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ガルバーク帝国1 受付


蒸気機関WCTは次に辿り着く島ガルバーク帝国を目前に列車は走る

見渡さす限り埋め尽くされた建物の数々

まるで島が建物で覆われるくらいの大都市が築き上げられていた


その中でも特に目立つ二つの建造物

一つはこの帝国を治める者が住む【ガルバーク宮殿】

そしてもう一つは 地の秘宝グランド・コレクション 〝海甘砂漠〟(マリンデザート)

海のように辺り一帯の砂が一体化し 風が吹けば波のような現象が起きる

その砂漠を囲むようにして造られた一つの闘技場 それがガルバーク帝国名物【ディアス闘技場】

対面に座る観客席が見えるか見えないかの広さを誇り

普段は闘技場の4分の1の面積だけで試合が行われているが


今回のイベントは格が違うだけに 闘技場全体が解放される


「いよいよ着いた……」


駅に列車が停車し 揺れと共に少年が風呂場から出てきた


「ここで何があるの?」


既に風呂から上がって髪をかしているメモルが聞く


「世界中から集まる猛者達が参加する……

今回がまたと無い腕試しには持って来いの機会なんだ!!」


「ふ~ん…… じゃあ私は待ってるね」


「別にいいけど…… ここで別れることになるぞメモル」


「え?」


少年の言葉にメモルは反応した


「この駅では今日中に出てしまうからな 俺の出たい大会は明日だから……」


その言葉にメモルは即座に荷物をまとめ始めた


「私も行く!! 行ってラウルを応援するから!!」


「じゃあ行こうぜメモル!!」


意気込むラウルは背中と腰に二本の剣を差し メモルに手を差し伸べた


『ご乗車ありがとうございます

当列車は闘技場で有名なガルバーク帝国 ガルバーク帝国でございます

ここで降りられる方はお忘れ物の無いように』


たくさんの乗客と共に ラウル達は張り切って列車を降りた


「さぁてと…… まずは受付か」


「ラウル君」


闘技場へ向かうラウルにゼッペルが話しかけてきた


「君もあの大会に出るのかい?」


「そうだけど?」


その言葉を聞き ゼッペルは不安そうな顔を見せる


「ちなみにゴルクレットも出るんで存じ上げといて下さい」


「え? 乗組員も出るんですか!? 仕事は?」


「イベントがありますので サービスとして三日間この島に停車する予定です」


ゼッペルの話を聞いて ラウルはメモルの方を向く


「大会終わるまで動かないんだって 列車で待ってるか?」


メモルはいきなりラウルの髪を引っ張った


「痛でで!」


「私は応援するって決めたの!

受付も一緒に行く!! ラウルぅ!! がんばれ~~!!」


メモルは周りを気にせず 腕を回しながら闘技場へ走って行ってしまった


ーー元気だなぁ……

大人しいメモルに戻って欲しい時がたまに出る今日この頃


二人が闘技場へ向かう姿を ゼッペルは心配そうな面持ちで見送った




ディアス闘技場 受付場

明日のイベントに向けて各国の猛者達が殺気を帯びていた


「すごい人だね~」


「受付終わっても居座ってるってことは 敵情視察かなんかだろうな……

てかお前別に闘技場の中まで来る必要無くね?」


「いいでしょ別に!!」


メモルは頬をプクッと膨らませ赤く染まらせる


「色々しなきゃいけないから外で待ってろよ……」


「い~~や~~だ!!!!」


駄々をこねるメモルにラウルは頭を抱えていた

そんなラウルに一人の男が近づいてきた


「おめぇじゃ優勝は出来ねぇよ ヘハハ!」


「はい?」


ラウルに話し掛けてきた男は 背が高くオールバックでサングラス

何よりも両腕が鋼で造られた義手になっている


「魔蛍もコントロール出来てねぇ裸野郎は一発KOだって言ってんだよ 坊っちゃん」


魔蛍ラル……?」


ラウルが知らない男と話していると 別の方向からまた違う男がやってきた


「まさか〝魔蛍操作(まけいそうさ)〟も知らない奴がいるとはな……」


男は鼻でフンっと笑い ラウルの目の前まで歩いてきた


「おいおい…… マジかよ……」


急にラウルの周囲にいる参加者達が二人の男に目を向けた


「最近噂になってる帝国に仇なす国のダニと呼ばれる男……

裏町のゴロツキをまとめる悪のカリスマ ボルマー!?」


「こっちも最近名を揚げた賞金稼ぎだ……!!

あの若さで幾つもの賊という賊を狩り歩く 〝鬼人ヒズチ〟!?」


ーー名を揚げただと……?


「おぅおぅ 偉く評判が良いみたいだな!」


ボルマーが上からヒズチを見下ろしながら言うと


「偉く上から目線だな…… 殺されてぇのかチンピラぁ??」


「「 …… 」」


互いに話すのを止め その場に数秒の緊張が走る

そしてあっという間の出来事だった


目で見えるか見えないかの速さで

ボルマーの拳とヒズチの肘鉄が衝突した


「ほう…… この鋼の腕を素手で受け止めるとはな」


「魔蛍も使わねぇただの拳なら避ける価値もねぇよ……」


二人は距離を取る為にその場を離れた


ーーラルって何なんだよ……


両者の喧嘩をただジッと見ているラウルは

喧嘩よりも魔蛍(ラル)のことをずっと考えている


「本気でやるわけねぇだろ…… 本番までの腕試しさ ヘハハハ!!」


ボルマーの笑いにイラつきを覚えたヒズチは次の攻撃を仕掛けようとすると


「その辺にしとけよ ヒズチ」


背後から何者かがヒズチの肩を掴む と同時に周りの参加者達がまたもやざわつく



「おぉ……! またもや世間に名を轟かす若き海賊団船長マッド・チェイサー!? 

賞金稼ぎと仲が良いとかどんな接点だ……?」



「お前も大会が目当てか?」


「もちろん! あの景品を見せられちゃぁ海賊は黙ってないよ

そしてこんなとこで暴れてるお前は目立ち過ぎ! 力量測られたらどうすんの?」


マッドの言葉にヒズチは素直に従い 構えを解く


「情報は武器…… 今回に限ってはそれを強制せざるを得ない……」


そして彼は辺りを見渡し


「明日の大会は危険だ ちょっと視線を変えても大物が殺気を帯びている 

まるで国同士の争奪戦だねこりゃぁ……」


「何か裏で起きてるのか?」


「分からない…… だがそれほどの景品なのだろう」



「そういえば景品って何なんだ?」



隣から割り込んできたボルマーがマッドに訪ねた


「何だ……? お宅は景品狙いじゃないの?」


マッドは呆れた顔でボルマーの義手に興味を示している

その頃ラウルは三人とは違う方向にいる一人の人物を見ていた



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