最悪の記事
七大国とは
周辺の国を差し置いて最も発展を遂げた七つの大国を言う
元々固まった大陸がその海には存在せ ず面積があっても島だらけ
島に住む住人がそこに一つの国を成り立たせるという必然的な行為が
何百年にも渡って戦争を生んできた その所為か各国の船の技術の発展は目まぐるしく
どの国にも船の構造を利用した兵器が存在し 造船関連のお役人は大抵金に困らない
何故こんなにも大地が離れ離れになってしまったのか 考えるのは今度にしよう
周辺にある国々一帯の海を【ユレイシア海】と呼ばれた
その海域を七つの境界線で分けられ
七つある内の一つの領土・領海・領空をまとめて〝領界〟と呼ぶ
一つの領界に一つの大国が支配する
たった七という数字で小国群の政治や経済が上手くいくのか
行く筈はない どうしようともそれは仕方ないことである
しかし〝生活を送る為の戦争〟を当たり前としていた時代よりは血を流す量が減り始め
それほどまでに七大国一つ一つの文化と兵器は強かった
前置きはこの辺で本題に入ろう
本来領界から領界へと境界線を通り抜けるには
それなりの理由で大国の許可が降りなければならない
しかしユレイシア海域を自由に行き来出来る組織がいた
記事を載せた新聞を各国の人間に届ける七大国公認情報提供団体
≪ポートマリンク・カームデリバリー≫
配達は海の上を歩く別名シーウルフと呼ばれた〝カイ戌〟
シーウルフは約何万匹とその団体に飼われ
シフト制で各国に一匹と派遣されるシステムである
故に一つの島にたった一匹の持って来る情報は貴重
国もシーウルフには手を出せない いや危害を加える方がおかしい
そんな常識を持たされるほど常に外界からの情報が来ない国が多いのだ
ついでに言うとシーウルフは物覚えが良く
一度覚えた島を遠くても一つだけであれば二度と忘れることなく辿り着ける能力を持つ
ここからが本題だ
そのシーウルフが各国に持ってきた新聞
肝心の記事にはユレイシア中が震撼した内容が書かれていた
〝 七大国の一角 奴隷貿易国ファミリアフォードットの首都グレイツブリトン壊滅
同時にルシファード教会との連絡も途絶え バイヤー共にクライアント大混乱
首謀者
ファミリアフォードット領界内部の反乱軍リーダー
ルーク・トゥルクマーム(死亡)
元アレス王国国王 現WCT車掌
ゼル・マールス・ハルモニア(死亡)
マッド海賊団船長
マッド・チェイサー(行方不明)
反政府組織革命軍〝放旅者〟NO.4
ラウル・ウォード(死亡)
七大国側はこの大事件を会議まで一時的に保留と発表
領界内は今もなお無法地帯となっている
世間はこの事件を〝奴隷解放〟と称した 〟
世界ではこの話題で持ちきりだが
領界内の住人とその近辺の境界線近くに住む他領界の者達以外
特に不安や心配を感じず いつものように平穏な暮らしを続けるのだった
だが平和に暮らしてる場合では無い
今回の事件 そして五年前のガルバーク事件をきっかけに
善と悪の存在どちらも不可思議な行動が見れる
世界は急激に何かに向けて動こうとしている
まるで大きな何かに引き寄せられるかのように
もしかしたら善悪以前に人類では無い その何かかもしれない
その何かが脅威になるのか
人類同士が争っている場合ではないのか それはまだ分からない仮説である
世界は応える
領界ライゴク王国 首都オグノリア
「ヌバババ!! まさかこんな無様になるとはな」
「カッカッカ!!! そういえばお前の故郷だったなガタルゴ」
領界漢の国 首都 王朝晋の洛華
「司馬艶殿…… ライゴク王国への分配はどうなさるおつもりで?」
「黙れ劉徳よ!! 今は領界内での問題でそれどころではない
他の国の話は全て会議で聞くとする」
領界スレイシャガル国 首都エレフネシア
「毎度適当に終わらす七大国協定会議も今回は荒れるな
特にあの無法地帯を誰が治めるか いや手に入れるかか
ところでヴァースはまだ戻って来ないのかスカイラ?」
「えぇそれがグラン王…… 暇を貰ってからもう半年以上行方を知りません」
「まぁ…… いつも熱心なあいつの事じゃ たまにはゆっくりさせておこう」
領界マスクーヴァ連邦 ガルバーク帝国 宮殿内
「…………」
「落ち着きが無いのうモルガナ 王族の末裔として情けないぞ」
「だってこの人…… 私達の国を救ってくれた人だよケルト!
ラウルもそうだけどそれに……」
「……ラウルもサベルも心配せずとも無事だ アイツらはアイツらで頑丈だからな」
「うん…… 大丈夫だよね…… おじさん……」
同じ領界内 党国バロシアン
「来年の七大国協定会議は我々が進行役を任せられた」
「そうかぇ…… 第四参謀まで降ろされた俺は自国を守ってるよ」
「まだ気にしているのか…… サドン」
ライゴク王国領界内 王国フルパワーセントラル
「巨人を倒した小僧が死んだのか……? どう思う我が忠実な下部よ」
「ホントに下部になっちゃったよ……」
鎖国 日の国
「まさか七大国の一つが落ちようとは……」
「外の世界は何やら騒がしいようですぞ」
「だが…… 行方不明の姫様が戻って来られた
我等にとってはそれが一番の朗報よ」
魔法都市カタストロフィア
「彼女の様子はどうかね?」
「未だに部屋から出てきませんね……」
「どうしたというのだ…… 今回の事件を聞くなり部屋に閉じ籠ってしまいおった」
「メモルも相談くらいしてくれたらいいのに……」
某国某所 流浪島 季節渡り【ウミノタウロス】の背に構える革命軍本拠地
「ラウルはよくやったよ……」
「せっかくNO.4にまで…… あのとき鬼英が止めたのに……」
「結果大国のバランスを崩した ラウルは俺達の背中を押してくれた
今こそ全勢力で攻める時じゃぁないんですか…… エチャードさん」
「〝あの方〟の指示に任せよう…… 我らも表に出る時がきたようだ」
とある樹海の森の奥
「ナルメアナルメア!! 何読んでるの??」
「……新聞だよ」
「面白い?!」
「う~~んそうだな~~…… 後々面白くなる」
「どういうこと~~?」
遥か上空 宙に浮かぶ天空都市
「皇司祭様!!」
「分かってるわ……」
「え?」
「下界に不気味な流動が見えます あの者が動き始めたのかしら」
「あの者とは…… まさか……」
「……いいえ まだ動かないようね
ただの人間だけでの争いだったわ 彼が動いたらこれだけでは済まされないもの」
「はぁ……」
「あなたが動いた時 私達だけの戦争が起きるわね
弱い人類達はただ何も出来ずに死んでいく…… 何が可哀想なのかあなたには解るのかしら?
ヴィクターロード…… いえ〝創設の支配者〟よ」
遠い海の果て 氷の大陸
「ロード…… 起きてられますかな?」
「まだ起きねぇよ それより何人集まった?」
「貴方様を入れてまだ四人です ニクロはあれですし……」
「アイツも入れて置け 直にこの世界を見捨てられる存在になる」
「よくもまぁ共感を持たない物にそこまで肩入れ出来ますね? 貴方らしくもない……」
「ふん…… 虫と呼ぶに相応しい生き物の中であいつは特別だ
精々同じ種の中で戦争なんて遊びを楽しんでいるんだな
お前らが内側に盲点を置いているこの時にも世界は滅びつつあることに
無感の神経に平穏を覚え込ませておけ
何が可哀想かって? この世の大切を既に失ってることだよ」
「また誰に語りかけてることやら……」
時が動き続けるように世界は動いた
これから待ち受ける未来は抗えないものなのか
古来にはその時系列を変えることの出来た輩もいたかもしれない
それが在るから今が存続されている 逆を言えば今の世界を別世界に塗り替える事も
数多の時代を正して来た先行く未来を創る祖先達をある人物はこう呼んだ
〝 創設の放旅者 〟
この意味の全てはここではまだ明かすことは不可能だろう
しかし もしそれを知る人物が現れたら
その人物こそがこの世の全てを知る者なのかもしれない
クロォンメモリアル歴 R999 第2章 鎖が解くとき 完
次の物語は時間軸がそのままで主人公が交代します




