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束の間の日常

お待たせしました!

まだ待ってくださってる方いるでしょうか…!?

首謀者が捕まったことで、その後は数日のうちに協力していた官僚や貴族達も次々と牢屋へ入れられた。


彼らはこれから断罪されるのを待つことになる。



そんななか、ここ数日、私とエドは側妃様の部屋に入り浸っている。


側妃様は随分回復して歩き回れるほどになった。

起きれるようになってすぐにこれまでのことを頭を下げて謝罪された時は焦ったなぁ…。



側妃様に使われたのがただの毒ではなく闇魔法が使われていたことで、通常の治癒魔法が全く効かなかった。

闇に体を蝕まれているなら、その逆、光で癒えるはずだと進言して、光魔法を使える者がつきっきりで治療に当たっていたのだ。



毒を作った闇魔法使いはまだ捕まっていない。


側妃様にとっては、心の支えにしていた人物が逆賊とは信じたくないかもしれないし話したくないかもしれないけど…このまま危険なヤツを野放しにはできない。

シュウが公爵家の査察のあとそのまま闇魔法使い探しをしてくれているのだけど、足取りは掴めていない。


どうやって探し出すか…



マリアが淹れてくれたお茶を呑みながら、思案する。



「そういえば、マリアも魔法使いだったんだね。」


そう、驚くべきことに、側妃様を治療した魔法使いの中にはマリアも入っていた。


「一応姫様付きの侍女になるにあたって一通りの魔法は教え込まれています。とはいえ、姫様ほど高い魔力もありませんから、本当に、簡単な呪文しか使えませんわ。」


「いやいや、礼儀作法も完璧、容姿端麗、で、魔法まで使えるって万能すぎでしょ!主人公か!」


「そういえば…あなたの母君も素晴らしい侍女だったわね。確かカレンについていた方だったかしら。」


突然口を挟んできたのは側妃様。


「え、そうなの?マリア」


「はい。うちは代々、王家に使える身なものですから。」


「へぇーじゃあ母娘共々お世話になってるわけかぁ。ありがとね。」


お礼を言うと、マリアは少し照れた様子ではにかんだ。



「ふふ…本当にカレンそっくり」


側妃様は全てを告白してからというもの、私のことをどこか懐かしむような、優しい目で見てくるようになった。


いきなり仲良く、という感じでもないけど柔らかい対応になったのは確かだ。


それはエドにしてみてもそうで、慈愛に満ちた眼差しは、エドが本当に愛されているとわかる。

エド本人はまだ戸惑ってるけど。


「そんなに似てますかねー。」


「えぇ、とっても。…比べられないのが残念だわ…」


遠くを見るようなその目には母との思い出が見えているのだろうか。


「…エド、私このあとの訓練までちょっと外を散歩してくるけど、まだここにいる?」


「あ、いえ、僕も行きます。では母上、また。」


「ええ。訓練頑張ってね。」


「…はいっ」


ぎこちないけど、そこにある温かさに思わず目を細める。

なんだか嬉しくなって、エドと手を繋いで歩いた。


エドは恥ずかしいのか頬を赤くしたけど、

繋いだ手を優しく握り返してくれて、さらに嬉しくなった。




ポカポカと降り注ぐ太陽の光の下、のんびりしようと木陰に腰掛けて、他愛もない話。


マリアだけでなく珍しく今日の護衛、ロードが隣に、ディエゴもエドのそばに座って話に加わる。



「あーなんか…平和だ…」


「城に来てから怒涛の日々でしたからね、姉上は。」


「そうだねぇ…まだ全部解決はしてないけど…」


「少し肩の力を抜いたらよろしいのでは?今回姫様は無理をなさったのですから。」

ロードが顔を覗きこむのに続けてディエゴも頷く。


「そうですよ!姫様の作った土人形、マジで本物かと思いましたもん。あれがあれば堂々とサボれますね!」


「そういうことを言うな」


ロードに結構本気でどつかれるディエゴをみんなで笑う声を聞きながら、

目を閉じてなんだかこの幸せな空気に浸った。


読んでくださりありがとうございます。

土日にもう1話くらい上げられればいいなぁと思っております…


期待せず(おい)お待ちください!


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