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フィルの想い



ロードがティアを見る目が、他の女性に対するものとは明らかに違うのは長い付き合いからさすがにわかっていた。


騎士団に入って以来よくしてくれ、戦場で背中を預けあったことも1度や2度ではない。


そんな相手だからこそ、きちんと自分の気持ちも伝えておきたかった。


そう思ってロードにティアをどう思うのか、自分の彼女に対する想いを話したけど、混乱させてしまったようだ。


熱を出したロードを朝一で見舞い、ティアの護衛につく。



記憶にある少女の面影を残しながら、大人の女性になった彼女を見てどれほど心が乱されたか。



そんなティアは、こと男性に対する警戒心というものがない。



ロードの部屋に見舞いに行くと言って聞かなかったが、どうやら俺やロードの心中に気付いていそうなディエゴやマリアに止められ、しぶしぶ諦めていた。



ーーーのだが、夜の警備中、ティアの部屋の中から気配がなくなったのに気づき、おそらく抜け出して来るならここだろうと来てみたら、案の定。



窓から少し頬を赤くしたティアが出てきた。


ロードに限って何もするはずがない、とはわかっていても、それを見てカッと頭に血がのぼるのは止められなかった。



一体なにしてたの?


問いただすと、前にも聞いたセリフが飛び出した。


「私は仲間のこと信用してるだけ!」


その瞳に曇りはないし、本当にロード含む俺たちのことを信頼してるのだろう。でも。


そんなに無防備だと、踏み込むよ?


気付いた時にはティアを腕に閉じ込め、強引に唇を奪っていた。


ティアが抵抗しながらキスの合間にこぼす吐息が思っていたより甘くて、すぐやめるつもりが止まらなくなる。


へたり込み、肩で息をしながら潤んだ瞳でこちらを見上げる艶っぽい雰囲気にたまらず首に口付けたところで、びくりと硬直したティアを見てようやく我に帰る。



が、謝罪か言い訳がましい言葉しか思い浮かばず、つい、

「…わかった?夜に男の部屋に行ったら、こういうことされても文句言えないよ」と言ってしまった。



告げた時のティアの表情が、目に焼き付いて離れない。


くしゃっと顔を歪ませ、今まで見たこともない泣き出しそうな表情をして、飛ぶように去っていった。



ティアが去った後の風のざわめきに、心が乱れたまま、後悔に押し潰されそうになりながらその場を後にした。


読んでいただきありがとうございます!


作者的には予想だにしない流れになってるんですが何とか前に進む予定です。



また仕事合間にアップできれば…と思っております!

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