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10.透明な蛇


 照りつける雑草混じりの地面。

 働き蟻は行列を作らずにてんでばらばらと絶えず往復してる。

 そんな蟻の行き交う地上に突如、透明な管が地面の凹凸をはいはい伸びてゆく。

 地面を盛り上がりながらずんずんと進む管、透明な蛇。それは蟻がいる地面をついには横断し彼らの行く手を遮断した。

 今の今まであったはずの通路を塞がれた蟻の何匹かは対処出来ずつい今まで通り前へと進んでしまう。すると、蛇の側面に触れた瞬間、蟻はその皮膚に吸い込まれ体内へと閉じ込められてしまった。

 透明な蛇の体内でただただ黒い体を漂わせるばかりとなる蟻。

 地面にいた他の者達も同様となったり、通路を消され困惑する者、経路の変更を余儀なくされる者などで地面の一角はてんてこ舞いとなった。

 

 突如現れた透明な蛇。

 それは、水である。

 蟻が働く地面の遥か向こう。

 残り水を垂らしたホースが地面に蛇のように寝そべっていた。



(完)


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