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トマトだいばくはつ!

 串カツ屋さんって、ぼくたちの自由に注文していいんだね。

 中でいろいろ説明してくれたよ。


 木の板に書かれている文字の名前を店員さんに言って、商品が来るまで礼儀正しく待つ。そして、食べ終わった後の串は、丸い入れ物の中に入れるんだって。

 

 二度漬け禁止。

 まぁ、言わなくても君は知っているか。

 だって君とぼくは……ふふふふ。

 まぁだ秘密だよ!


「ぼくちゃん。どれにする?」


 ヴィヴァーチェが厨房で何かがパチパチ弾ける音に興味津々で尋ねてきた。

 ねぇ。串カツって何がおいしい?

 おススメを教えて。


 今度は美味しいのを教えてね!

 えっと……豚カツ・鳥のつくね・アスパラ……?

 たーくさんあるね! 食べきれるかな。


「トマトだ!」


 レントが地球産のトマトをどうしても食べたいって言って聞かないんだ。

 君はどうする?

 え。止めといたほうがいいって?

 どうして?


 まぁいいや、きっと苦いとかそういったものだろうな。


 注文を済ませたぼくたち。

 チラッと横を見ると、顔を真っ赤にしたおじさんが黄金色のしゅわしゅわをゴクゴク口に流し込んでいた。なんだかとても、魅力的な光景。


 え。

 ぼくたちは飲めないの? すーん……。

 

「お待ちどう様です!」


 料理が運ばれる。

 頼んでないのに地球産のキャベツも沢山来たよ。

 何だか見分けがつかないのもいくつかあったけど、地球産のアスパラは一発で分かった。

 えっと……銀色の箱にあるあれがソース。

 

 一回だけつけて。

 いただきます!


 もぐもぐ。

 ……!

 カリッカリのじゅわわわだ。


 ぼくは紅ショウガが好き!

 この刺激的な味がクセになりそうだなぁ。

 

 ヴィヴァーチェはアスパラが気に入ったみたい。

 レントのトマトは……どれだろう。


 全部揚げ物だからちょっと見分けにくい。

 え。

 これだって?

 じゃあレントに教えてあげて!


「ありがとう! いただきまぁす――!?」


 次の瞬間、レントは口を押えてトマトのように真っ赤な顔になった。涙もあふれ出ているよ。

 はふはふ。はふはふ。

 大変だ、レントがトマトに奇襲をかけられた!


「大丈夫ー?」


 地球産のシイタケを食べながらヴィヴァーチェが聞いた。

 レントが勢いよく首を横に振る。


 今度地球に行くときは、トマトは止めておこう。

 

 食べ終わったぼくたちは、お会計を済ませて、通天閣の屋上への行き方を考えた。

 上空にはスールズが待ってる。

 

 そうだ!

 ぼくたちはこども。もう一度警備員さんに頼んでみよう!


「何……やて? お星さまが見たい……しょうがないなぁ」


 相変わらずの翻訳機。

 許可をもらって、屋上まで行けた。


「見終わったら、声をかけてください……や」


「はーい」


 そう言って、業務に戻る警備員さん。

 残念だけど、それはできない。


「ぎゃふん(楽しかったか)?」


 ぼくとヴィヴァーチェは首を縦に振った。

 レントは……トマト恐怖症になっちゃったみたい。


 君は楽しかった?


「ぎゃふ(もう疲れてきた。どこかで休みたい)」


 ゆったりまったりできる場所。君、知らない?

 

 ……沖縄の海。

 辞典で見たことあるよ!

 とてもきれいなんだってね。


 じゃあそこにいこう!


「ぎゃふん(少し遠いが良いだろう)」


 再びスールズの尻尾を渡るぼくたち。

 そしてモフモフの毛にしがみついて、沖縄の海までひとっ飛びだー!

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