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地球生まれでスキル無しな僕、冒険者パーティから追放されるも科学と技術を使って、超絶美少女な幼馴染の異世界貴族令嬢と婚約する~スキルに頼るお貴族様なんて全然怖くない!~  作者: GOM
第二章 僕、ティナと結婚をする編。

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第42話(累計 第87話) 異界の恐怖! 魔神アードルフのあっけない最後。

 銃撃をいったん中止し、状況を観察する僕達。

 着弾した84ミリ対戦車榴弾の爆炎が収まるころ、左腕を肩から吹き飛ばされた魔神アードルフが右手で肩の傷を抑えながら膝をついていた。


 ……RHA(均質圧延鋼装甲)相手に50センチ貫通する弾頭だものね。最新型戦車相手だと難しいけど、第二次隊大戦中の戦車なら撃破できちゃう。魔神のバリアー、関係ないね。


「バリアー張っててもタンデムHEAT弾頭の前には無力だったよ、アードルフ。これでチェックメイト! さあ、観念するんだ」


 僕は皆に手伝ってもらい、次弾を装填した無反動砲をアードルフに向ける。


「ぐぬぬぬ。ど、どうして我ら魔神(デーモン)を鉛弾ごときで倒せるのだぁ!?」


「答え合わせすると思うのかい? 疑問に思ったまま倒されるがいいよ、魔神!」


 悔しそうに叫ぶアードルフ、しかし僕は何故彼ら魔神を銃器で倒せるなんて教えるつもりはない。


「貴方達、魔神はこの世界を荒らし多くの呪詛を残しました。最後通告です。このまま仲間を連れて自らの世界に帰りなさい。そして、二度と来ないでくださいませ。さもなくば、容赦なく貴方方全てを亡ぼしますわ!」


「ぐぬぬぬ。こうなったら、どうなろうとも構わぬ! 火山に住まいし岩石魔獣よ、暴れよ!」


 ティナの降伏勧告に、なおも悪あがきをするアードルフ。

 ドカンという破壊音と振動が僕達の居る場所まで響く。


「何をした!? 今のは、もしや?」


「ははは、城内に潜ませておった魔界の魔獣を解き放ったのだ。小山程もある岩より硬い魔獣だぞ。お前らにはどうしようも……」


<アードルフ殿。申し訳ありませんが、完全に無駄でございます。ストライカーMGS、戦闘準備を。ドローンによる照準レーザー照射開始。カイト様、支援砲撃による殲滅の許可を>


「ルークス、周囲の住民が全員逃げてからGPS・レーザー誘導榴弾砲(M982)を発射。弾種は通常榴弾、目標貫通後に爆発モードへ設定。砲撃までの間はストライカー等による砲撃で足止めを」


<御意>


 ルークスの端末を見れば、全長5メートルを超える龍もどきが城の一部を破壊して街中に飛び出し、暴れだしている。

 それに対し、僕らの兵は全て行動を開始。

 街の兵士さん達と協力して避難誘導と足止めを開始している。


 ……ストライカーって装輪型だけど105ミリ戦車砲積んでいるから、この世界の化け物なんて一撃なんだけどね。流石に魔界の魔物は硬いのかな。


「な、なんだ。慌てないのか? アヤツは空を飛ばぬが溶岩の中でも平気、竜よりも鱗が硬い魔獣なのだぞ?」


「あのね。君に砲撃が通じるという事は、魔獣にも砲撃が通じるとは思わないのかい?」


 こちらが落ち着いて対処しているのが気に食わないアードルフ。

 でも、対応可能なのだからしょうがない。


<ストライカー、砲撃により敵個体の足止めに成功。現在、歩兵らの対戦車ミサイル(パンツァーファースト)と共に攻撃中。敵は魔力シールドも張っており、中々有効打が通りません>


「ははは! お前らの豆鉄砲ではどうにもなるまい。このまま街ごと踏みつぶされれば……」


<カイト様。被害想定範囲からの市民避難が完了です。また、味方の榴弾砲による推定危険範囲、150メートル以内からの退避も完了。榴弾砲の砲撃許可を>


「うん、発射!」


 ルークスから足止めしかできていないという報告を聞き、自慢げなアードルフ。

 しかし、僕はトドメの一撃を撃つ。


<着弾まで4、3、2、1、今!>


 ズドンと地面を大きく揺らす衝撃が地下遺跡、僕らはいる部屋まで響く。

 ヒビが入った天井からも砂や小石がパラパラと落ちてきた。


「一体何をしたのだ!? もしや」


<榴弾砲、敵目標に着弾。着弾点ズレは3メートル以内。ターゲットの魔力シールドの破壊を確認。また各部からの出血も確認、動きが鈍っています。このままトドメを>


「うん、頼むよ。さて、アードルフ。本当にチェックメイトだ」


 上から幾度もの爆発音が響く。

 おそらく魔獣も殲滅できたのだろう。


 昨日の宿営地からの155ミリ榴弾砲の攻撃。

 GPSとレーザー誘導によるターゲットへの直撃。

 追い打ちに105ミリ戦車砲による攻撃。

 じつにスマートな戦い方だ。


 ……米軍の装備が、こっちに丸残りで助かったよ。今回の戦いで全部放出するつもりで手加減しなかったしね。


「ち、ちきしょぉぉ!」


 膝をついた状態から跳ね起きるアードルフ。

 僕は急いで無反動砲の照準を彼に向けるが、彼は僕達を襲うのでは無く背後の「門」へと逃げる。


「我の世界に逃げ込めば、後は……。なにぃ。『門』が我が世界に繋がっていないだとぉ!?」


 先程までは虹色の膜状に見えていた異界への門。

 それは漆黒の色に変わり、ぶつぶつと膜表面が泡だっている。


「勝手に別の世界への『門』を開けたらダメじゃないかぁ。定められた事以外をするオバカさんは誰かな?」


 突然、漆黒の「門」から出てきた漆黒の肌で長髪黒髪の美青年。

 一見アラブ系の人間にも見えるのだけれども、眼が真紅、いや燃える様な赤い色をしている。

 何故か背広姿をしており、細身の肢体からは魔神以上の圧倒的な妖気を感じる。


 ……い、一体誰だ? う、動けない。


<貴方は、も、もしや……>


 まるで金縛りにあったように動けない僕らとアードルフ。

 ルークスですら、口をふさいでしまう。

 漆黒の青年は、僕らとアードルフを一瞥し、ふっとため息を付く。


「こっちの魔神(デーモン)がやった事ですか。この『門』は向こうの坊やの故郷とココとの専用。大量の魂を媒介にして、無理やり別の世界へと繋げた訳ですね。ただね、それは禁じられた行為、君は教えてもらわなかったのかい? 単体が世界間を移動するのは勝手だけど、大規模な転移門は、私達との『それ相応』の取り決めの上で成り立っているんだよ?」


 面白そうにアードルフのたくらみを暴露し、彼に禁止事項を教え説く青年。

 しかし、その顔に浮かぶのは嘲笑。

 僕達なぞ、アリ以下にしか見ていない。


「まったく、私は『幻夢郷(ドリームランド)』の管理で忙しいのに、異界門の管理まで頼むとは、ヨグ(外なる知性)様にも困りますね。じゃあ、この門は元どおり、地球に繋げておきますね。あ、坊や。こいつはこっちで処分しておくから、後はご自由に」

「ぎゃ、た、助けて……」


 細身の青年に引きずられていくアードルフ。

 上位魔神(グレーターデーモン)程ではないとはいえ、2メートル以上の巨体なアードルフを意図も簡単に引きずっていく青年に、僕は恐怖を覚えた。


「では、皆様。後は宜しく。さて、宇宙の法則を破る悪い子にはお仕置きをしなきゃね」

「ひぃぃ」


 漆黒の青年が『門』に入っていく去り際、彼はこちらを振り返った。

 彼の額には燃え盛る様な真紅の3つめの目があった。

 そして彼はニタリと嘲笑をした。

<ひぃぃ。あれは暗黒のファラオ、這い……>


 はい、そこまでですよ、ルークス君。

 たまにはコズミック・ホラー風に終わるのも良いでしょ。

 では、明日の更新をお楽しみにね!


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