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恋、ですか?

明けましておめでとうございます!

今年ものんびりペースにはなりそうですが更新頑張ります。


よろしくお願い致します!


濃い?鯉?故意?


いや…こいって……恋?


「は、え?」


側妃様の唐突な問いかけに、滲み出していた涙も止まる。


少しだけ首を傾げて目をパチパチする姿はどこか少女のようで可愛らしい側妃様だけど、

ごてごて飾りや厚化粧、変な巻き毛をやめた彼女は、少しキツく見える切れ長のつり目が長い睫毛に縁取られて嫌みのない色気を醸し出し、綺麗な人だった。



「…表情がすっかり恋する乙女の顔になっていますわ。それくらいわかるんですのよ。伊達に貴方より長く生きてませんから。」


「え、いや私は別に…」


「あら」

では無意識なのね、と口をおさえた側妃様。


「カレンの時も陛下とのことで色々相談に乗ったりしたものですわ…」


私を見て何か思い出したのか苦笑しつつ、話を促す。


「姫様が違うと言うのならそれで構いません。私なら特に他に告げ口する人もいませんし、どうぞいま思い悩んでいること、お話しくださいな。」


その柔らかな微笑に凝り固まっていた心が解れたのかもしれない。


ぽつりぽつりと、ロードを見舞ってからのことを話し始めた。



「…………では、姫様は、ディオルク殿に対しては口付けをされてから挙動不審に、ディオポルト殿のデレた態度にもちょっと引いていると……最近の男共は随分とまぁ…」


最後の方は声が小さくて聞こえなかったけど、側妃様は壁をとっぱらうと、結構開けっぴろげで愉快な人なのかもしれない。なんとなく。


「姫様、話は戻りますけれど。恋愛経験はおあり?」


「………………男性とご飯に行ったりとかしたことはあります!」


依頼で、しかも腑抜けの領主子息とだけどね!



拳を握りしめて力一杯答えた私の胸中を見透かしたのかどうなのか、扇をこめかみに当てて思案する側妃様。


「つまり…‘恋愛’経験はないのね?」


う…っ。

認めたら何かが負けな気がしなくもないんですが。


「……ハイ」


ああそうさ!全くその手のことはノータッチですとも!16年間!


「まぁ状況が状況でしたものね…カレンも貴方に恋愛をさせてあげたくとも無理だったんでしょう。でもそのせいで…ティア姫!」


「は、はいっ⁉︎」


ビッ!!!と扇で指される。


「いま貴方の恋愛戦闘能力は、限りなくゼロですわっ!」



ピシャァァアン…!!!

…と雷の効果音でもつきそうな勢いだ。


「恋愛戦闘能力、ゼロ…」


ここまでハッキリ言われるとちょっとショックだ。ていうか屈辱。


「あぅ、ど、どうすれば……いや、そもそも別に恋してるわけでもないし…」


「ティア姫…。感じる気持ちに素直になることです。相手がきっとこう思ってしてくれたから、自分はこうでなければならない、と思っているのでは?」


言い当てられて驚いた。

心を覗く魔法でも使ったのか!?



「…そういう性格なんだと思うけど、いいのよ…心はもっと自由で。それに今のその状況なら、モヤモヤを相手に打ち明けてみてもいいのではありませんか?」



「打ち明ける……フィルに?」



ふふ、と笑った側妃様は頷いた。


「ディオルク殿に、と貴方が思ったのならそれでいいと思いますわ。

ディオポルト殿はちょっと可哀想だけれど…」


最後のセリフは、扇に隠れてまたしても私には届かなかった。

特に聞かせる気がなさそうだからまぁいいか。



「側妃様、ありがとうございます!話を聞いてもらえて、なんだかスッキリしました。」



今夜、慰労会終わりにでも少しだけ時間をもらおう。そう決めて、側妃様へ礼を取って図書室を出る。




「恋愛に不器用なところまで母親にそっくりね…」


私が出て行った後に側妃様がそう呟いて笑ったことは、もちろん知らない。

読んでいただき、ありがとうございました(*^_^*)


書き溜めてはいるけどちょっと話が分岐してきたのでどう進めるか考え中ですー

しばしお待ちください…


今度小話でも挟むかなぁ


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