ロストファビュラス主要国議事堂 会議室1 秩序と改革
「振り返りますが 去年の某日
ファミリアフォードットの領界内に潜伏していた革命軍
その革命軍に加担した一つの海賊団
そして…… 密かに集っていた反乱軍等の同盟による強襲により
本格的な対立が始まって僅か数日で勝敗が決しました
首謀者は〝ラウル・ウォード〟
〝マッド・チェイサー〟
〝ゼル・マールス・ハルモニア〟
〝ルーク・トゥルクマーム〟
ラウル含み 彼が率いていた革命軍の部下七名全員死亡
WCT車掌もとい元アレス王国国王のゼルも死亡が確認され
〝黒旗〟の異名を持つマッド海賊団は挙って行方不明
反乱軍は死亡したルークを慕っていた幹部達が中心となり
今も尚〝絶対的ファミリア概念推進社会体制の解体〟と〝近代的市民社会〟を訴え
境界をも越えて支持を集めているとの情報が入っています」
「運動…… ってやつか」
「えぇ…… 最近の情報から
彼らはあくまで革命を主張しているテロリストと意識しているようです
今回の事件も〝ヴァンデラードの反乱〟だと叫んでいます」
「歴史に刻めとでも言いてぇのか?
大国一つ落として大したもんだと関心してるっつのにリーダー失ったらこの様かよ」
天井を見ながらあからさまに会議に参加する意思を見せていないオーガに
隣のエリツィンは試しに質問をしてみる
「ほぅ…… では貴方が彼らの立場なら大国を落とした後どうしますか?」
「知らねぇなぁ…… 俺は創設する側の人間だからよ
とりま先を考ねぇで破壊しますって連中に同情はねぇし
どんな理由であれ好きになれねぇなぁってだけだ」
ーーいやアンタがそれを言うのか!!!?
「主題に戻るが〝絶対的ファミリア概念推進社会体制の解体〟とはやはり〝奴隷制度〟の事だな?」
「はいグラン王……」
「奴等の叫びは世界に向けて…… ということか」
「何も黙認してきた訳ではないんですがねぇ
正当の意を示唆していたのはルシファード教会だけですが」
「いや艶王よ…… 我々は黙認してきた 形は違えど同じことをどの大国もやって来ておる」
「…………」
「ライゴク王国はギルド試験と称して低コストで傭兵を募らせ
漢の国は元モルゴン帝国を植民地化 支配力を明確にした
マスクーヴァは労働人形派遣会社
私の国も…… 貧富格差に改善が追いつかず結果で言えば目を瞑り
一定の害悪なイデオロギーが育つばかりだ」
現状を並べるグランだが
反論の声は息を吸うように飛び交う
その中でも最初に口を開いたのはフラメルだった
「ですがモルゴン帝国は独裁政権で〝文明消失〟を進める大罪国と我々は認識していました
あれが七大国の一角を担っていたかと思うと背筋が凍りますね
聞けばスレイシャガル以前のアスラーマ時代では甚大なる被害が出てましたよね
そこに現れたのが艶陛下のご先祖方…… 何処から現れたのかは情報に無いんですがね……」
物を知りたがるフラメルの視線に艶は真っ直ぐと見つめ返す
「否定はしない
ライゴクもマスク-ヴァも私の国も
発展による過程で準備されていた技術と文化に沿ってやったことだ
しかしいつの歴史にも反発する者は必ず現れると言っておきたい」
「あの~~ 各々の文化の自慢話はそれくらいにして本題に戻りませんかね」
横槍を入れるパリスに全員が嫌悪な眼差しで注目する
パリス「いや怖いな~~ また腹を下すじゃないですか~~」
オーガ「丁度良い お前の意見を言ってみろよ若造」
パリス「それは教育の類と捉えますよオーガ王 というか私に発言権があるんですねぇ!」
グラン「如何にも何か話したい態度だからな…… 言っていいぞパリス王」
パリス「いやぁこれは大国のメンツに関わる重要な場面ですね! 頑張ります!」
ーーお前は自分の印象を気にしていたのか……
パリス「ではまずあの無法地帯を誰が治めるか……
領界にするかって話はもう皆さん察してますよね?
しかし反乱軍残党の真っ当であり些か鼻につく行いをどうするか…… そこで話は中断していました
ですよね? 進行役さん?」
デベロップ「えぇ…… これから討議し合って頂きたいのは
〝ニューファミリア〟をどう治めていくかです」
エリツィン「そのニューファミリアって名前は後で変えてもいいのか?」
デベロップ「結構ですエリツィン大統領
仮でグラン王とオーガ国王が呼んでいるだけですから
それではパリスさん 意見をどうぞ」
パリス「う~~ん というよりも結論前に事前に言っておきたいのですが
貧困大国の私や一番距離のある漢の国の艶陛下は不利ですよね?」
エリツィン「……そうだな」
彼は何食わぬ顔で一蹴する言葉を発する
パリス「艶陛下は領界の取得権利についてどう思っていますか?」
艶「中々良いところを突くではないかパリス王
お察しの通り土地は漢の国から遙か遠くにある
私や官僚の者がそうそう足を運ぶことも簡単ではないからな
転送魔法も容易く使える代物では無い
環境破壊で問題になっている魔蛍琥珀の使用も節約を心掛けている」
パリス「ですよね…… 私の国の場合 乾いている問題は土地というよも人にありますからねぇ
だとすれば他の四大国に絞られるという感じになるのですが……」
フラメル「勢力が桁外れになり 他の大国より圧倒的に有利になる」
パリス「その通りなんです代理人さん」
フラメル「そもそも反乱軍への対応はどうするつもりだ?
こちらが勝手に決めて勝手に国を立ち上げても彼らは従うのか?」
デベロップ「それに関しては問題はありません」
とある条約が書かれた用紙をフラメルに見せる
デベロップ「世界共通の条約で
〝もし自身が暮らす大国が復興不可能まで陥った場合、他六大国の指示を準ずること〟
という法律があります
言わずとも既に無法地帯より他領界への避難を望む者
また新政権の誕生を一早く望む集団も既にいるのです」
グランやエリツィンはお茶を啜ったり オーガは腕を組んで相変わらず天井を見ていた
エリツィン「反乱軍も強ち領界を支配したいと思っているだろうな」
パリス「そうですね…… 彼等の代表をこの場に呼ぶべきか否か……」
エリツィンの発言にパリスは同意し 反乱軍への対応に頭を悩ませる
パリス「いっその事 反乱軍の意見を聞きたいなら転送魔法で呼んでみてはどうですか?」




