第2章【世界が動き出す】~第27話 問題は次から次へとやってくる~
ダンガンは監視塔の天辺で辺りを見渡していた。これは彼の日課で有る。1日数人交代で見張りをするのだが、朝昼夕と自身の眼で辺りを確認するのだ。今までは大陸の街を中心に見ていたがこれからは、遠くまできちんと監視しなければとダンガンは思っていた。
すると かなり遠くだが3つの黒い点が微かに見えたのだった。
ー何か来る!ー
ダンガンはそう思うと同時に大に向かって念思を送った。
...主殿!かなり遠いですが、上空に黒い点が見えます。何かが近付いて来ているようです!...
俺はダンガンの念思を受け取りすぐに臣下と禅に念思を飛ばす。
..ダンガンから何かが近付いていると報告が来た!此方の大陸は結界で見えないだろうが念の為、注意しろ!..
..了解..
全員が返事をする。何が近付いてるんだ?モンスターか?それとも...俺は創作魔法の遠見を使い探ってみた。飛んでるのは飛竜だろう。しかし、人の様な者が乗っている。ナヴィの部屋に行こうとドアの前まで行くとナヴィの方から俺の部屋に来た。俺は見たものをナヴィに話した。
『多分統一した創造主が偵察させているのでしょう。新しい創造主が繋がったかどうかを。あちらには情報がいかないので..。』
「だろうな。見付けたら即座に潰す為に。ところで、その創造主は何て言う名前だ?」
『創造主の名前は成宮頼、大陸の名はコンクエストです。』
「日本人なのか。コンクエスト..征服。攻撃的な人物とは解っていたが大陸名まで攻撃的だな..。」
見付からないのが理想だが..しかし結界に触れればバレてしまう。見付かってしまった場合、殺しても逃がしても不味い。偵察隊が帰らなければ不審に思われるし、逃がせば報告される。万が一の時は捕まえて暗示をかけるしかない。その事を臣下、兵士、禅に伝えた。
少しすると念の為の捕縛用意が完了したと報告が来た。俺達は固唾を飲んで見守っていた。此方に来ないようにと・・・
その時、無情にも聞き覚えの有る警報が鳴り響いた。
ブゥーブゥーブゥー
創造主の誰かが赤いボタンをこの最悪のタイミングで押したのだった。
「何で今鳴るんだよ。ナヴィ、新しい創造主は何処に現れるんだ?教えろ!」
俺は慌てて聞いた。ナヴィは
『解りません!ですが此処からそんなに離れてはいないと思われます!』
「先手を打つしかないな。だが用意しておいた方法じゃ駄目だ。飛べて捕縛スキル持つ者を数人集めろ。後、ガランに乗って俺も行く!」
ここからは時間との勝負だ。俺はガランに乗り、捕縛スキル持ちが集まったところで、幻影結界を張り隠密を掛けた。
「いいか、この結界から出ないようにして、そのまま偵察隊に近づくぞ。捕縛可能域になったら一斉に捕縛しろ。同時に暗示を掛けて追い払う。」
全員が頷くのを確認し出発した。俺達は猛スピードで偵察隊に近づく。間に合ってくれ...と、俺は祈りながら前を見据えた。もうすぐ捕縛可能域だと思った瞬間、右斜め前方に新しい大陸が現れた。偵察隊はそれに気付き確認する為に軌道を変えた。
..不味い、スピードを上げろ..
全員に念思を送る。偵察隊が大陸を確認し、報告をしに踵を返した時..俺達は捕縛可能域に到達した。
..捕縛!..
合図と共に捕縛を開始した。と、同時に俺は暗示を掛ける。
ー此処には新しい大陸は1つも無かった!何時もの仕事に戻り、仕事を終えたら異常無しの報告をしろ!ー
飛竜に乗っていた兵士達は..異常無し..仕事に戻る..とブツブツ言いながら去って行った。彼等のステータスを一応解析したがどうやら下級兵士の様で監視スキル1つしか無かった。念思報告はされずに済んだようだ。偵察隊は追い払えたが新たな問題が出来てしまった。
新しい創造主はどんな奴だろうか。此方に被害が及ばない様にする為、助けてしまったが...。
一旦、自分の大陸に戻り暗示を掛けて追い払った事を報告した。皆はそれを聞いて少しホッとしたようだった。しかし新たに持ち上がった問題を解決しなければならない。新しい大陸の創造主が現れてしまったのだから。その為に臣下と禅達にも召集をかけた。話し合いの結果、俺と禅、シンリと緋色、ダリダンと禅の街の代表の翡翠と言う龍人族の女性が話し合いに行く事になった。
俺と禅は風牙に、ダリダンは飛竜に乗り、他は飛べるので自力で向かう。念の為幻影結界も忘れず張った。
吉と出るか凶と出るか..願わくば平和主義者であって欲しい。俺達は平和に暮らしたいだけなのだから。
新しい大陸に近付くと其処には意外にも、のどかな風景が広がっていたのだった。もしかしたら此処の創造主は、穏やかな性格の持ち主かもしれない。俺は少しだが期待が持てた気がした。
さて、創造主に会いに行こうか。そして俺達は新しい大陸に降り立った。




