嬉しい
通過点
舞莉子だけでなくてコトリンや結華ちゃん、伊吹君もバッチテスト7級に合格をする。中学2年生の秋。
この時期から始まるのは全日本ジュニア選手権予選が日に日に近付いてくる。男子では伊吹君、女子では舞莉子とコトリン、結華ちゃんと3人で予選通過して表彰台に乗ろうねと話していた。
前にも同じ言葉を聞いた記憶のある舞莉子。ノービスAクラス時代には地元の松阪で故郷に錦を飾ると挑んだ予選で参加選手の中で最下位だったあの時の記憶が蘇ってきた。
当時を思い出すと地元開催を意識しすぎて自分なりの演技が全くといっていいほど出来なかった。今回は場所が地元であろうが南極だろうが気にしない。ポジティブではないもののそこまで開催地を意識しなくなったのは少なからずマンダラチャートの効果が出ているのかなと感じていた。
「舞莉子スワンステップ」の自分が予選敗退等許されないという気負いやつまらないプライドに関しては全くない。勝負の世界では強い者が勝つのではなくて勝った物が強いというのは身をもって感じている。
予選はあの時と同じ地元の松阪。いつも通っている「氷上のマドンナ松阪支店」ならよかったのになと考えられるくらいポジティブになっていた。
予選で公式練習で滑る舞莉子。決して悪くはないもののめっちゃ調子がいいと言えるほどでもなかった。コトリンや結華ちゃん、伊吹君にも聞いたら同様の感じ。
自分の番が来るとフーッと深呼吸をして氷の上に乗る舞莉子。自分は出来ると自己暗示をかけて演技をする。いつも以上に出来たと感じていてコトリンや結華ちゃんといった他の選手の様子を見ていた。
結果発表で男子は伊吹君がダントツのトップで予選を通過して女子ではコトリンが1位で舞莉子が2位、結華ちゃんが3位でそれぞれ予選を通過した。まだ予選だなと思いつつも予選通過にひと安心する。
予選通過出来たから全日本ジュニア選手権に出場をする事が出来る。だからそれに向けて練習が出来ると常に驕らず謙虚にいつも通り練習を行う事を心がけていた。
予選通過から数週間、全日本ジュニア選手権の会場は普段練習をしている「氷上のマドンナ松阪支店」。予選の時と同様、あの時とは違うよと自分に言い聞かせて公開練習から行う。
演技が始まれば自分が1番表彰台の上に登る。その気持ちはいつも以上に考える舞莉子。当時と同じ最終滑走で最下位だった記憶が頭に過ぎる。それでもいいと割り切って演技する。
代名詞の「舞莉子スワンステップ」だけでなく予定しているジャンプやスピンのキレも当時とは比べ物にならないくらいいいと自負をする。
男子では伊吹君が優勝し、女子では舞莉子が優勝して2位に結華ちゃんで3位がコトリンと掲げた目標を有言実行する形となって4人集まって称えあった。
この場では喜ぶ舞莉子だが、めでたいが目標の1つに過ぎず次に目指すのは世界選手権や優愛さんも出場した世界ジュニアオリンピック、そしてオリンピックの舞台に出る。そして最終目標としてフィギュアスケートといえば松阪舞莉子。これが最終目標となる。




