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フェアにはフェアを

いつの間にかブクマが500超えてました…!

こんなに沢山の人に気に掛けてもらえるとは…ありがとうございます!(感涙)



しかしながら

この回は、どうしても会話ばかりになってしまいましたのでつまらないかも…


次、早めに投稿できるよう頑張ります。


「殿下、お話があります。」


ティアが連れられるのを見届けてから部屋へ戻ろうとしたエドをフィリスが引き止めた。



「今でなくてはいけないことか?ディオルク。」


「恐れながら」


譲らないフィリスに向き直り、視線で先を促す。


「ーー自分は、この討伐前、 陛下にティア姫様と添い遂げたいという意思を伝えました」


一息にそう告げたフィリスをエドは感情の見えない瞳で見返す。


「…それで?」


「まだ婚約すら認めていただけるかわかりませんが、ただ、殿下にもそれだけお伝えしておきたかったのです。…お引き止めして申し訳ありません。後ほど、王の間にてお会いしましょう。」



踵を返したフィリスの背中を見届けることなく、エドは歩き出した。




その数十分後。

エドとフィリスは、王の間で国王陛下の前で礼をとっていた。


「楽にしてくれ。エドワード、総指揮として報告を。」


「は。陛下にご報告申し上げます。ユーレストとの国境付近の異常な魔物の発生は、やはり強烈な闇の残滓が要因だったようです。姉上の光魔法により浄化し、凶暴化した魔物の討伐は完了しました。」


「ふむ…そうか。ティアがそちらに行ったと聞いた時は卒倒しそうになったが、己の為すべきことをしたか。なにか褒美をやらねばな。」



「しかしながら、それで魔力と精命力が枯渇寸前の危険な状態なので、今は部屋でお休みいただいています。」


それを聞いて軽く眉間に手をやる。

父親としては頭が痛いといわんばかりだ。


「…とにかく。念の為、今後しばらくは見回りのルートに入れるよう騎士団長に伝えておこう。ご苦労であった。」



「…陛下。もうひとつ、よろしいでしょうか。」

おもむろに続けたエドであったが、言い淀み、というかものすごく言いたくなさげな様子であることに父である国王陛下はキョトンとする。


「うむ?」


「今回…フィリス・ディオルクの討伐部隊長としての働きがなければこんなにも早く討伐は終わらなかったでのではないかと思います。率先して切り込んでいく勇猛さ、純粋なる戦闘力、指示の的確さ、視野の広さ、どれも優れたものと感じました。」


若干忌々しげにではあるがさらりと言い切ったエドに、フィリスは瞠目した。


「ーーそうか。わかった。ディオルク、働きに応じて其方にも褒美を取らせよう。追って連絡する。」





そうして王の間を退出した後。


「…殿下。よろしかったのですか?」


エドワードの、質問の意図を問う目線にそのままフィリスは言葉をつづける。


「"ティア様への求婚の許しを今回の褒美にしてほしい"と陛下に申し出ている自分のことを、あのように…」


フィリスの功績を認めてしまえば、ティアと婚約の話が進んでしまうかもしれない。

エドワードがそれを望んでいないことは、フィリスもわかっていた。



「姉上を大切に思う私に、敢えてそれを事前に伝えたのはディオルクだろう。フェアにはフェアで返す。」


フィリスが黙っていると、広い通路の窓の外を眺めながら、大きく息を吐いた。


「いくら個人的に姉上との婚約を許せないからといって、臣下の功績をなかったことにするなど、そこまで落ちぶれてはいない。」


す…と窓の外から視線を移し、自分より背の高いフィリスを真っ直ぐに見る。


「私は、王族だ。まだまだではあるけれど…姉上に、王族にしてもらった」


最後はしっかりと凛とした声音だった。




一瞬ののち、フィリスはさっと頭を下げて礼をとる。


「過ぎたことを申しまして、失礼致しました。」



ただ、姉上とのことは認めたわけではないからそのつもりで。



そう言い残して去っていくエドの姿が見えなくなるまで、フィリスは礼をし続けていた。

エドワード、男前事件。


改稿を重ねるうちにどんどん男らしくなっていくエド…

ていうかティアへの態度とまるきり違いますね、さすが腹黒(笑)


お読みくださりありがとうございました!

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