エピローグ
気がつくと、木の感触が背中にあった。
目を開けると、朝日がまぶしい。
どうやら楽園の入り口にある大木に寄りかかって寝てしまったようだ。
夜明けの光が草木についたしずくを光らせ、楽園全体が輝いて見えた。
周りを見るが、アルトやツィエナ、ティエラの姿はない。
置いて行かれたのか。少し不安になっていると、こちらに歩いてくる女性の姿が目に入った。
逆光でも、彼女の瞳は優しい翠玉の色をしていると分かる。
俺はこの瞳を知っている。俺はこの瞳と何度も見つめあい、微笑んだことがある。彼女は俺の最愛の妻――
「エリアネ!」
思わず立ち上がり、名前を叫んだ。
「お前もここに来たのか!美しいところだろう。皆と旅をしてやっとたどり着いたんだ。そうだ、竜にあってみないか――」
すると彼女は静かに首を振る。「急がなくても大丈夫。時間はたっぷりあるから」と、彼女は手を差し出した。優しい微笑みをたたえて。
「そうか、それじゃあゆっくり見て回ろう。この楽園を」
その手をしっかりと握り、俺と妻は楽園へと歩き出した――。
音楽を聴いて物語が浮かぶことがあります。
今作を創作する際に一番影響を受けたのは、志方あきこさんの「まほろば」でした(「まほろば」が分からない方、ぜひ意味を調べてみてください)。
とても好きな曲で、何度も聴くうちにラストシーンが浮かんできました。どうにか彼をここまで連れて行きたい。そうしてできたのがこの作品です。
まだまだ稚拙で、赤ん坊が書いたような文章ですが、少しでもおもしろいと思っていただけたら幸いです。
投稿を始めたのが2015年。あれから4年も経ってしまいました。
初めから追いかけてくださっている方(いらっしゃれば)、大変お待たせしました。駆け足ですが、ようやく一段落つけることができました。
この世界を舞台とした物語はまだまだ脳内で展開されているので、いつか書けたらと思います。(それも長期戦になりそうですが)
長くなりましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




