第2話 白菜とキノコの和風旨鍋 3
リファイラスさんの宿に寄り道した。
リファイラスさんはレニ=アリアさんに付きっきりだったが、わたし達に気づいて部屋の外に出てきた。
「いいのに。」
「いや、話はしたかったしな。あの場でレニ=アリアを起こしちゃかわいそうだ。もう旅立つのか?」
「ううん。わたしのわがままだけど、レニさんが回復して、お茶の約束果たすまでは、いるつもり。」
「そうか……本当にいい友達が出来たな。」
「リファイラスさん、その。エルフが減少したのは、魔族のせいでしょ?なんか魔王の命令で魔族が、エルフを襲ったりさらったりしたって、冒険者試験にも出たからさ。」
「魔族にも、分裂が走っていてな。レニ=アリアのように、勇者一行のような人間に感銘を受けて、非人肉食をするもの達がいる。俺も森には帰れない肉を食べるエルフだ。はぐれ者同士の馴れ合い……だが、今後は考えを改めなきゃな。」
ラゴゥが尋ねた。
「連絡先、変わりますよね。人里だと、魔族ってだけで、偏見が多くて生きづらいでしょうから。」
「だなぁ。赤ん坊とレニ=アリアが安心して暮らせる秘境を、まずは探さねばならん。君たちが引退後は、もしかしたらニャビも加わって四人家族かもな。俺たちのパーティは皆長命種だ、育児が終わってから冒険の再開も出来る。それまで、俺は新しいクラス、お父さんだ。」
リファイラスさん、決して悪ノリはしなかった。父親になる覚悟を決めたんだろうか。
帰り道、わたしはちょっと愚痴った。
「リファイラスさん、いいエルフなのに、なんでレニさんに悪ノリしてたんだろうね。」
クロウがボヤいた。
「昔のノリだろ。故郷のエルフの里の。」
「はぁ?」
「レニーってエルフがリファイラスの里からさらわれた。それを追ってリファイラスは森を離れ冒険者になったが、レニーは既に魔族の手でキメラに改造されていた。それがレニ=アリアだ。記憶も情けも無い人殺しの魔族。リファイラスにはそれでも昔っから悪ふざけして構ってきたレニーなんだろうさ。」
「リファイラスさんから聞いたの……?」
「なんでも愚痴るもんじゃねぇな、ラビ。」
チップに言われた。
わたし達、宿に帰って、クロウのレシピ本見ながら、皆でトントン、サクサク、具材を切った。
「クロウ、確かにズボラレシピをお願いしたけど、ほんとにこれだけ?」
「こいつは鍋だ。こんなもんだろ。」
ラゴゥがまだお米を洗ってる。
「ちょっと皆〜炊飯係のほうが人手いるかも。」
だって、皆で具材切るだけだから、そりゃそうよね。
ぐつぐつ、火が通ってきたら、辺り一面いい匂いだ。
白菜とキノコの和風旨鍋 (レシピ考案/猫芦みぃ)
(1人前)
白菜8分の1を丁度いいサイズに切って鍋の下に敷き詰める
好みのきのこ1房のいしずきをおとし、ほぐして白菜の上にのせる。
(好みの具材を好きな量足してもOKだよ!)
鶏肉300gは1口大に切っておく。
鶏がらスープの素を大さじ2、麺つゆを大さじ4、水を900mLいれて煮こむ。
沸騰したら鶏肉を入れ、10分ほど煮込む。
煮込み終わったら火を止め、ごま油大さじ1を回しいれ全体に混ぜる。
お皿に盛り付けて完成。
「おいしーっ!!」
「にゃあおかありッ!!」
「ごま油の良い香り。しいたけが肉厚で、スープが染みて贅沢だねぇ」
クロウとチップはお酒を開けた。
「麦酒より日本酒だろうな。焼酎もいい。」
「酒の肴にも最高だぜ!うんま!!」
「ご飯おかわりあるからね〜た〜んと食べてね〜」
ラゴゥがさっそくおかわりするニャビのご飯、もりもり盛ってくれた。
うちは、
しいたけ、ぶなしめじ、長ネギ、鶏もも肉、白菜で作ったけど、ご飯も進むし、チップ達にはいいおつまみだったみたい。
「村長の報酬、美味しかったね!あの村長はともかく、村長の祖母は料理が旨いよー!!」
ラゴゥも言った。
「美味しいし役に立つよな。もう、今度から立ち寄った村ではレシピ集めて行こうか。」
「さんせー!!」
「おい。集めたレシピは俺のもんだからな……」
「いーよぉ、クロウのコレクションでも。わたし達食べれるんでしょ?」
わたし達へっぽこパーティーのグルメと珍道中は、エスメラルダの為に王都アポロメルタンを目指し……まだまだ続くよ!
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