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霊魂が眠る山
その戦場と、戦いの目的を、今さら誰が訊きたがるだろうか。
突撃の喚声。機関銃のけたたましい筒音。山肌に着弾する榴弾砲の砲弾。
そのなかを兵士たちは、軍港を見渡すことができる山頂を目指して突撃して行く。ある兵士の目の前で、何人もの男たちが沈んでいった。そして彼も、いつまで走り続ける事が出来るであろうか。
倒れた人の数など関係ない、何を成したかが重要な事だと誰かが言っていた。だが、その意見に異を唱える兵士もいた。その数だけの人生があり、故郷があり、家族があり、物語があったはずだと彼は涙する。
その数すら、上の連中は指折り数えてはいないのだと憤っていたあの兵士は、たったいま、味方による砲弾で砕け散った。
すべては、仕方のないこと。それでも。
たとえ山が彼らの血に染まって降り注ぐ砲弾で形を変えようと、一兵卒たちは死を恐れぬ振りをして勇敢に山頂を目指して行く。
この兵士が山頂を仰ぎ見たそのとき、彼の額に弾丸が走る。彼もまた、多くの者と同じように泥の上に沈んでいくのだった。




