レベチ
疑う
「氷上のマドンナ本店」には各支店に所属する選手の活躍もあって、フィギュアスケート界隈の中では知る人ぞ知る存在からいつの間にかフィギュアスケートの代名詞といえばという存在にまで知名度を上げていった。
その中には「氷上のマドンナ松阪支店」に所属する舞莉子だけでなく、伊吹君や結華ちゃんとそしてコトリンの活躍も少なからずあった。
広報担当でもある拓郎さん宛には自分自治体にも来て欲しいという連絡が毎日の様に届いて嬉しいが反面、悩みを抱えている事もある。
その悩みは日本で1番大きい都道府県の北海道にある自治体についての依頼だった。
何が悩みかというと北海道の遠いは他の都道府県が考える遠いとは少し意味合いが違ってくるからだ。なぜなら他ならば電車や車で少し遠いは1時間とか2時間くらいだが、そのレベルではない。如何せん、道内に空港が島も含めて14もの公共飛行場がある。
例えば大きい都市でいうと函館市と札幌市では車や電車で4時間。距離にして約300キロになる。これを本州にすると東京都から愛知県くらいにあたる。
そういう背景もあってどこに作ろうかと考えていた拓郎さんだった。地元で通う子や送迎する親御さん、氷を整備するスタッフや受付や道具を管理するスタッフにコーチやインストラクターといった人達において移動が懸念点にならない様にしないとダメだと考えていた。
流石に特例で全市町村に作るのも土地も人材も大変なために支店同士の愛だが1時間半以内に出来ればいいなと考えていた。
今来ている候補地を地図アプリで検索をする。
「函館市、長万部町、室蘭市、鵡川町、新ひだか町、えりも町、大樹町、白糠町、釧路市、厚岸町、根室市、中標津町、羅臼町、斜里町、網走市、北見市、遠軽町、雄武町、浜頓別町、稚内市、幌延町、音威子府村、名寄市、旭川市、富良野市、滝川市、札幌市、小樽市、余市町、積丹町、神恵内村、寿都町、せたない町、乙部町、松前町、木古内町」
拓郎さんとしては初めて知る市町村も多く、北海道の面積の広さに驚愕していた。上に挙げた市町村を検討して電車や車で1時間半の範囲内で作ろうとするとこれで足りるか足りないかというくらい。
北海道出身のコーチやインストラクターがいるかを華織さんに連絡をする拓郎さん。場所が場所なだけにコーチとインストラクター両方を派遣するのは難しいかなと華織さんから連絡が届く。
場所によっては働き場所が中々ないという場所も少なからずあるために申し訳ないがコーチとインストラクターの役割を1人で兼任してもらったり、受付の経験があれば来てもらいたいと募集をかける。
全てを周ろうとしたら果たして何日かかるのかと想像しただけでゾッとした拓郎さんだった。




