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大国漢の国 首都洛華1 帰還


ユレイシア海の東部に位置する 七大国【漢の国】

その国の特徴は圧倒的人口の数で成り立つ兵力と軍事力を主張した武力国家

古くから剣術・武術・軍学の種類は多く また他領界とは異なる文字を有する噂を聞く

七大国が結成されてからは他に合わせてあまり使わなくなったとか


領界内の頂点に君臨するは 首都洛華に構える晋の司馬しば政権

今の政権が生まれる大交易時代が訪れる前の時代

この海域を中心として大きく三つに分けた国があった


兵力少なくも天険の地を利に活かして醜女が造りし奇術な兵器で敵を撃ったと伝説になった

燭季漢しょくきかんの国】


凶悪な軍事力を持ちながらも孤独な放旅者と言われた人物を討ち取る歴史を刻み

さらに軍師・政治家に長けた武将を配下に仕えさせていた

曹巍そうぎの国】


豪族同士が連立して国を治め 対外への戦争に於いては団結した交戦策が積極的に取れなかった

しかし集団的に生まれる考案が上記二国の進攻をも少なからず防いでいるのも事実

まさに頭脳戦による守戦策

連立と言えど国・王朝を建てたのはそんの家系

以後の国の繁栄もほぼ全て孫が中心に立って行われていた

孫娯そんごの国】


この三国が中心となり 他の国は既に傘下国となっている

しかしあくまで前王朝時代の話 七大国の結成間際にそれは起きた

当時の曹巍の国の皇帝であった者の名は曹猛徳そうもうとく

彼が最も信頼と期待を寄せていた人物 その本人含めた一族が国に襲撃したのだった

その者の名は司馬忠達しばちゅうたつ

彼は他の大国と手を組み 三国を次々に制圧することに成功

しかし当の本人は海域を支配することなくこの世を去ってしまった

死因は不明 参謀として 国士として 常に考える彼の寿命を縮める要因は多々あった

その後のことは息子が継ぎ 問題無く七大国の一角として生まれた漢の国

王朝晋の時代が幕を開け 現在はその息子の息子

つまり忠達の孫に位置する司馬艶が皇帝に君臨している


晋の配下になった巍の元皇帝猛徳は生前によく周りに話していたことがある


〝 司馬忠達は誰かに仕えるような男ではない 〟


それを否認していたかのように忠達は遺書で密かに子孫へのメッセージを残していた


〝 私は誰も殺さない 主君を殺そうともしない

私達司馬の一族がやってきたのは巍への忠誠からなる行動のみ

だが主君への考えには疑問を持っていた それは三国が争い続けていて良いものなのか

外国と呼ぶ存在をもっと広げるべきではないか?

それを大前提とするならば 今こうして殺し合うのは非常に最悪の事態だと考えるべきだ

しかし三国を統一させるのは人間には出来ない だから私は悪魔に頼った

支配を好まない私にはそれが許せなかった

だからやるだけやって勝手に死ぬ私を許してほしい

これからを創っていくのはお前達だ 〟


そのメッセージの意味を子孫達は二行下からしか理解することができなかった

実際に三国それぞれの皇帝は処刑された だがそれ故に言い訳をする理由が解らなかった

残された子孫はそこに疑う意味が無いほどまでの支配する側の一族

彼等は一度読んだ遺書を二度と読むことは無かった 一人を除いて




首都洛華がある大きな島 そこはかつて曹巍の国があった場所だ

海から見えるその城は大きくも辺りの山に隠れるようになっており何とも存在感がある

その手前には城市じょうしが栄え 晋に仕える武将や兵士が乗る軍船が停泊する港もある


「着いたな………」


丁度数隻の軍船がその港に停まった 次々と兵が積み荷を降ろす作業に入る

そんな中で堂々と歩く二人の兵士

いやこの大国で武将と呼ばれる二人が目の前に待つ大国の関係者達に近寄り足を止めた


「よくぞ帰還した 賊は一掃出来たのか? 関尾」


「任務は遂行できました 何も心配はございません桔梗殿」


この国の第一皇女司馬桔梗しばききょうと燭の将関尾かんおが話をしている傍で

桔梗の後ろにいたもう一人の皇女が関尾の後ろにいるもう一人の将に近寄る


「無事に帰ってきてくれて安心しました 趙炎」


「勿体無いお言葉です…… 孤橋殿」


彼女に忠義を示すこの男の名は趙子炎(ちょうしえん)

そして趙炎が敬意を表す彼女の名は司馬孤橋(しばこきょう)


「して…… 趙炎」


話を終えた桔梗は趙炎に話し掛ける


「何でしょう?」


「関尾と貴方にお呼びが掛かっています」


「どなたから?」


「皇帝陛下です」


「陛下が?!!」


二人はすぐに栄える街中を過ぎて城へと向かった

門を潜れば広場に出る

その奥に目立つ幅広い城の前には一際目立つ男が立っていて

趙炎と関尾は近くに来るなり 片膝を地面に着いて座り敬意を表す


「此度の案件 良くやってくれた

ライゴク王国の近隣国にて不埒な賊達の捕獲を二人の将軍だけで心配していたが……

私の取り越し苦労だったな」


「そのようなことは…… 身に余る光栄 陛下からのお気遣い有り難く頂戴します」


「うむ…… そして趙炎 其方もその若さで見事に任を真っ当した

褒美は後で使いに送らせる 二人共大義であった!!」


「「 はっ!! 」」


関尾と趙炎がその場から下がろうとした時 皇帝陛下である艶は趙炎を呼び止めた


「君にはもう一つ伝えた事がある 付いて来なさい」


「は…… はい!」


趙炎は不意に関尾を見る

関尾は笑みを浮かべながら〝早く行け〟と顔で合図を送った



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