ひと安心
狙う場所は
4月になって小学校6年生になった舞莉子とコトリン、伊吹君と結華ちゃん。運動会や学芸会といった行事も全て最後になるから楽しまないとねっね4人で話している。最後4人ともクラス同じでよかったねと笑う。
だが、心の底から嬉しいよかったと思えないのが2人いた。それは舞莉子とコトリンであった。それ理由としては全日本ノービス選手権Aクラスに出場条件のバッチテスト6級を合格していないからだ。
急いではいないものの、何度もバッチテストに落ちて4月を迎えると流石にへこむ。残された期間としては残り半年くらい。実際にはもう少し猶予はあるものの予選を考慮すると半年あるかどうかとなってくる。
今まではスムーズに予選を突破して全日本ノービス選手権に出場していた舞莉子とコトリン。だが、そもそもバッチテスト6級に合格しなければその予選すら出場出来ない。それはダメだと見えないプレッシャーとも戦っていた。
そして4月が終わり、刻々と日にちが進み焦りが増す舞莉子とコトリン。もうバッチテスト6級を何度受けたか分からない。
5月、ゴールデンウィークに入ってバッチテスト20回目の受験でやっと合格した舞莉子のコトリン。
終わって「氷上のマドンナ松阪支店」を後にすると舞莉子の家の前でお互いにやっと合格したね。後は誕生日を迎えれば出場資格を得るねとお互いに抱き合った。
これで安心してフィギュアスケートに集中出来る。後は怪我をしない事。前年の全日本ノービス選手権に参加しようと思えば出来たが、ムリせず参加を見送った。
あの時もし、強行出場していたらまともな演技が出来ただろうか?仮に出場選手中、最下位でもいいから出るべきだったのか。未だにその答えというのは分からないままでいた舞莉子。
入院生活が長かった舞莉子とコトリン。クラスメイトとワイワイ喋って給食を食べて、休み時間では外でドッジボールや縄跳び、雲梯をしていてこの当たり前が久しぶりで怪我をしたからこそ当たり前が当たり前ではないと感じる。
クラスメイトには体育や外で遊びに行こうとしている子がいたら、怪我には気をつけてと声をかける舞莉子とコトリン。
その様子を見ていた伊吹君と結華ちゃんが舞莉子とコトリンに声をかけた。
「いつも体育の授業前や外に遊びに行こうとしている子達に声をかけているの?因みに何て声をかけているの?」
舞莉子が話そうとしたら急にコトリンが手を出して制止する。
「伊吹君、結華ちゃん、コトリンとマリリンが怪我して病院に搬送されたの覚えてる?あの時にコトリンは靭帯損傷、マリリンは捻挫でしばらくフィギュアスケートおろか日常生活を送るのもままならない感じだったの。だからこそ怪我のリスクを訴えているの」
舞莉子とコトリン、大怪我をして病室のベッドにいたからこそ他の子にはそうならない様に言い続ける必要があると考えていた。




