ため息
応用
色々な人脈で「株式会社氷上のマドンナ本店」を設立する運びとなったカオリンと華織さん。
次にやらなきゃならない事はスケートリンク場となる支店とどこの自治体にするのか。それを自分達でここがいいなと巡って市町村長さん達に頭を下げに行く方がいいのか?またはたスケートリンク場募集と呼びかけた方がいいのか?
とりあえずその両方で考えつつも、肝心のコーチやインストラクターの募集もしなければならない。いつどこで支店が出来る様に整備もしなくてはならなずやる事が多い。
支店となるスケートリンク場は自分達の目で決めたいと思いつつもそれなりに忙しい華織さんとカオリン。その合間を縫って全国各地に行って交渉してとなると時間がいくらあっても足りない。公募して名乗りがなければ足を運ぼうと決めた。
再びSNSで公募をしてみると全国各地から名乗りを挙げる自治体が多く、中にはフィギュアスケートの街にしたい。数年前にスケートリンク場を使う人が減って取り壊そうとしていた場所がある。そういう自治体もあった。
よく閉店した焼肉屋の後には焼肉屋がオープンするが、前の店舗で使っていたものをそのまま使えて初期費用が抑えられるという側面がある。それと同様でそのスケートリンクをそのまま使用して、照明や氷のメンテナンスを念入りにすればいいのではと考えていたカオリンだった。
華織さんにはある理想があった。
それは日本にある市区町村全部にスケートリンク場を作って日本にいる全員がフィギュアスケートに触れて見て欲しい。そういう願いがある。
しかし、これには厳しい現実がある。
それは華織さんやカオリンが住んでいるのが日本という国で島々に囲まれた島国になる。人の多い大都会から消滅都市として囁かれている場所に離島も多く存在する。
それならば都道府県に1つは設置しようと考えた。
だがこれもまた簡単な話ではない。沖縄県は本島と離島からなる県で温暖な場所でそもそもどれくらいの人がフィギュアスケートをやってみたいと思うのか不透明で拠点をどこに置くのか問題もある。本島と離島の行き来は船か飛行機になってくる。
その逆に北海道ならばフィギュアスケートに興味を持ってくれる子も多くいるだろうと思われるが、今度は面積が広すぎてスケートリンク1つだけだと移動が大変になる。
どれくらい大変なのかというと、地元の人は移動で2時間は近距離と揶揄されるくらい広大だ。だからといって2時間以内の場所にスケートリンク場を作ろうと思ってもどれだけ必要になるのか見当もつかない。こちらもそう簡単な話ではない。
改めて自分達がやろうとしている事がいかい難しいのかをまざまざと感じていた華織さんとカオリンであった。




