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これからすべきこと

お待たせしました!


…という割に間話、のようなものです。


スミマセン!


『ティアの光が体内に入ったとはいえ、光の魔力の祝福は一時的なもの。其方の闇の力は消えてはいない。』


お茶を手に戻ってきたおばあちゃんーー光の精霊王は、フィルに向かってそう切り出した。


「…それどころか、以前より強くなった気がします。」


そう答えたフィル自身も戸惑っているのか、自分の手をにぎにぎして、体内の闇の感覚を確認しているようだ。


『そもそもその力はどうやって得た?』


「それは……いち騎士として数年前の戦争の時に。仲間とはぐれて森の中を彷徨っていたら、泣き声が聞こえたんです。それで近寄っていくと、黒い塊が浮かんでいて…」


『なる程……それが闇の精霊王の力の一部だったわけか』


フィルは闇の力を得た後、戦争で功績を立て、英雄となった。

その結果が史上最年少の騎士団第二部隊隊長の抜擢。


そう思えば良かったのかもしれないが…ふと疑問が浮かぶ。


「どうしてそんなことになったんだろう…?」


『…戦争、という時勢の中で悲しみ憎しみが膨らんで闇の要素が強くなったのだ。闇の精霊王の力が溢れ出て、戦場に置き去りにされたのだろう。あやつは寂しがりやだからな。誰かに憑くことを選んだのだろうが…仕方のないやつだ。』


「でも、自分では…この力のお陰で大切なものを守ることができたので、良かったと思っています。」


そう言ってフィルはティアを見ながら澄んだブルーの瞳を和ませた。


な、なんだろう恥ずかしいんだけども。思い切り顔をそらしておく。


『…そう見せつけてくれるな。まぁ、普通は闇の力に飲み込まれて狂ってしまうが、其方と闇の力も無理なく馴染んでいるようだし、光と闇は表裏一体。お互いがなければ存在を感じられぬものだ。そういう意味では其方らの相性は良さそうではあるが。』


それを聞いて嬉しそうに顔を綻ばせたフィルを見てなぜかちょっと頰が熱くなってきたので、慌てて話を変える。


「おっおばあちゃん、なんか他に話したかったこともあるんでしょう⁉︎」


『あぁ…そうだった。ここのところ戦争でもないのに闇の濃さが作為的に増していたから気になってな。其方の力も関係あるかと思ったのだが…違うようだな』


「…フィルじゃないなら、闇の魔法を使いまくってたアルスの力かな?でも…それならもう消えてるよね?」


アルスは闇の力に呑まれたはずだ。


『う〜む…そうだといいのだが。其奴の思念や魔力が残留して影響している可能性はあるな』


「影響って…どんな?」


『病、災害、魔物の大量発生…などの異変かと思うが』


魔物………


「そういえば、王都からここまでの隣国との国境近くの道にやたらと魔物がいたな。」


「!そうだ…それも闇の力のせい?」


はっとして思わず立ち上がる。


『可能性はなくはない。我が行ってもいいのだが、光闇の比率を変えすぎるかもしれぬから基本的にここを動けぬ。』


「うん、わかった。いろいろ父さん達にも相談してみる。」


これからやらなきゃいけないことを瞬時にリストアップしつつ、紅茶を飲み干し立ち上がった。

フィルもすっと立ち上がり、軽く礼をしてからティアに続く。


「じゃあね、おばあちゃん。また来るね!」


そう言われるとは思っていなかったのか、光の精霊王は、きょとん、と目を瞬いたあと、眩い光が溢れたような笑顔を浮かべ頷いた。


『…あぁ。また困ったことがあれば来るといい。』


「ありがと!」


大きく手を振ってから丘を駆け下りていく姿を、遠い記憶の愛娘に重ねながら、光の精霊王も小さく手を振った。

読んでくださりありがとうございます!


楽しんでもらえてるか不安…!



まもなく連勤地獄に突入するので

更新遅くなるやも…


がんばります!

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