第2章【世界が動き出す】~第24話 警告音の原因と禅の街~
禅はちょっとおバカでマイペースなゲームオタクだ。それは突然、大と同じ状況になっても変わらなかった。禅が大の部屋から真っ白な世界に転移させられた時、禅は、
「あれ?真っ白な所には来ちゃった?何で真っ白なのか解んないけど、これってラノベでよく聞く転移ですかね?そうだといいなぁ。」
と、心配もせず、逆にワクワクしていたのだ。大と同様の説明を受け、異世界を造ると解った後は、嬉々として毎日造り続けた。
なので実際のところ、禅は大より楽しんでいたし、異世界造りを満喫していたのだ。
そんな禅が特に熱心に取り組んでいたのが創作魔法造りと街造りなのだが、その禅の造った街が今回の警報の原因である。ナビですら原因が解らなかった訳は、禅の造った街が過去に造られたことが無かったからだ。禅は街自体をシェルターにしようと、地底街を造ったのだ。地下ダンジョンなどより、遥かに広い面積を使用している為、自動解除前の大陸では維持出来なかったのが原因だった。
同盟契約が無事終わり、大は改めて禅の大陸を見渡した。あれ?城しかないけど街は?と疑問に思い禅に聞いた。
「あ、街は地中だよん。地中なら見付けられなくて敵が戸惑うかと思ってさぁ!それに他の事に地上使えるじゃん?」
「成る程。俺も地下の有効活用するかな。あ、禅の街が地底街なら俺の大陸と地下通路で繋げるか?」
「それいいねぇ!移動中攻撃されないし!」
「じゃ、俺の大陸の方は城下町を出入口しよう。禅はどの街を出入口にするんだ?」
「街は1つしかないよ?この大陸の下全部がデカイ1つの街だ!」
「はぁ?」
俺は禅の大胆過ぎる街造りに少し呆れた。禅の事だから街自体はボンと1つ造り、きっと中は細部まで拘ったに違いない。禅は見た目より質や機能性だけに拘るタイプなのだ。俺は何時も両方拘ってくれと言ってるのだが。
一応、出入口は沢山有る(見当たらないが)ので、地上に出るのに不便は無いらしい。取り敢えず、俺の大陸が有る方向の地底街角に入口を造る事にした。
「じゃ早速、地底街に案内しよう」
禅がそう言って城とは逆、つまり俺の大陸の方に向かった。禅の大陸ギリギリまで来た時禅が地面に向かって言った。
「開」
と言うと地面に入口が現れ開いた。俺が不思議な顔をしてると禅が、
「大達には見えないだろうけど出入口は発光してるんだよ。この出入口の光は大陸に登録した者しか見えないんだ。」
「へぇ...俺も登録してくれ、見てみたい。」
禅は、いいよと言いながら俺の額に手を当て
「大神大、登録決定!」
と言った。すると色とりどりの発光が沢山見えた。禅が地区毎に色分けして有ると教えてくれた。俺達の目の前の光は赤い光だった。入ると其処には、人型のライオンが居た。何故ライオンと解るかと言うと顔がライオンだからだ。ライオンが服着て二足歩してると言えば解りやすいだろうか。
俺の住人は基本、顔も体も人と同じで耳や尻尾、羽や翼等、一部違うだけなので少しビックリした。
「天神様、こんにちは。そちらは何方ですか?」
と、ライオンは声を掛けてきた。禅が、
「友人の創造主、大神大だよ。さっき同盟を結んだから仲良くね!」
俺は笑いを堪えた。禅の名字だと俺と同じく、神様みたいだからだ。ライオンは解りましたとお辞儀をして去って行った。
「大、此処に出入口造ろう。」
「了解!」
禅が造った出入口から自分の大陸の城下町入口手前に向かって幅5mの頑丈な通路を2人で創造し、結界は俺が張った。
「禅、俺の大陸への出入口坂でもいいか?それとも瞬間移動するようにするか?」
「勿論、瞬間移動でしょ?」
「OK」
俺はやっぱり?と笑いながら禅の希望通り、出入は床のサークルに入ると地上に、地上のサークルから通路に瞬間移動するように創造した。
「出来たよ。俺の城下町の入口には検問所が有るから、此方に来る時は身分証明書を発行してやって。」
「じゃ僕の方にも検問所造っとくよ。大も証明書よろしくな。」
お互い住人に同盟を結んだんだ事と通路を造った事を報告する為に、詳しい事は明日俺の城でと言って一旦別れたのだった。
城に帰るとガランが駆け寄って来たので、俺は住人は大丈夫か確認した。
「住人は大丈夫です。禅様の方は大丈夫でしたか?」
「あぁ、まだ見付かって無かったから幻影結界と隠密掛けさせたよ。住人が安定してるようなら念思報告頼みたいんだが。」
「はい、どんな内容で送信しますか?」
俺は禅との同盟、城下町の入口に禅の大陸への出入口が出来た事、お互いの大陸に入るには身分証明書が必要で、身分証明書は城の入口の公共の建物、今は街役所と呼んでる所で発行して貰えるようにする事を伝えさせた。
俺は設置した地上部分のサークルの所に行き、屋根と囲いの有る出入口を造った。それは、地下鉄の出入口に門を付けた感じだ。その隣に案内所を造り検問所へ誘導する者を配属した。出入口の門は明日から朝6時から夜0時まで開門するように指示を出し、取り敢えず準備を完了した。
臣下を会議室に集め臣下用の身分証明書を渡した。俺が、
「何か質問とか有るか?」
と、聞くとナヴィが、
『質問では有りませんが、報告が有ります。ボタンを押して此方に繋がった事でモンスターからお金とアイテムがドロップするようになりました。』
「じゃ、山にボスモンスター設置して、ギルド造った方がいいか?」
『そうした方が良いと思われます。』
すると月真と月華がギルド管理者として名乗りを上げた。
「じゃ、城下町にギルド本部、それぞれの街に支部置いて管理して。でも、討伐アイテムだけじゃ無く、どんな小さな仕事もクエストとして受けてあげてね。」
と、頼んだ。
こうして、一時はどうなるかと思ったが、混乱も無く1日目は終わったのだった。




