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闇 対 闇

お待たせしました。

長文すみません!



「会いにきたよ。精霊王の寵姫。オレの名はアルス…って自己紹介はいらないかな?」



そう言ってニコリと笑みを作った青年は、まっすぐこちらに向かってくる。



「男2人はそこどいてくれる?オレが話したいのはティアだけだよ。」


「そう言われてどくと思うのですか??」



そんなロードとの会話の隙に距離をつめていたシュウがアルスの背後に迫る。



が、しかし。



「――甘いね。」



「ぐっ!?」


横から突如現れた黒い塊に弾き飛ばされてしまい、さらにその黒い塊はいくつもの獣のような形になって父やエドのほうにも向かっていく。


闇魔法か!!しかも動きが早い…!



「姫様!お下がりください。」


思わず駆け寄ろうとしたらロードに止められ、視線をやると、団長、副団長、ディエゴやシェールが父とエド、側妃様の護りに対応している。


退けど退けど沸いてでてくる黒い獣たち。


私も援護のつもりで光魔法を獣たちにむかって飛ばしていく。




「だから邪魔だって。」



アルスは黒い塊を投げつけるが、ロードは槍に纏わせた炎を使って黒い塊をはじき、そのままスピードを殺さずに突っ込む。


だが次の瞬間にはもう別の塊が向けられており、それをはじこうと繰り出した槍ごと押し戻されてしまった。



「……ッく…ッ!」



「…あれぇ?今のでぶっ飛ぶと思ったんだけど…結構しぶといね。」


アルスはニヤニヤしていた表情を消し、ロードの眼前に迫る!


バチィッ!!!!

衝撃派をくらって吹き飛んだ。


「ガハッ!!」



ロードは私が立つ傍の柱に激突し、ヒビが入った柱を見て目を見開く。


「っロード!」


素早さだけじゃなくパワーもあるのか…!

それに、先ほどから詠唱もなく闇魔法を使っている。

これって…



…とりあえず、今は分が悪い!



「…っ待って!話を聞くから、みんなに向けた魔法を解いて」


「オッケー!じゃあまず今にも切りかかってきそうなこれ、避けてくれる?」


「…フィル、少し待って。」


「……かしこまりました。ただし、妙な動きがあれば遠慮なく動きます。」


フィルはギリっと音がしそうなほど剣を握り締めたが、半歩だけ横にずれた。


「なかなか我の強い犬だね。でもそうか、じゃあこっちもマテさせようかな。」



笑んだアルスは、パチン、と指をならすと、

エド達に向かっていた黒い塊達が飛びのいて距離をおき、伏せのようなポーズをした。



「……で?私に何の用?害虫の一味が。」


「あはは!ひっどいなぁ。でも、そういう負けん気の強い女は嫌いじゃないよ。ねぇ、ティア?アンタはいくつの精霊王を契約してるの?」


「気安く呼ばないで。……4つよ。」


あまり神経を逆なでしてもみんなが危ないので正直に答えておく。



「へぇすごいな!…うん、やっぱりアンタはオレに相応しい!」



は?どういう意味…?

眉を顰めた私に構わずニコニコと話し続ける。



「オレはさ、これから闇の精霊王以外とも契約してこの世の精霊を掌握しようと思ってるんだ!そのためにアンタに一緒に来てもらおうかなぁって。

ねぇ、こんな国出てさ、オレと2人で世界の頂点に立とうよ!」



「お断「断る」りよ」


私の答えに被るようにフィルが凄む。


「は?オマエに聞いてないんだけど。」


「――お前なんぞには渡さん。」


言うやいなや、ものすごい質量の闇の力を剣にまとわせる。



「…なにその力?闇魔法の効果を付加したの?」


「害虫駆除が終わっても意識があればゆっくり質問に答えてやる。――いくぞ」



ーーすごい、疾い!


いままでの訓練で見てきた剣筋はなんだったのかというくらいの目にも止まらぬフィルの剣は、確実に相手の防御の闇魔法を削って

完全に圧倒している。



この間に少しでもサポートできればと光の魔法を唱えておく。



「オマエのその力、気に食わないな。闇の力を自在に使えるのはオレだけで十分」



黒の衝撃波を放ってフィルと距離をとったアルスは、両手を上に掲げ、頭上に闇のちからを集めていく。


あまりの禍々しさに、そもそも強い魔力に耐性のない側妃様は気を失い、オーウェン宰相は膝をつく。

エドや父さんは何とか踏みとどまってはいるが、大粒の汗をかいているのが離れていてもわかった。



「…闇同士の力比べか。」



言うなりフィルも力を解放した――

剣に纏う闇が濃くなり、腕にまで広がっている。



…って、いやいや、ちょ、待って!

そんなぶつかり合い、こっちがたまらないんですけどっ!?

この様子だととりあえずフィルは最悪死ぬことはなさそうだけど、普通に周囲は吹っ飛ぶでしょうよ!



他のみんなもそう思ったのか、それぞれ動けない者を支えながら退避する。


「姫様もお早く。」



シェールにそう言われて私も続くが、気になって振り返ると、ちょうどお互いの攻撃をぶつけあったところだった。



とっさに、唱えておいた光魔法で衝撃が弱まるように目の前に薄い壁を作ったが、

衝撃の波に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられてしまった。



「あぐ…ッ!」


咳き込みながら対峙している2人の方を見ると目に入ってきたのは、

アルスが闇に飲み込まれてもがく姿だった。



「…ッなんでだ!闇の精霊王の契約者のこのオレが…!!」


「その精霊王自身の一部と、契約して借りた力。どちらが強いと思う?お前はたかが借り物の闇の力に溺れすぎたんだ。」



「…そういう、ことかッ!くそぉおおお犬がぁッ!!!」



闇に完全に飲まれるその直前。



アルスの叫び声に呼応するかのように、

闇がレーザーのように伸びてフィルを貫いた。


ゆっくり傾いていく姿を床に転がりながら呆然と見つめる。


嘘でしょ…?


「フィルーーーーーーーーーーー!!!




嫌なとこで切ってすみません!

読んでくださりありがとうございます。



甘々好きなのになかなか書けない…

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