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姫様の日常?夜会編②

お待たせしました。

ロードのターン?

夜会も終盤。


「殿下、少しよろしいですか?」


シュヴァルツ公爵が誰々の娘を紹介したいとエドを連れていってしまう。フィルも伴って。


夜会が始まってからずっとエドが傍にいてくれたのでそんなに多くの貴族に詰め寄られることなく平和に過ごしていたのだけど…


貴族達に気づかれたらまたダンス地獄になるかもしれない…

ゾッとしたわたしはそっとバルコニーに避難した。


「ふわ~夜風が気持ちいい~」


終わるまでずっとここにいようかなぁ…と遠い目をしていると後ろから声をかけられた。


「姫様、よろしければどうぞ。」


薄茶の髪をさらさらと揺らしながら、シュヴァルツ公爵の息子・シェールがドリンクを片手にやってきた。


「まぁ。今日の主役にそこまでさせるなんて恐れ入りますわ。申し訳ありません。」


「主役とはお飾りのようなものです。皆、人脈作りに忙しいようですから。」


歯に布着せぬ言い方に驚いてアメジストの瞳を見返すと、他意はないようで、涼やかな瞳ににこりと笑みを返された。


「ただ、主役だからと皆が姫様と話す権利を譲ってくれたのでラッキーでしたね。姫様はここで何を?」


「…少し、涼みに?」


うぉっ間違って疑問系になってしまった!

焦る私を見てシェールはくすくす笑った。


「そうでしたか。…姫様は真っ直ぐに目を見られますね。」


話をする相手の目を見て話すというのが母の教えなのだけど、貴族的にはダメだったのだろうか?


「もちろんそれがダメと言ってるわけではありませんよ。ただ、そのエメラルドの様な瞳にいつまでも留まっていたいと思ってしまう自分に戸惑っているようです。」


「は…?」


「これまでに女性に対してこんなにも胸を揺さぶられたことはありません。姫様、もう少しあちらでゆっくりお話致しませんか?」


そのまま手をひかれ、もう片方の手を肩に添えられ、人気のないほうに向かっていく。

今日は露出が高いドレスのせいで露わになっている肩に触れられて鳥肌が立つが、必死に足を踏ん張る。



「あ…えぇと…わたくしまだ他の方への挨拶も済んでおりませんの。今日のところは失礼させて頂きますわ。」


「僕が一緒ならなにも言われませんよ。さぁ。」


無理やり肩を抱かれ、つれていかれそうになる。


なにこいつ、話聞いてる?嫌がってるのわかってないの?


有力貴族の息子とあって吹き飛ばすわけにもいかず、困っていると、


「シュヴァルツ殿、女性に無理強いは良くないのでは?」



その声が聞こえた途端、肩を抱く手に少し力がこもった。



「これはこれは、ロード殿。ご機嫌いかがかな?君やフィリス殿、英雄達が護衛では、やすやすとこの国の宝には近寄れませんね。では姫様、またの機会に。」


シェールは、すっと身を引いて、他の女性であれば目をハートにしかねない笑みをたたえて去っていく。

ロードはその後姿をじっと見つめていた。


「やっと行った……」



はぁぁ…と肩から力をぬいたら、ロードが手を伸ばしてきて、思わず肩を竦めてしまう。


その様子を見て少し眉を寄せ、マリアに何か頼むロードをぼーっと見つめているとロードの穏やかな目と目があってしまった。


「あ、あの、ロード。勝手に動いてごめんなさい」


「まったくです。一瞬で姿が見えなくなったので焦りました。…とはいえ、護衛対象から一瞬でも目を離した私が悪いですから。気になさらないでください。…少し近寄っても?」


「え、…うん」


少しだけ距離をつめたロードが、恭しく手を差し伸べ、頭を下げる。


「一曲、ご一緒していただけませんか?」


え、ここで踊るの?


疑問に思いながらも、恐る恐る手を取ると、ロードは優しく微笑んで、足を踏み出した。


バルコニーに漏れ聞こえる演奏にゆっくりステップを踏む。

少し密着した体からはロードの体温が伝わってきて、冷えた肩を温めてくれる。


「姫様、お上手になられましたね。でも姫様のメインはダンスや貴族の人脈なんかより美味しいお食事という気もしますが」


「思い出した。後でちゃんとご馳走も食べなきゃね!」



話しながら少しずつ体がほぐれていくのがわかった。


先程、無理矢理連れて行かれそうになったことで知らず知らず男性に対して強張っていたようだ。



ロードはそれに気づいて敢えてダンスを申し込んでくれたんだ…



そう思うと気遣いにくすぐったくなる。


ちらりと見上げると、ロードが優しい表情で見下ろしていて、なんだか全部見透かされているようで余計に恥ずかしくなってくる。


曲が終わった頃、マリアが 戻ってきた。

どうやらロードに言われてショールを取りにいっていたらしい。


これで肩や胸元を覆えば気にならないのでひと安心だ。



そこにエドやフィルも戻ってくる。


「姉上!公爵子息が傍にいたみたいでしたが…大丈夫ですか?」


「うん、大丈夫。」


フィルはこちらをちらりと一瞥をくれた後、ロードの方を見た。


何か…妙な緊張感が。

え、なに?2人とも目で会話?


エドは気づかずマリアと話している。


そのまま見詰め合うこと数秒。

目線が外れた時には妙な空気は消えていた。


どうしたんだろう…



というか、エド、何か帰り支度してない?


まだ私ほとんど何も食べてないんだけど、帰るの?ねぇ??


読んでいただきありがとうございます!

遅筆で申し訳ありません。。。



ところで、みなさん、キャラ達のそれぞれの過去話は知りたいですか??

本編に入ることもありますが、どこで入れるか悩んでます…

早く見たいという方がいらっしゃるようでしたら途中入れ込んでいこうかな…

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