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突然の

お待たせしました!


ちょっとフィルさんのキャラが壊れ気味な気がしなくもないです…

先に謝ります!


……………えーと。


「…ロード?」


寝たの?この状態で???



熱を測るために額に置いたティアの手を包むように握りしめたまま、ロードは寝息をたてはじめた。


大きな掌で包み込まれる当たる感覚に赤面してしまう。


緩んできた手を慌ててほどいて、ティアはそろそろと離れる。



「ビックリした…」


名前を呼びながら手を握るその力が強くて、一瞬ドキッとしてしまった。


顔色も良くなってきたようだし、この分だとすぐに体調も戻りそうだ。



「戻るか…」


そろりと窓を開け、周りを伺う。

一階の騎士寮の角部屋だったので出入りは割りと簡単だ。


ひらりと外に飛び出すと、火照った顔に冷んやりした空気が当たって気持ちよかった


のも、ほんの一瞬。



「――――何してたの?」


「のわぁっ!!?」



あまりの驚きにビリ…と電気が走ったように体が動かない。


ぎぎ、と音がなりそうな動きで横に向き直る。



「ふ…フィル…!何でここに?」


「どうしてここにはこっちの台詞。君、何してるの?」


「…お見舞い、に……」


「窓から?」


「うっ。ご、ごめんなさい!見つかったら怒られると思って…こっそり……。

でもっ、ばれないように風魔法で気配を感じづらくしてあるし…」


「そういう問題じゃない!」


珍しく声を荒げたフィルに体がすくむ。


かつてない怒りを感じ、冷や汗が出てくる。

ぎゅっと手を握りしめて必死に頭を回転させるがうまくいかない。


ど、どうしようどうしよう。


「男の部屋に1人で入るなんて本当に無防備すぎる。」


「お、男とか女とか関係ない。私は仲間のこと信用してるし何かしてあげたいだけ!」


「…へぇ、じゃあ俺のことも?」


「もちろ――っん」



唇に柔らかな感触。



こんなに冷たい声で怒ってるのに温かいんだーーー唐突な口付けに思考がついて行かず、そんなことを思った。



驚きに硬直している私の手首を掴み、背を壁に押しつけて逃げ場をふさがれる。


一瞬離れたと思ったら角度を変えて再び口を塞がれ、頭が熱くなって朦朧としてきた。


「ん!んぅッ!?!!」


必死に手を突っぱねてフィルを押し返そうとするもビクともせず、さらに深い口付けに、足から力が抜けた。


「…っはぁっ、は、ふぃ、る?」


肩で息をしてストンと地面に座り込んだ私に目線を合わせたフィルは、ちゅ、と音を立てて首筋にキスを落とす。

羞恥と驚きに自分の体がビクリと震えるのがわかる。



「…わかった?夜に男の部屋に行ったら、こういうことされても文句言えないよ」



フィルは淡々と、固まる私にそう告げる。



ーーーそれを言うためだけにこんなことしたの?



一瞬の自失から力を振り絞って立ち上がった私は、フィルを思い切り突き飛ばして、風魔法で一気にその場を飛び去った。



余裕のない男、フィル。

自分に自信がないからですね。


読んでいただきありがとうございます!

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