魔法少女 白雪姫
「鏡よ鏡、この世でいちばん美しいのはだぁれ?」
小さい頃から見てきた。母親の、日課。あの鏡は魔法の鏡で、世界で1番美しい人を写し出す。そう、母親は信じてきた。私が魔法をかけて生み出したことも知らずに。
私は逃げ出した。そう、森の中へ。
生まれつき、魔法が使えた。そう、魔法少女、とも言うべきかな。この世界に魔法なんてものは存在しない、そう思い込んでいた。でも、私は魔法が使えた。
森の中に逃げ込んでも、私は動物と話せる。小人さんたちとも話せる。だからここで平和に暮らせばいい、なんて思っているわけない。
私は友達の鳥さんたちに毎日王宮の動向を教えて貰っている。
そして、私の大好きな王子様。彼が1週間に1回、あるルートを通って隣の国へと交易に行っている情報を知り得たの。
私は知っている。あの女は、自分より綺麗なやつが現れるとすぐに殺しにかかると。そんな性格。
そして彼女は、毒に詳しい。もし私がここであの鏡に私の姿を写させれば、真っ先に彼女は、私を殺しにかかるだろう。
今日の午後3時、王子様はここを通るはず。
老婆が私の方へと向かってきている。もちろんそれも把握済みさ。私の家から誰かが出てきたら見張ってもらうように、鳥さんたちには言ってあるから。
「かわいい白雪姫。このリンゴをお食べ」
もちろん私は魔法使い。毒林檎を食べたところですぐに解毒出来る。
「はい、ありがとうございます」
そして倒れる。
小人達は泣いてしまった。ごめんね、でも、敵を騙すにはまず味方からって言うでしょ。
そして私が今倒れているこの道は、王子様がいつも通る道だから。
「どうしたんだ、こんな綺麗なお嬢様が」
そうして私は王子様に、生き返らせてもらった。
ああ、なんて幸せなの。
ふふ。
あの女も私を殺したと思っているでしょうに。
「鏡よ鏡、この世でいちばん美しいのはだあれ?」
まだ、私が写るように魔法をかけてある。
彼女はどうせ、頭悪いんだから、鏡を自ら割って、なんて行動に出るでしょうに。そんなの私は知らない。
ただこうして、今王子様に連れられて王宮に向かっている。
そして私はこの国の王女となる。
まさに下克上。
私をいじめていたヤツら。残念だったわね。私は魔法少女なんだから。




