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火女桜本部2 変わる実態


火女桜の創設者マーロウの日記を読み終えた趙炎と妖雷は地下室を出る

まるで一人の人生の全てを見たかのような マーロウの価値観に囚われていた

趙炎は当初の目的を果たさなければならないので 一応本部内の調査と妖雷に質問などを行った


「見ての通り内部抗争に関しては表立ってはいねぇ」


「そのようですね…… 多少の緊迫感を覚悟して来たのですが……」


客間に入り 趙炎を手前の椅子に座らせ

粗茶二人分を両手に反対側の椅子に妖雷が座る


「内部抗争について 聞いてもいいですね?」


お茶を一口飲んだ妖雷は重苦しい雰囲気を漂わせながら入れ物をテーブルに置く


「内部抗争とそしてあとは日の国との関係だったな……

取っておきの秘密はさっきのが全てだ」


「はい」


「俺のオヤジ…… つまり会長がここ最近になって行方不明なんだ」


妖龍フォーロウさんが!?」


「何も残さねぇで組織内は混乱 俺が代行を務め妖刹となんとか表向きは沈静出来たんだが

これを機に組を乗っ取ろうとしてる輩がいると情報があった」


「なんでそんなことに……」


「そりゃぁ裏社会だからな…… 別に内部に敵が出て来ようと腹は括ってはきたがが

問題は半年も所在不明の会長に対して不満を持っている人数の方が多いってことだ

噂じゃぁ日の国に滞在しているなんて噂も聞く始末……」


「日の国……」


「そこからだな多分

うちと日の国が繋がっているという有りもしないデマが国中に流出したのは……

流したのは多分不満を抱える側のうちの組員

当然無駄にリスクを負ってテメェの尻拭いをさせられるこっちとしては迷惑以外のなんでもねぇ」


思わず妖雷は懐から葉巻を取り出し 急ぐ素振りで火を付ける


「大丈夫ですか?」


「てめぇに心配されるほど落ちぶれちゃいねぇよ!!

……んで? お前はこのデマを誰から聞いた?」


「……陛下です 息子の第一皇子である司馬軌様が

日の国の領地を漢の国の一部にさせるという行動が密告されていると報告を受けました」


「フッ…… 包み隠さず言うようになったな それはまず無い あるとしても俺は知らねぇ話だ」


「俺は?」


「のし上がろうとしている奴等がしたとありゃ噂通り日の国の連中が突撃してくるかもな」


妖雷の発言に趙炎は思わず席を立った


「他人事のように話さないで下さい!! 司馬軌の命が掛かってるんです!!」


「座れ…… あまり大声出すな」


鋭い目付きで威嚇してくる妖雷に趙炎は少し引けを取り正直に座る


「大事な奴なのか? その司馬軌殿は」


「……幼馴染です」


「そうか……」


吸殻を灰皿に捨て 妖雷は少し目を瞑って考え始めた


「妖雷さん?」


「んん…… まずは分からねぇことだらけだ 一先ずお前は首都に戻って報告してこい」


「報告って…… 何を話せばいいのやら……」


「取り敢えず賢聖絶のことは黙っておけ これは俺の勘だがな」


「……? そもそも今回の俺の目的と賢聖絶にどんな関係があったんですか?」


「マーロウの親父はとある孤島に封印されたって書かれてたよな あの場所は今の日の国だ」


「本当ですか?」


「大国内の島々はほとんど調べた 生憎この領界内に賢族はいない

近場で言えばライゴク王国と漢の国の境界線上の海に炎豪の民ファバルロス族がいるが方角が違う

北北西のマスクーヴァ連邦にもルース族がいるが

あそこは伝説や日記にあった楽園と考えていいだろう」


「だから日の国に賢族がいると?」


「ニ三度あそこには行った事はあるがそれらしき一族は分からなかった

何せあそこの人間は異邦人に対して過激に毛嫌いしているからな……

俺が思うにこれから日の国関連に関わるのなら

マーロウの日記やメフィアファウストの伝説は絶対に関わってくると踏んでいる」


「あくまで仮説ってことですね」


「無難なのは〝怪しい個所は見当たりませんでした〟 この一手だな

現状何も分からねぇ上に 何かの拍子であちらさんも関わられてこられたら面倒だ」


「分かりました…… その手筈でいってみましょう」


趙炎は椅子から立ち上がって一礼し客室から出ようとした

そのとき後ろから強烈な張り手を食らう


「物分かり良いなぁ趙炎!!」


「痛いですって…… 約束したんですから 手を組むと」


「……そうか」


船着き場まで妖雷は見送り 趙炎は乗船前に最後の挨拶をする


「今日はありがとうございました」


「昔と変わらねぇ律儀な奴だな…… 俺らみたいな奴にそんなこと言う奴はいねぇぞ?」


「そうなんですか?」


「……まぁいいさぁ 俺のことも好きに呼べ!」


会話が終わったと思いきや妖雷は周りに聞こえないように小声で趙炎に呟いた


「気を付けろよ」


「え?」


「事前に言っておくがお前は今日で普通では聞けねぇ事を知った この意味を忘れるな」


「え…… はい……」


何処からともなく負担が身体にのし掛かる

洛華に向かう船を妖雷は見送り その姿を見つめる趙炎は

今までに無い不安が心に孕み始めていた


ーー何が起ころうとしているんだ?


全てを整理させても答えが出る筈もなく ただ今は司馬艶への報告だけを考えるようにしていた



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