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第六話 奏視点

冬香ちゃんと会話することはできたけど他の人から質問されると思ってたのに

誰も来なかった。どうしてだろう?

疑問に思っているとチャイムが鳴り次の授業が始まった

「こら~!席に着け~!」

「奏は教科書とか持ってますか?」

「うん、ちゃんと持ってるし、授業内容もわかってるよ」

「そう、ちゃんと勉強してきたようね」

ほんとは四月から登校したかったけどまだ完治できていなかったから

私が施設にいたころに学園の生徒会の人から編入先の授業内容をノートにまとめてくれて

それ見て勉強していたから授業にはついていける

教師の先生方にもちゃんと説明してあるため気にせず授業することになった

他の生徒も私が授業についていけないじゃないかと疑問を口にしたが

先生がそのことをきちっと説明した

「じゃあ、ここの問題を・・・神埼、だったか?答えれるか?」

黒板のまで行き問題の答えた

勉強の方はお姉ちゃんがよく教えてくれて時間もあったから広い範囲で勉強できた

この学園もちゃんとテストを受けて合格したため皆との学力の差はあまりないと思うけど

皆がどれくらいの実力か解らないからもし遅れていたらしっかり勉強しないと

「ああ・・・正解だ、勉強してきたってのは本当だなじゃあこの公式の説明にもどるが・・・」

「すげぇ~、よくわかったな」「ここの数学って聞いててもよくわかんねぇのに」

「容姿端麗に頭脳明晰?」「スポーツまでできたら川神さんと同じレベルじゃん」

「いや!たまたま数学が得意なだけかもしれないよ」

「お~いうるせぇぞ!今のところ試験に出すから聞いてねぇ奴は点取れねぇぞ」

なんだかたった一問答えただけですごい大騒ぎになったけど

さっきの問題ってそんなに難しい問題だったのかな?

冬香ちゃんはなにも言わずに授業に集中してる姿が優等生って感じに見えた

いや、きっと優等生なんだろうなぁ。私もちゃんと集中しなきゃ

先生はそれから他の生徒に問題を与えながら授業を進めて終わった

初めて授業はちゃんと理解はできるくらいだったからよかったけど

他の教科も心配だなぁ特に体育が

「神崎さん、ちょっと質問していいかな?」

「え・・・な、なに?」

気がつくとクラスの女子2人が集まってきた

これが美佐ちゃんが言ってた転校生がくるお約束ってことかな?

「まず自己紹介からあたしは千代田優奈ちよだゆな!」

「そしてあたしは渡辺千歳わたなべちとせ!」

「「2人合わせてちとちよコンビで~す!!」」

いきなり自己紹介から始まったらいつの間にかコンビ名まで言われて

正直唖然としてるけどなんだかこの元気な性格は美佐ちゃんに似てる気がする

「神崎さんって、でもお姉さんがいるしかなちゃんって呼んでいい?」

「え?う、うんいいけど」

「ほんと!?ありがと~!で、で!奏ちゃんって何処から来たの?」

「あ、ええっと、東京から」

「おお!都会っ子だぁ~!!こっちに引っ越してきたの?」

「いやいやそれよりも男のこと聞かないと」

「それは最後でいいんだって、で?どの辺に住んでるの?」

「それよりも今は―――」

「あ、あ、あの」

質問してくるのはいいんだけどテンポが速すぎて上手く会話できない

「千代田さん、渡辺さんも質問するのはいいですけど相手に合わせて会話したほうが

 いいですよ?奏も上手く人と会話するのが慣れていないだから」

冬香ちゃんがサポートしてくれたおかげか僕の表情を見て

2人も自分に非があったようで謝ってきた

「ぼ、僕のほうこそごめんね?あ、あんまり同年代の子と会話したことがなくて」

「あ、あたし達のほうこそ一方的に質問して奏ちゃんのこと理解してあげなくて」

「いやいや!奏ちゃんが謝ることないって・・・川神さんもごめんなさい」

お互いに謝って改めて聞こうとしたらそうすぐ休み時間が終わってしまうので

次の休み時間にゆっくり話そうねっと2人はそう言って自分の席に座った

冬香ちゃんにお礼しきゃ

「冬香ちゃん、さっきはありがとうね」

「奏のサポートをするのが私の仕事です」

「・・・サポートしてくれるのは嬉しいけど仕事っていうのは

 出来れば辞めてほしいよ」

「・・・どうしてですか?私に何か落ち度でもありましたか?

「その・・・で、できればお、お友達になれたらいいなぁ~って

 思ってるんだけどだ、駄目?」

「・・・奏は私のことどう思いますか?」

「え?え~と見た目は綺麗でカッコいい人で丁寧な口調で話す人だなって思ったかな?」

「家が厳しいですからね・・・あとこの口調は癖みたいなものですから

 不快でしたか?」

「そ、そんなことにないよ。冬香ちゃんのことを知りたいから友達になりたいって」

「私は・・・」

どうしてか分からないけど冬香ちゃんが悲しんでいるように見える

僕はまだ冬香ちゃんのことをよく知らない

「冬香ちゃんの好きな食べ物もどんな性格かもよく知らないけど僕は知りたいよ

 他人の評価とか家とか関係なく冬香ちゃんを知りたいから友達になりたい

 こんな理由じゃだめかな?」

「ずいぶんと些細な理由ですね」

「友達になるのに壮大な理由も悪意も必要ないよ?

 その人の心を知りたいだけだから」

「・・・他人の評価でもなく家でもなく私の心を知りたいからですか・・・ふふふ」

笑ってる?もしかしてまた僕おかしなこと言ってた?

「と、冬香ちゃん?」

「いえ、初めてそんな事言われて戸惑っているだけです。ふふふ」

「そのわりに笑ってるけど?戸惑ってるように見えないけど・・・」

「上手く感情を表現できないだけです」

その割にはよく笑っているのは僕の気のせいかな?

「・・・改めてこれからもよろしく奏。お友達として」

「あ・・・うん!これからよろしくね!冬香ちゃん!」ニコ

「・・・もうすぐ次の授業が始まりますから用意した方がいいですよ?」

冬香ちゃんがそう言ってすぐにチャイムが鳴り先生がやってきた

急いで用意して授業が始まって数分経つと冬香ちゃんから小さなメモ用紙を渡された

(私のアドレスと電話番号です。困ったことがあったら何時でも相談して下さい。)

冬香ちゃんを見ると授業に集中してけど薄っすら頬が赤くなっているように見えて

微笑んでいたら先生に注意されてしまった。うっかりしすぎちゃった


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