第3話 変化の前兆
「サナ、一旦離れよう。動物だったら危険すぎる...。」
「...うん...。...?」
草むらの中に、影がはっきりと見えた。...人...?
「サナ、早く離れた方がいい...。」
「あ、うん...。」
「ちょっと走ったら...!」
「え、今早く離れろって...。」
「...ごめんそういうことじゃない...。」
「...?うん...。」
私はちょっと距離を取り、別の草むらのそばに寄る。
「ってうわ...!」
私は思わず飛び跳ねた。
草むらに一歩踏み込んだ瞬間、足元から小さな虫たちが一斉に飛び立ったのだ。ぱさぱさ、と羽音が重なり、視界の端をかすめていく。
「無理無理無理!!ちょっと待ってこれ多すぎ!!」
私は腕をぶんぶん振りながら後ずさる。都会では味わえない、自然の洗礼。ミナはその様子を見て、小さく笑った。
「大丈夫だよ、刺したりはしないと思う」
「“思う”が怖いの!!」
サナは半泣きになりながら叫ぶ。
靴の裏にくっついた草を必死にこすり落とし、なんとか息をつく。
「田舎、怖い...。」
「さっきと言ってること違うし...。」
...さっき...?私そんなこと、言ったっけ...?まあいいか。
それよりも私はさっきのミナの言葉を思い出す。
「早く離れた方がいい」...ミナが、少しだけ声を荒らげていた。それは初めてのことで、少し驚きを隠せない。
「じゃあ次はあっちの方向、行ってみない?」
ミナは別の方向を指さした。
「その前に、ちょっと落ち着かせてぇ〜。虫怖かったぁ〜。」
-10分後。
「よし、行こ!」
...今度は少し開けている道。そして奥に、建物...?古くて、ボロボロだ...。
近くに寄ってみる。昼なのに影は濃くて、半開きの扉の奥からは冷たい空気を感じる。...めっっっちゃ不気味だ...。
「うわぁ...なんか出そう...。」
「...行ってみない?」
ミナが言った。
「えぇやだぁ...。」
「サナが言ったんでしょ、自分のやりたいこと言って欲しいって。」
「そうだけどさぁ...。」
過去の自分、恨むぞぉ...!ミナの背中に隠れながら、薄暗い中に入っていった...。




