表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/130

強さとは

実はヒリエス君はいい男になるんじゃないか。


結果から言うと、鉱山の町ヤエムでの滞在は伸びに伸びた。

って言っても3日くらいだけど。


いや~鉱山の崩落した岩をどかせたり、ほかの建築現場や鍛冶場を見学しに行ったりしていたら、

あっという間に時間が過ぎてしまったんですね~ははは。


私の提案のせいで怪我をしてしまったポルナレフさんもすぐに傷は癒えたけど心配だったし、

監督からは母の昔の話を聞けて楽しかったせいもあるし、何より気のいいこの集落の人たちのことをすっかり好きになってしまったのだ。


おかげで得られたものも多かったしね。


ロードさんも諦めの境地に達したようで、最初こそ何か言いたげな顔をしていたのが、段々と一緒に手伝ってくれるようになった。



そうそう、滞在中、地元の若者たちと鉢合わせたことがあった。

ハノアちゃんヒリエス君、ロードさんというメンバーで街中で買い物をしていたときのこと。


ちょうど我々が出会ったあたりに差し掛かったとき、子供達のやんちゃそうな声が飛んできた。


「あー!化け物ハノアじゃねーか!」

「お前何しにきたんだよ~!化け物は森に帰れよ!」

「またお前の大事なモノ、岩の下敷きにしてやるぞ!」


…そういうことだったのか。

初めて会ったときにハノアちゃんが大きな岩を持ち上げようとしていたのは、その下敷きにされたものを取ろうとしてたからだったんだね。


そう考えて岩を粉砕でもしてやろうかと構えたら、ヒリエス君が数歩前に出て、例のハノアちゃんが持とうとした岩の前に立った。


そしてひょい、と持ちあげた。


一応言っておくと、岩はヒリエス君の腰くらいまでの大きさがある。

あの少年達ももともとあった岩を力を合わせて頃がして動かしたんだと思う。

その岩を、なんなく1人で担ぎ上げたヒリエス君は、氷点下の眼差しで吐き捨てるように言った。


「今度ハノアに何かしたら許さない。正々堂々決闘を挑むことになるから、覚悟しておいて」


真っ青になって固まる少年達。


なんかその眼差し、誰かに似てるんですけど………

はっ!!!フィリスさん⁉︎フィリスさんなのか⁉︎

あなたいたいけな少年に何を伝授してるんですか!かなりのブリザードですよ!

誇りもてとか言ったけどこっちほうこうに強くなっていくの⁉︎


そんなことを考えていた私の横を通りすぎ、ロードさんがかがんで少年達に微笑みかける。


「紳士たるもの、女性には優しくするべきですよ?体に教え込んで差し上げましょうか?」


「ひぃ…っ!!」

真っ青どころじゃない顔色になり…あ、1人腰抜かした。


ここから見えないけど魔王みたいに見えてるんだろうな…。



泣きながら逃げていく少年達を一瞥して、ヒリエス君は岩の下敷きになっていたキラキラした物を拾いあげた。


「これは…」


「おにいちゃんが初めて鉱山で採掘した宝石の欠片…落としちゃったの。」


そうモジモジしながら言うハノアちゃん。ヒリエス君もはにかみながら、ハノアちゃんの手に宝石を戻す。


く……!なんて可愛いんだ……!

美しき兄妹愛に鼻血が出そうです!いいなぁ私も兄弟欲しかったな…。



そんなこともあったがとりあえず私としてはこの町を見て回ることができ、目的を果たした。

最終目的は誰にも言ってないけど…きっとロードさん辺りはわかってるだろう。


あまりに可愛い兄弟をにやにやしながら眺めていたら、フィリスさんに冷たい眼差しで「…視線が不躾だよ」と諭された。


そうして別れを惜しまれつつヤエムを発った私達は、

いよいよ王都へと足を踏み入れる。

お読みいただきありがとうございます!


やっと!

王都です……


本筋は決まってますがまだまだ先長いのでのんびりと…。


明日はアップできないと思います

ご容赦ください。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ