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エピローグ

 ポン助たちは、勤勉の都で祝いの宴を行っていた。


 祝う理由はついに勤勉の都から先に進めるようになったため、だ。


 次は誠実の都。


 現在の最前線である。


 もっとも、ようやく最前線に行けるのは良いが、現実世界では七月に入った。ゲーム内の時間も随分と進み、攻略組は色欲の世界を攻略しつつある。


 もしかしたら、夏休み中に攻略してしまうのではないか?


 そんな噂も広がっていた。


 ポン助の隣では、アンリが座って愚痴をこぼしている。


「ちくしょう……あの女、シーエムとかテレビに出まくって……あいつより絶対にあたしの方が可愛いのに」


 ポン助は苦笑いをする事しか出来ない。


「いや、まぁ……そうですね」


 ただ、ポン助も最近は動画再生時の宣伝で杏里の後輩をよく見た。


 そこまで酷くないし、むしろ可愛いとすら思える。


 問題は体の起伏が乏しいことだろう。


 アンリが激怒している。


「事務所も事務所よ! 絶対に訴えてやるんだから」


 自分への対応やら、憤った気持ちをぶつけたいらしい。


 しかし、同じテーブルにいたオークやブレイズ、そしてライターにリリィがその意見を否定するのだった。


 プライは同情しつつも止めるように言う。


「それはお勧めしないね。訴えた場合、事務所も大きな問題だから引くに引けなくなる。それこそ裁判で決着を付けるだろうね」


 ブレイズも同意見だ。


「裁判になって揉めたら年単位で争いますし、それに証拠を揃えるのが難しそうですからね」


 アンリがグヌヌヌなどと言いながら、ポン助の方を見た。


「いや~、僕としては詳しくないんで分からないよ。鬼畜生のライターなら色々と知っているかもね」


 ライターはノーム用の可愛らしいジョッキで酒を飲んでいた。


「ポン助君、最近棘があるよね。でも、プライさんとブレイズ君には同意かな。というか……身体データの管理って事務所に所属するタレントさんの信用にも関わるけど、社会的な信用に大きく関わるんだよね」


 どうやらライターも詳しいようだ。


 アンリは頬を膨らませている。


「だから、そういう悪い連中を裁判で――」


 ライターは笑っていた。


「いや、そういう単純な話じゃないんだけどね。問題なのは証拠がない事と、事務所的にメリットが少なくてデメリットが大きいことなんだよね。そもそも、事務所は関係ないかも知れないよ」


 ポン助もアンリも分からなかった。


 プライが簡単に説明してくれる。


「所属しているタレントや社会的な信用を落してまで、アンリちゃんの身体データを流出させるメリットがないんだよね。ハッキリ言えば、似せて作れる訳でしょ?」


 杏里アバターを使わなくても、似せるだけで十分に客は取れる。


 それこそ、本物かどうか分かるプレイヤーなど少ない。


 リリィが肩をすくめる。


「そもそも、貴方が言ったんじゃない。後輩が怪しい、って。それって、事務所がやった証拠にはならないわよ。記事で取り上げられる前に、事務所の名前がかかっているから止めに入るわよ」


 ポン助は気が付いたが、アンリはまだ気が付いていない。


 ブレイズが説明をする。


「その後輩さんが単独でやった可能性がある、って事だよ。ほら、今は簡単に身体データを測定する機器があるじゃない? それで簡易データを取って流せば、そこから少し手を加えれば簡単にアバターを作成出来るからね。そういう場合、身体データをコピーしていないから証拠にもならないらしいよ」


 ポン助は感心した。


「ブレイズさん、詳しいですね」


「まぁ、少し調べたからね。最近、そういった事例が多いらしいよ」


 アンリが激怒する。


「あの女ぁぁぁ!」


 リリィが困った顔をしていた。


「それに、事務所相手に裁判をするような貴方を、他の事務所がどう思う? 人気があるなら良いけどデビュー前でしょ? 他を探すにしても裁判は駄目よね」


 アンリはテーブルに突っ伏した。


「イメージ最悪でどこもスカウトしてくれないわよ! 来ても怪しい事務所ばっかりだし!」


 ライターが酒を飲み、そして少し顔を赤くさせていた。


「ハッキリ言って詰んでいるよね。でもいいじゃない。あの業界も華やかだけど色々と苦労があるからね」


 プライも頷いていた。


「まぁ、世の中は色々ですからね」


 アンリが顔を上げる。


「なら、証拠を集めてあの女を訴えてやるわ」


 全員が呆れているが、同時にポン助に視線を向けてくる。


 この手の話は情報屋を頼る必要があるのだ。


 運営の責任者である情報屋なら、きっと証拠を確保出来るだろうというみんなの期待があった。


 だが、ポン助は首を横に振る。


「最近、忙しいのか連絡がつかないんです」


 ライターが思い出したように頷く。


「そう言えば、海外だっけ? 最近、形振り構わず、って感じだよね」


 リリィも口を開く。


「私の周りでもパンドラのプレイヤーが増えているわね。何人か知り合いを案内して回ったわ」


 ブレイズも頷いていた。


「仕事で話をする人も気になっているようでしたね」


 プライは普段と少しだけ雰囲気が違った。


 アゴに手を触れながら、ポン助に確認する。


「ポン助君、情報屋から何か聞いていないのかな?」


 ポン助は首を横に振った。


「海外で忙しい以外は特にないですね」


 プライはもう一つ確認しようとすると、アンリが叫んだ。


「あたしの話を聞いてよ! あの女になんとしてでも復讐したいのよ!」


 ライターが呆れている。


「いや、だから関わらない方がいいんだよ。そもそも――これから大変だと思うし」


 ポン助は、ライターが何か隠しているような気がした。



 その頃。


 月面基地の上空にはいくつもの宇宙船が浮んでいた。


 防衛設備を破壊し、宇宙船から降ろされた乗り物には頑丈そうな宇宙服に身を包んだ兵士たちが次々に現われる。


 ドローンやその他の兵器も使用され、まさに戦争をしていた。


 だが、地上では一般人に一切知らされていない。


 細身で身長の高い月面都市に住む人類の兵士たちは、パワードスーツを身に纏い応戦していた。


「この野蛮人共が!」

「殺せ! 地上の虫たちを殺せ!」

「これ以上先へは――」


 そんな中、一人の女性兵士が敵陣に飛び込む。


 まるで映画のワンシーンのように襲いかかる兵士やドローンを倒して回り、敵の部隊を殲滅させていた。


 黒い特殊な宇宙服は、体のラインが分かる程だ。


 ドローンを使用して施設内の様子を確認する。


「見つけたわ。ここよ」


 通信で目的の施設を見つけたと連絡を入れると、次々に増援の部隊が派遣されてくる。


 女性は日本人だったが、戦っている兵士たちは日本人だけではない。


 周辺を制圧し、次々に兵士たちが集まって安全を確保すると大きなカプセルに細い手足がついたロボットがやってくる。


 その中には情報屋の姿があった。


 カプセルの中から外の様子を見ていた。


『流石は【ミラ】だ! まるで映画に出てくる兵士だったね。リアルで見られるとは思わなかった』


 上機嫌の情報屋に、ミラと呼ばれた女性兵士は肩をすくめて見せた。


「お世辞は結構よ。それで? 月面基地の本部はどうなったの?」


 情報屋がカプセルの中で色々と情報を確認する。


『あ~、大丈夫だ。無事に制圧を済ませた。しかし、こいつらも馬鹿だね。月から我々を見下ろしているつもりだったのかな?』


 転がった兵士たちを見る情報屋は、安全が確保されたと知ると制圧した施設に早く入ろうとしていた。


 女性が呆れつつ部下たちに指示を出す。


「ついて来て。社長様の護衛任務よ」


 特殊部隊のような彼女の部下たちは、同じエンブレムを付けていた。


 名前にはシルバーウイングスと書かれている。


 施設内に入ると、味方の通信が聞こえてくる。


『おい、こいつら本気かよ』

『驚いたな。ほとんど出撃していないじゃないか』

『民間人? 予定通りに行動しろ』


 想像していたよりも抵抗が弱く、多くの部隊が困惑している様子だった。


 確かに防衛設備は厄介だったが、月面の守りは異様に弱かった。


 情報屋が笑っている。


『知っているかい? 月にいる連中は、かつて地球から逃げ出した富裕層の子孫。地球は中間層を含めた貧困層が残ったらしい』


 ミラは黙って情報屋を護衛していた。


 別に情報屋のことは好きでも嫌いでもないが、命令されているので仕方がない。


『富裕層は地球に残った連中は死滅すると思ったんだろうね。いずれ自分たちが地球に戻って再び反映する計画だったのさ』


 通路には生々しい戦闘の様子が刻まれ、敵味方の死体が転がっている。


 だが、多くは敵の死体だった。


『なのに地下に逃げた連中が外に出てきて焦ったんだろうね。技術提供で新型炉を地球に置こうとした。そこから漏れ出るのはかなりヤバい――』


 ミラがいい加減に呆れる。


「それで? 何が言いたいのかしら?」


『おっと失礼。まぁ、簡単に言うとだね――』


 情報屋とミラたちが踏み込んだ部屋には、味方の兵士たちが警戒していた。


 そこには、数多くのカプセルが並べられている。


 情報屋が入っているカプセルと同じで、人が一人ずつ入っていた。


 だが、その数が尋常ではない。


 カプセルは液体で満たされ、中に入っている人たちは全員が月の住人たち。


 まるで眠っているようだった。


『昔らか叶わぬ夢を見ていた訳だ。笑えるだろ?』


 カプセルに入っている全員が、地球から提供されたVR技術で自分にとって都合の良い夢を見ている。


 この装置は地球に情報を送信しており、そこから情報屋たちは月の計画を知った。


 一つのカプセルにミラが近付く。


 裸の男が入っていたが、異様に細い体は性的に見ることは出来ない。そのため、不快感もなかった。


「あら、この人って確か――」


 情報屋が覗き込み、名前を確認するとカプセル内で頷いていた。


『そう言えば、以前地球に来た使節団の一員だね。随分と生意気そうな野郎だったけど……もう三ヶ月以上もカプセルの中にいるみたいだよ』


 施設内にはこういった部屋が幾つも用意され、大勢の人間がカプセルに入ったVRを体験していた。


 パンドラと違うのは、完全に夢を見ているような一人一人が違う世界を体験していることにある。


 ミラが溜息を吐く。


「呆れるわ。自分たちの命の危機が迫っているのに、カプセルから出てこないなんて」


 情報屋が部屋の中央にある装置に近付いた。


 そして興奮気味に語る。


『まぁ、出て来たくなくなる程に楽しい世界なのさ。パンドラと同じだね』


 ミラが否定する。


「パンドラとは違うわよ」


『広い意味では――って、言い争っている場合じゃないね。あった、これだ』


 操作をすると、床がせり上がって月の技術で作られた機械が出てくる。


 情報屋が叫ぶ。


『見つけた! これでパンドラは完成するぞ! さぁ、早く回収するんだ!』


 兵士たちに連れてこられた科学者に作業員たちが、装置の取り外しに取りかかった。


 捕えられた月の技術者は、家族を人質に取られ取り外しの手伝いをさせられている。


 電源を切ると大量にあるカプセルが、機能を一斉に停止していく。


 夢から切断され、生命維持も切られ……彼らに待っているのは死だ。


 ミラがカプセルの中でもがいている男を見る。


 かつて地球に来た男だ。


 苦しそうにしていたが、すぐに動かなくなる。


 月の技術で作られたVRマシンを回収するためだけに、地球から打ち上げられた部隊は月面基地を滅ぼしたのだった。



 廃ビル。


 パンドラの元幹部は頭を抱えていた。


 元大臣が持ってきた情報を聞いたためだ。


 元幹部が怒鳴る。


「どうして止めてくれなかったんだ!」


 元大臣は冷静に答えるのだった。


「今や野党の議員だよ。情報が入ったときには手遅れでね。まさか、自衛軍以外の軍隊も参加すると思うかね?」


 情報屋たちが行った月面制圧。


 そして、ほとんど月の住人たちが死亡してしまった事実に元大臣も困惑するしかなかった。


 元幹部が焦っている。


「新型炉の解体には月の連中が必要だったんだ!」


 元大臣もそこは理解している。


「――彼らはやると思うかね?」


 元幹部は両手で顔を覆っていた。


「やる。あいつらは絶対にやる。新型炉の暴走を絶対に引き起こす」


 次から次に世界は動いていく。


 元大臣にはとても止められそうになかった。


 元大臣が元幹部に聞くのは――情報屋の後ろにいる男だった。


「それで? ここまでの筋書きを書いたのは誰かね?」


 しばらく黙っていた元幹部が口を開く。


「特定はしていない。だが――最初のセレクターである事は間違いない。最後のセレクターはオークの少年だ。彼は違うだろうね」


 黒幕は情報屋の後ろにいるセレクターという事を聞いたが、何も分かっていないに等しかった。


「やれやれ、ポン助君に聞いた限りではセレクターの数も多いんだがね。どうして分からないんだい?」


 元幹部が首を横に振った。


「今の状況では調べるなんて無理だ。それに……そいつは表に出てこない。情報屋が仕切っているように見せている。狡猾な奴だ」


 月の陰謀を暴き、前政府に罪をなすりつけ、オマケに月に乗り込む。


 これだけの事が出来るセレクターなど想像も出来なかった。


 そんな中――プロレスラーである男が首を傾げた。


「狡猾なのか? なんだか行き当たりばったりのような気もするが?」


 元幹部が怒鳴る。


「それだけでここまで出来るわけないだろうが! お前、頭まで筋肉なのか!」


 随分と不便な生活の中で、元幹部も荒れていた。


 だが、強面のプロレスラーは少し嬉しそうにしている。


「や、止めろよ。ちょっと嬉しくなるだろうが」


 元大臣もプロレスラーの気持ちに理解を示しつつ、最初のセレクターについて考えるのだった。


(ここまでの事をやれるセレクターか……そんな人物がいるのか? だが、確かに色々と考えているにしてもおかしな部分は多い)


 行き当たりばったりと言ったプロレスラーの言葉も、案外間違いではないのかも知れないと元大臣は思うのだった。



 ポン助はライターとブレイズに呼び出された。


「どうしたんです? ノルマを増やすのは反対ですよ」


 ライターが怒っている。


「それについては後で話し合いをしよう。というか、最近私の扱いが酷いよね!」


 ブレイズが乾いた笑い声を出している。


「自分の胸に手を当てて考えるべきでは? おっと、実はポン助君に教えておこうと思ったんだ。アンリちゃんと仲が良いよね?」


 仲が良いと言われれば良いだろう。


 しかし、ポン助の中ではあくまでもゲームの中の関係だ。


「はい。ギルドメンバーとして仲は良い方だと思いますけど」


 ライターもブレイズも呆れた顔をしていた。


 ライターなど文句を言っている。


「君は天然なのかな? それとも鈍感なのかな? あんなに露骨にアピールをしているじゃないの」


 ブレイズも流石にポン助を責める。


「アンリちゃん、ポン助君以外にはあんなにベタベタしないよ。付き合いやすくてサバサバしているのに、ポン助君の前だと甘えて愚痴をこぼすし」


 ポン助からしてみれば、ゲーム内の関係である。


 そもそもリアルで会った事もないのに、露骨やらアピールなど笑うしかない。


「ゲーム内で親しいならリアルでも、ですか? いや、僕は勘違いで笑われたくないので自重しているんです。そもそも、みんなが見ているのはポン助であって僕じゃないですし」


 ライターが腕を組んで考え込む。


 そして「いや、この方が都合は良いのか?」などと呟いていた。


 ブレイズがポン助に説明するのだ。


「いや、それでもあれは完全に――って、痛いじゃないですか! ライターさん、なんで叩くんですか!」


 ライターはブレイズの発言を制し、そして言い訳気味に話を元に戻すのだった。


「いや、うん。ほら! 今日の話はそこじゃないから! 実は、アンリちゃんが恨んでいる後輩の子についてなんだ」


 アンリは絶対に許さないと言っていた。


 このまま行けば、確かにリアルで殴りにいきそうな気配だ。


 アンリならやりかねないと周りがみんな思っている。


「流石に酷いですよね。事務所も放置して売り出すなんてどうかと思います」


 ブレイズが少し困った顔をしていた。


「ポン助君、これはリアルの話なんだけどね」


 前置きをしてブレイズが話したのは、杏里の後輩らしき人物についてだった。


 ポン助も話を聞いて唖然とする。


「え? あの、そこまでしないと売れないんですか?」


 ライターがポン助に説明する。


「人なんていくらでも集まってくるし、その中で這い上がろうと思えば何でもやるのが人間だからね。本当に何もしないで真っ当に売れている人も多いよ。けど、昔からどんな業界にも黒い部分はあるし、それが強い業界って事だよ」


 ポン助が考え込む。


 売られたのはアンリだったはずなのに、むしろ後輩の方が酷い状況だった。


 リアルでホタルがやっていた事を、業界で顔の利くおじさんたちにやっている訳だ。


(なんだろう……アンリさんが売られたのに、同じ事が倍になって帰ってきたような状況のような気がする)


 ライターもブレイズも、リアルのことなので詳しく話せないようだ。


 しかし、ブレイズが溜息を吐いていた。


「知り合いから聞いたんだけどね。どうやらアンリちゃんを蹴落とした話、噂になっているみたいなんだ。あの子、売れても今度はそれをネタに脅されるんじゃないか、ってね」


 ポン助は二人を見て思う。


(……なんで二人はそんなに詳しいんだろう?)


 ライターがポン助に言うのだ。


「だから、それとなくアンリちゃんに馬鹿な真似はしないように言ってよ。うち、タダでさえ悪質ギルド扱いなんだし、リアルでギルドメンバーが逮捕なんて笑えないよ。ほら、リアルで制裁は受けている、って説明して。ポン助君が言えばあの子も言う事を聞くし」


 ポン助がライターに言うのだ。


「……それをライターさんが言うのはどうかと思います。勤勉の都で爆弾を使ったのは貴方ですよね?」


 その爆弾の威力は凄まじく、勤勉の都の広場を吹き飛ばしてボロボロにしたのだ。


 ブレイズも両手で顔を覆う。


 どちらかといえば、ブレイズも巻き込まれた側である。


 ライターはそっと視線を逸らすのだった。


「おい、こっち見ろよ!」


 ポン助はライターを持ち上げ前後に激しく揺らすのだった。


「ち、違うんだ! 話せば分かる! 警備隊のNPCで、爆弾の威力を試したかっただけなんだ! どうせもう戦闘状態だったし! まさかあそこまで大きな爆発を起こすとは思わなかったんだ! 私は悪くないんだ!」


「どう考えても悪いだろうが!」


 周りで何が起きているかも知らず、ポン助たちは楽しい日常を過ごしていた。


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