棚の隠し通路はメイドたちが掃除に入っても気付かれないようにしてある筈だ
「机が動かない様にストッパーが付いている筈だから、そのロックを外さないと動かないんじゃない?」
「あ、変な物が机の脚に付いているよ、これを動かしてみようか」
ガコン!
ファルが机の脚に付いた小さなレバーを押すと、何かが外れる音がした。
「どうやらストッパーが外れたようだね」
立ち上がって手を叩きながら、机を前に押していくとスーッとスライドして移動していく。
テレビで見るのと、実際にやってみるのとでは、臨場感も違う。
よくよく見れば、机の脚の下に球体の様な物がはめ込まれており、それが転がって机が動いているのだと分かった。
「床が見えたけど、地下に通じる隠し階段はどうやって出すわけ?」
「何処かにスイッチでもあるのかな?ファルみたいな魔法士だったら魔法で開けちゃう仕組みにする?」
「そうだね。じゃあ、開けられるか扉を開く魔法でも使ってみようか」
そう言って、ごにょごにょと呪文を唱えたファル。
床はしっかり床のままだった‥‥
ゴゴッ!
「えっ?うそ、開いたよ!」
「あはは、やってみるもんだねぇ‥‥なるほどね。後ろの壁の絵画に描かれている猫の目が光ってるから、あそこに魔石でも入っていたんだね」
「え、じゃあ、魔石によって開閉している装置なの?」
「まぁね。でも、随分と手の込んだ装置を作っているよね。出て来た階段だって、この屋敷が建築された当時からの物でしょ?何かを隠しておく気まんまんじゃん!」
確かに床が割れて地下に伸びる階段は、装飾も無く石畳の様な階段だ。
魔法で光る玉を頭上に浮かせて階段を下りていくファル。その後に続こうとしたら、ハンゾウ長老とチャチャが服から飛び出して行った。
『先に偵察してくるから!』
「ファル、ホミバードって暗い中でも目は見えるの?」
フクロウならいざ知らず、鳥は夜になると目が利かなくなる。そんな心配が過って聞いてみたものの、ファルは笑いながら大丈夫だと言う。
「精霊は目が良いよ、鳥である前に精霊だからさ。色もバッチリだよ」
ああ、精霊!そうでした。
失念していたけど、鳥の前に精霊‥‥やっぱり、自分の知っている鳥の習性で考えたらダメなのね。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




