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第33話 世界によって魔法法則は違う。

 魔法に関する説明回。なんだが冒頭はおっぱい星人ども。

「ほーん。おっぱいでっかい系いた?」


 リケラさん、なんでオレが避けた話題を速攻で持ってくるん?

 本人も気にしてる?


「濃淡どっちにもいなかった。人族には男女ともほぼバインボインな氏族がふたつほどあったけど」


 『原初の光の一族』はほんとになんかもう圧倒的だったよなあ。

 あと北の小島の連中も、厳密には氏族じゃないけど凄かったよね、そっちは女性でも主に筋肉だったけど。


「やっぱり世間のイメージはスレンダーなのか!

 どうもやたらイメージと違うとか黒くないんだとか言われると思ったら!」

「……黒い云々はこの世界のミームだと思う……ファンタジー流行り始めた頃の有名作品の影響……」


 オレが生まれる前の作品だけど読んだよ!名作に時代は関係ないのだ。

 黒いののくだりがあるってことは、多分あの参謀黒エルフねーさんが参照されてんだろうし。


「そっかー。まあアタシ、氏族内でも平均よりはそこそこ上だしね、サイズ。

 この世界になってからブラが買いやすくて助かる!」

「あー、この世界の人間はほんと千差万別だからなあ」


 そして続けて聞いたら、どうも最初は下着の入手絡みで姉ちゃんと知り合った、らしい。

 そうだな、姉ちゃんもリケラと変わらんだけでっかいからな、下着にはお金かけてたと思う。  

 ここから崩れるのはヤバイ、が成人過ぎてからの口癖だった。

 多分今はあんま気にしてなさそうだけど。


「んじゃ次はー……魔法かなあ。少年、複数系統の魔法使ってると思うんだけども」

「うん、最初の世界のプリセットの奴と、二番目の世界のが少しと、三番目で覚えたあれこれ。

 正直言えば一番目の奴が生活にも、攻撃魔法としての取り回しにも便利。次点が三番目」


 そして長くなりそうな魔法の話は、まずは世界ごとの違いの確認からになるらしい。

 といってもなあ、二番目の世界の魔法って割と使い勝手悪くてなあ。


「最初のプリセットって……ああそうか、『勇者セット』?」

「そう。魔力消費控えめな割に効果がきっちり出るんで使いやすい。

 三番目の世界の攻撃魔法はこの世界だと一部の魔力消費が何故か増えるんで、そこがちょっと厄介だな」

「二番目は?」

「一番目の劣化みたいな内容なんで試射以外で使ってない。一つ目のがそこでも普通に使えたし」


 そう、二番目の世界でも一応魔法セットはゲットしてたんだが、三番目の世界で言う中級どまりだったし、一番目の世界の魔法が完全に上位互換だったんで調査時の試し打ちでしか使ってないんだな、これが!


 むしろ二番目の世界でゲットしたもので有用なの、あの世界の人間の心理が読める、って謎能力だけだったうえに、あそこが壊れたら使えなくなったんだよなあ!

 まあその世界で十二分に役に立ったからいいんだけど。


「つまり、三つ、いや今のここを入れて四つの世界の魔法体系、それ自体が全部違うんだね?」

「そうなる。リケラ達が使うのも別物だよね。

 オレが取得してるのはどれも原則キーワード式。リケラ達は詠唱型だもんね」

「ああ、人間族だとキーワードタイプを使う人もいるんよ。

 ただ少年がいうところの中級程度の威力の魔法までしか使えないんだよね」


 曰く、リケラ達エルディムの魔法は、魔力消費が大きいので、普通の人間が大規模魔法を使うためには複数名で儀式必須、なんだそうだ。

 中規模までなら才能次第らしいので、そういうものを使える人は今はだいたい探索者だそうだ。


 なおオレは覚える気があれば彼らの上級クラス程度まではいけそう、らしい。

 現状無理にこれ以上魔法を覚えるつもりはないけども……

 いや、よほど便利なのがあったら教えてもらおうかな……でもあの氷結魔法は見るからに無理だったしなー……


「治癒魔法って使える?」

「最初の勇者セットのなら全部使える。なお蘇生は無理」

「デスヨネー!やっぱりフィクション枠か!」


 どうやらエルディムでも蘇生魔法は禁忌の領域?違うな、研究自体はされてる感じだな?

 禁忌枠だと研究自体ができないまであるからな、ひとつ前の世界がそうだった。


「そもそもゲーム的な蘇生魔法って、ホームポイント的な場所に戻れる、つまり存在が保全されてる者にしか使えないイメージだしな」

「……あー、そうかもしんないね。ゲームらしいところ、ってやつか」


 そういや死んだらロストのゲームだとそういうの、あんまり見ない気がする?

 いや、ゲームはそんなにたくさんやってないけど。


「大雑把に三つの世界の違いを教えてもらえると」

「一つ目はどうもオレに付与された勇者セット自体が特殊らしくて、あの世界の魔法法則とずれてるものが含まれているって話はされた。攻撃と治癒の魔法はその世界のと同じだったけど。

 これはキーワードで発動するタイプで見た目は割と地味。

 二つ目は正直使ってないんで……キーワード式だったのは確かだが」

「……少年、もしかしてふたつめって言ってる世界、あんま好きじゃない?」

「ろくでもなかった、いろんな意味で」


 リケラに見透かされたので、正直に本音を述べる。

 本当に、協力者と呼べる人間自体からして少ない世界だったからな……


「んで三つめは……生活系以外は魔法陣が自動展開されるんで見た目は派手。威力は他とそこまで大きくは変わらない。

 ただ、水と光系の攻撃魔法が異様に少ないのと、光攻撃魔法に魔力3倍増しって制限があるんでオレには使えなかったな。あと闇攻撃魔法、オレに覚えられるのがなかった」

「偏ってんなあ!確かウィンドエッジとかいうのが魔法陣展開してたからあれがそう?」

「あれとブリザードがそうだね。攻撃以外も闇魔法は少ないけど、他の属性より消費半減だったりはした。発酵が便利だった」


 というか、闇の攻撃魔法、魔法マイスター的な友人が使えなかったから、あの世界でも使える人類自体がいなかったはず。

 生活系魔法の方では〈発酵〉を使いまくったけどな。辺境村では堆肥は大事!


「三番目の世界で獲得した魔法だと結界術が重要かな。詠唱短いし即発動だし魔力の込め方次第で防御力も結構高くなるし、熟達すれば属性も織り込める」

「ああ!あれ便利そうだった!菱と蓮の実、巻き狩り部隊で重傷者出る威力だったらしいよ!」


 ほう、それは初耳。っつか45層で相当苦戦したって話はパーティの前後に聞いてたけど、そんなに損耗が出たのか。


「死人までは出てない?」

「サボテンの最後っ屁の炎熱で一人瀕死までいったって言ってたから、死んではいないね!」


 そうか、やっぱりレイド重点対応なんだな、あのサボテン。

 恐らく巻き狩り式へのカウンターとしてダンジョンコアが設定したものだろうなあ。


「それでもどうにか底までの道は開けたし、垂水だけルールが一部改訂されて、ドロップ品の不要物は40以降の高階層に限って半分まで放置OKに変わったね」

「ああ、会長が改装用のリソースくれっつってたもんな」

「そそ。ただやっぱり階層の増築はもうできないらしくて、既存迷宮のどこを熱帯エリアに改装するか勘案中らしいよ」


(いっそ第一迷宮の11層から20辺りを改装してしまおうかと相談中ですの)

 久しぶりに世界樹さんからの声。何が出るか知らないけど、軽い熱帯エリアがあるの自体は悪くないと思うよオレも。


「10のヌマネズミとかマジで需要なさそうだし、あの辺が熱帯になるかもなあ」

「あー、わかりみ。20の箱もコピー品生産可能なソースだしねー」


 話がすっかり迷宮の事に逸れたけど、これもまあ必要な情報だろう、問題ないない。

 あと管理組合との裏協定ができて生ごみなんかの持ち込みをするようになった。<垂水迷宮

 第四と第五のラス層も熱帯ではあるんだが、最後の五層ずつだけだし、25以降はそこそこの難易度なんで……


 三番目《おとモフ》世界の闇攻撃魔法は超級しかないうえに、地上で使える存在がいない罠。

 聖獣専用枠でなら、多分昔の黒鳥は使えたはずだけど今は無理だしなあ。

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