エドも男の子
次、早めに投稿できるよう頑張ります(キリッ!)って言ったのはどこのどいつだ!
私です。
お待たせ致しまして、申し訳ありません…
サブタイトルも適当でごめんなさい…
気にしないよ!という寛大な方は今後ともよろしくお願いいたします。
…あれって、忠告する為に敢えてやったんだよね?
ティアは湯船につかりながら、先ほどの、いつもと雰囲気が違ったシュウの行動について考えていた。
自分のことをそこまで鈍いと思ったことは、正直なかった。
一人で生きていくために、周りの人間や依頼主の感情には敏感になっていたはずなんだけどなぁ…
細やかなケアができる何でも屋として評価もされていたのに。
一人じゃなくなって、なまったってことかな…?
「ていうか、特別に想ってる人って…誰のことだろう?」
フィルが自分のことを想ってくれているようだというのは、なんとなくわかっている。
ひょっとしたら自分の鈍感と言われる部分で人を傷つけているかと思うと、とても嫌だ。
「……一人で考えてもらちがあかないし、そろそろ湯船から上がろう…」
立ち上がったところでぐにゃっと視界が歪む。
あ、やば…
ふらりと傾いた体はそのまま派手な音を立てて浴室へ突っ込んだ。
「ーーーん…」
重たい瞼をなんとかこじ開けると、部屋の天井が目に入る。
あれ……?私どうしたんだっけ。
お風呂はいってて…………
ピクリと手を動かすと、手の中に感じる自分以外の体温。
「エド…?」
ティアの手を握ったまま、ベッドサイドで目をつむるエドがいた。
部屋の明かりを柔らかく押し返す金色の髪は、肩が静かに上下するのに合わせてさらりと揺れる。
初めて会ってからそんなに長い時間は経っていないけど、なんだかエド、大人びたなぁ…
そんなことを思いながらぼんやり眺めていると、長い睫毛がぱちりと瞬き、黄金色の瞳と視線が合った。
「あ。姉上、目が覚めましたね。大丈夫ですか?飲み物を持って来させましょうか」
エドは、フワリと優しい笑顔でティアの頭をひと撫でし、マリアを呼んだ。
「逆上せるほど湯に浸からないようにとあれほど申しましたのに!」
ぷりぷりと怒るマリアによると。
ティアは入浴中にそばに人がいると落ち着かないという理由で人払いをしているため、運良くたまたま部屋を訪ねたエドが浴室からの大きな物音に気付き、すぐに助けてくれたそうだ。
……ということは、裸見られた?!
いや………依頼の最中に見られたことだってあるし!家族だしね!
別に問題はないよ、うん。全然。
「マリア、あとは私がやる。今日は遅いから、君はもう下がっていいよ。」
「ですが、殿下…………、畏まりました。では、失礼させていただきます。姫様、くれぐれも無茶はしないでくださいませね!疲れていらっしゃるんですから」
なんかさっきも言われた気がするセリフだなと感じて苦笑しながら手を振る。
「はーい、心配かけてごめんね!おやすみなさいマリア」
マリアが退室した後、部屋にはエドとティア、2人が残された。
「姉上、少し体を起こしますよ。」
エドに肩を支えられて身を起こし、水を口にすると火照りも落ち着いてきた。
「ありがとう、エド」
顔を上げると、思わぬ密着度に気づく。
小動物みたいでとにかく可愛くて、守ってあげなくちゃって思ってたのに、いつの間にかなんだか体つきもシッカリして、すっかり男性らしくなってきている。
そういえばさっき裸見られたかもしれなかったんだ、意識すると何だか恥ずかしくてソワソワしてしまう。
ええい、姉としての威厳よカモン!
頭の中でバタバタしていると、手をそっと頰に添えられ、そのままエドの方に顔を向かされた。
ち、近い。
澄んだ黄金色の瞳は、初めて会った時よりも随分と強い光を宿していた。
「エ、エド??」
「あねうえ…」
つ…と、男性にしては細い指先が頰のラインをゆっくりとなぞる。
「っ⁉︎」
そのなんだか艶かしい動作に驚きビクリと身を引くと、エドははっとして手を引いた。
「姉上に聞きたいことがあります」
そう前置きして見据えた顔は、エドではない人のようだった。
「姉上はディオルクのことをどう思っていらっしゃるのでしょうか?」
鈍いとかでなく恋愛偏差値が低いだけなことに気づかないティア。
いやー
早くみんな報われてほしい。
鈍感相撲。