おまもり
お待たせをいたしました・・・
連勤地獄に疲れました・・・!!!
小鳥たちもまだ目覚めぬ早朝。
1人馬の準備をするロードのもとへティアがやってくる。
「姫様!そこまで宿から離れていないとはいえお一人で…お戻りください」
「ロード。私決めたよ!」
拳を握り締めるティアの決意に溢れた言葉に、きょとんとするロード。
伝わっていないのにやきもきしたティアは、
だからね!と再度拳を小さく振り宣言した。
「全力で、貴方が守るのに相応しい完璧な姫になる!」
「は、はぁ…今でも十分ですが?」
ロードの頭上にはクエスチョンマークしかない。
「ロードがくれる気持ちに対して、"姫として"100%誠意を尽くしたいの」
一瞬間をおいたのち、ロードは小さく吹き出した。
「え、何で笑うかな?・・・なんかおかしかった?」
「いえ、それでこそティア様です。その真っ直ぐさ、好きですよ。」
さらりと言われた言葉に少し驚いたものの、
ティアは「そういうわけで今後ともよろしくお願いします!」と頭を下げて宿へ戻っていった。
王族が騎士に頭を下げているのを誰かに見られたらどうするのだろうか…
早速、ティアの言う完璧な姫への壁を感じたロードの背後から、
その様子を見ている人物がいた。
「ロード、さん…」
「おや・・・ハノアさん?随分とお早いですね。」
「ティア姫様、大事?」
挨拶もそこそこにいきなり切り出された話題に、今のを見られていたか、と思い言葉に詰まる。が、すぐにいつもの柔和な笑みを浮かべて。
「………大切な、守るべきお方ですよ。それが?」
その答えに、「それでこそ」と、満足そうに頷くハノア。
ビシィッ!とロードを指差し、高らかに告げた。
「あなたは、ティアさん守る。だから、私が、あなたを、守る!」
そう指をさされたロードは、年下の女の子の思わぬセリフに崩れ落ち、笑い始めてしまうと、ハノアは不思議そうか顔をした。
「す、すみません。ふ、っな…なぜそんなことに?」
笑いをかみ殺しつつ尋ねる。
「わたし、姫さま、ロード、大事!」
力強く言われた言葉と意外にも堅い意思を秘めた瞳。
その思わぬ真剣さに笑いをすっと止めたロードに小さなペンダント型の木工細工を渡す。
「これ、御守り。みにつける。あげる」
「・・・ありがとうございます。」と微笑んだロードを見て満足したのか、
ハノアはぺこりと頭を下げて立ち去っていった。
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そうして日も高くなった頃、ようやく橋の建設の打ち合わせや計画をたて終わり、王都へ戻る馬車に乗り込んだティアたち一行。
そこへ、見送りにヒリエスやハノア達ノームアンセスタの姿もあった。
「あれ?ロードさんが持っているのって・・・」
ハノアにもらったペンダントは、今はロードの手首に巻きつけられている。
「さきほどハノアさんに御守りだと頂いたんですよ。」
「・・・・・・そうでしたか。身に着けてもらえたらハノアも喜びます。良かったな。」
こくっと頷いたハノアに改めて御礼を言ったロードは先に挨拶をすませて馬車に乗った護衛に向かっていく。
その馬車を見送ってもまだ馬車が去った方向を見続けるハノア。
その隣でヒリエスは遠い目をする。
―――あれ、ノームアンセスタの女性の間で流行ってる、想いを告げるときに渡すものだよね?
「父さん泣くなぁ・・・」
ため息混じりにぽつりと呟いた。
とういうわけで、
ハノア⇒ロード?
矢印発現。かな?
お読み頂きありがとうございました。
次は城戻るか・・・考え中です!