キメラの雷鳥さがし 344
残った騎士や兵士も、ファルから貰った眠りの粉をハンゾウ長老が撒いた為、その場に崩れる様に眠ってしまった。
館の全ての人間が寝静まったので、チャチャとハンゾウ長老が調査で見つけてくれた資料庫と隠し部屋を調査している。
だけど、先ほどの客観的に見た自分の生首鑑定のショックが継続していて、泣きながら全ての資料の鑑定を現在進行形でしている。
「ショック過ぎる‥‥」
『かなり堪えたみたいね。笑いすぎちゃった‥‥』
『チャチャとファルは遠慮が無さ過ぎよ。しかもファルは、乙女心を理解しないと駄目ね』
「ラレーヌから言われると、ちょっとキツイね」
しっかり聞こえているんだけど!
それにしても、隠し部屋にある書類って多くない?!
いろいろな山の地図があったけど、レッドマウンテンとブラックマウンテンの入山口が書かれている地図が見つけた時はドキリとした。
レッドマウンテンの入口は、きっとアルジン・ロンバンとジノステラン枢機卿が出入りしていた森からの入口だと分かった。
ブラックマウンテンの方は、ロンバン公爵領の方から山を越えて入る入口と、湖を越えた山の南側の森から入った場所の入口があった。
一応、こういった地図や帳簿は全部押収すると言われていたので、ファルの空間収納にどんどん入れていく。
「大方、片付いたかな」
「後はギデン子爵の執務室とか?」
「そうだね、睡眠薬の効果が切れる前に、見回っちゃおう」
念のため、ラレーヌの転移術を使ってギデン子爵の執務室に侵入したけど、本棚に囲まれた書斎の様な執務室には、それらしい資料が探し回っても無かった。
「おかしいね、さっきの資料室や隠し部屋にはそれなりに精霊に関する捕獲場、狩場の資料があったのにさ。この子爵だって精霊を捕まえる仲間なら、余罪ももっとありそうなのに」
「普通、自分が犯罪に手を染めている証拠とかって、身近な場所に隠しておく人が多いと思うの。だからこの執務室か隣の寝室に隠し部屋があるんじゃないかな?」
良く刑事もののドラマで、犯罪記録や帳簿の様な物は、犯人の生活圏内で目の届くところに隠されている。
子爵が座る執務机の椅子に座って辺りを見回してみると、本棚の境が分厚くなっている場所が2箇所あった。近寄って良く見ると、木目が違う。
「ファル、此処の本棚の間、木目が違っていると思わない?」
「ヒマリお手柄だね。でも、これは木目じゃないよ、魔法で封印術を施した跡だよ。この痕跡を目視できる人ってあまりいないんだけど」
杖で床と封印術の境目をトントンと叩いていくファル。
徐々に浮き上がる封印術の術式に、文字を杖で移動させた。単語と単語の文字を入れ替えて、開くという文章にしたのだと後で教えてくれたけど、魔法って凄い便利だと思えた。
読んで下さって、ありがとうございます。
毎日、一話ずつ投稿できたらと思います。
貴重なお時間を使って頂き、心から感謝します。
誤字脱字に関しては、優しく教えて頂けましたら幸いです。




