その子といえば
それぞれ違う
コトリンが新たに加わった「氷上のマドンナ松阪支店」は以前よりも活気と華やかさが増して明るい雰囲気となった。学校や登下校のフシギちゃんのコトリンだが、氷の上に乗ると全日本ノービス選手権覇者という事もあって、実力はカオリンやコーチ、インストラクターも認める折り紙付きだった。
全日本ノービス選手権を終えた舞莉子、伊吹君、結華ちゃん、コトリンとそれぞれいつもの様に練習をしている。表彰台を飾ってさらに上に言って欲しいという思いからなのか、それぞれにこれだけは誰にも負けないという代名詞があればいいのではと話が挙がる。
舞莉子、伊吹君、結華ちゃん、コトリンそれぞれ年に1度行われる全日本ノービス選手権に向けて次の大会までに何か極められたらと思っていた。全員がどれだけ調子がよくてもオリンピックに出るような猛者であってもミスは付き物。それをカバー出来る代名詞があれば挽回出来ると考えていた。
練習が終わって舞莉子、伊吹君、結華ちゃん、コトリンの4人は練習を終えて「氷上マドンナ松阪支店」に併設されているドーナツ屋に向かった。
フィギュアスケートの競技の性質上、体重の増減が左右されるのは全員分かっているもののやはり我慢をしすぎるとストレスがたまって演技にも影響が出てしまっては意味がない。
ドーナツ屋に入ってキャラクターのドーナツに目を輝かせる女子3人。伊吹君が思わず引いてしまうくらいでそれぞれジュースとドーナツを買って席に座る。
ドーナツを食べながら話す話題は当然フィギュアスケートの話であった。自分達の新たな武器となる様な代名詞はどうするかとコトリンが話し出した。
「コトリンが極めようと思うのはシングルオイラーを極めて見ようと思うけど、みんなはこれを極めて見ようかなと思うもの何かある?そう聞いてきた」
この時、コトリン以外の全員がそれ言っちゃうのか。それもシングルオイラーって繋ぎのジャンプを極めるって逆にスゴい。そう先に自分から言っておいて実は違うという策略かも知れない。
当然ながらコトリンが舞莉子や伊吹君、結華ちゃんに続けて何か引き出そうとするもの今さっきそれぞれの代名詞があればいいという話があったばかりでスグに思いつくものではない。
ジャンプやスピンをしていて自分が極めてみようと思うものを見つけていきたい。そう答えるくらいしか出来なかった。
氷の上とそれ以外でのギャップが凄すぎて、もう舞莉子だけでなくて伊吹君や結華ちゃんもコトリンワールドの沼にハマってしまった。
優しくてかわいい、だけどどこか人とは違う世界観を持つコトリン。関われば関わるほどその世界観に引き込まれる。クセになるし、きっと前にいた学校や「氷上マドンナ薩摩川内支店」でも人気者だったのかなと感じていた舞莉子であった。




