甘い蜜(ロード視点)
メッセージなどくださったみなさま、ありがとうございます!
喜びをエネルギーに筆をとっております(*^_^*)
寝込んだ翌朝。
姫様の解熱の薬草のおかげかすぐに回復できた。
頭もスッキリしている。
顔を洗って騎士服を着ると、自然と身も引き締まった。
「よし…行くか」
朝一で自分を訪ねてきたロードに驚くこともなく、部屋へ招き入れるフィリス。
「その顔は、わかったみたいだね」
「あぁ。答えが見つかった……。私は異性として姫様をお慕いしている。誰より幸せになっていただきたいし、出来れば私の手で幸せにして差し上げたいとも思う。」
口にしたことでより気持ちが固まった。
「情けないことに…同じことを同じような顔立ちの人間に言われて、ようやく気持ちの違いに気づけた。でも、そのきっかけをくれたのはお前だ、フィリス。…すまない。ありがとう。」
気持ちもハッキリしない恋敵など放っておけばよかったのに、敢えて気持ちを確かめてくれたのだ。
それは、単なる恋敵としてだけではなく、彼が仲間として自分を大切に感じてくれているからだと思う。
そう思い感謝と謝罪を述べると、フィリスはしっかりと頷いてくれた。
それから姫様の護衛につき、先日の非礼を詫びる。
少しの間何だかモゴモゴとしていたが結局「元気になって良かったです!」と笑うのを見て、胸が高鳴った。
…好きな人を見てドキドキするなんて、この歳でこんなに初心な自分に驚きを隠せない。
が、そんな気持ちよりも何よりも愛おしい存在に、自然と微笑んでしまう。
終始にこにこしているせいか一緒に護衛をしているディエゴに訝しげに見られるが、全く気にならない。
その日、外でお茶をしがてら姫様が殿下から国政の話を学ばれていた時のこと。
ふわりと一匹の蝶が髪にとまる。
書状を見ながら真剣に話している殿下と姫様は気づかない。
蝶の飾りをつけた姫様の姿はさながら妖精のようで思わず見惚れたが、そっと近寄り、蝶をとった。
「わ、全然気づかなかった。ありがとうございます!」
「いいえ。美しい蝶の形の髪飾りというのもお似合いでございますね。大方、この蝶も姫様の花のような可憐さに吸い寄せられて来たのでしょう。」
甘い蜜を持つ、蝶も羨む愛らしさですからね、と思ったことを口にすると、姫様は喉に物を詰まらせたような顔をしてから「…あぅ、あまい……」とよくわからないことを言いつつ項垂れた。
「僕も姉上にだったらつい寄ってしまいますよ?」と便乗してにっこり姫様に寄り添った殿下に対して、臣下としてあるまじき感情が一瞬湧いたのは気づかなかったフリをした。
私がこの気持ちを姫様に伝える日は来るのだろうか?
読んでいただきありがとうございます!
色んな視点から書いてみました。
ゆえに
話が進んでなくてごめんなさい(笑)
次で別視点終わるかな?
(まだあるんかい!笑)